きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり
】
|
|
|
|
|
モンガラカワハギ |
新井克彦画 |
|
2004.2.10(火)
午前中はふたつの会議をこなし、午後からは昨日に引き続いて化学物質の構造式解明に取り組みました。13時から19時までぶっ続けでちょっと疲れましたね。30ほどの物質の解明でしたが、どうしても判らないものが2、3。明日は休日ですけど昼からでも出勤して、続きをやろうかと考えいます。できれば先週の金曜日までにと頼まれていたものですから、あまり遅くなるのも考えモンですからね。
それにしても、改めて化学物質の多さにあきれ返っています。解明している分野は狭い範囲なんですけど、万を超えているんではないでしょうか。ほとんどが合成物質です。毎年卒業する工学部の学生が、基本的にはひとつの発明をして卒業するわけなんですが、化学の分野も例外ではないでしょう。万の化学物質なんて、すぐに出現するわけです。
|
|
|
|
|
|
|
|
|
2004.1 |
神奈川県伊勢原市 |
丹沢大山詩の会編 |
1000円 |
|
ハマヒルガオ 中平征夫
その花
潮風にゆれ
蔓よりながい
闇ふかい根がのびる
ひろい まひる
あかるいこどく が ほかにあるか
最終連がすばらしい作品だと思います。「ひろい まひる」という詩句にも「あかるいこどく が ほかにあるか」というフレーズにも作者の斬新な言語感覚を感じます。この連だけひらがなにしたことも視覚に訴える効果があって成功していると云えるでしょう。第2連が「闇ふかい根」ですから、それとの対比も奏功していると思います。短い作品ですが、本当の力がないと書けない作品です。
それにしても「ひろい まひる」、「あかるいこどく」なんて言葉は、どこかで使ってみたくなりますね。
|
|
|
|
|
|
|
|
|
2004.2.10 |
東京都東村山市 |
書肆青樹社刊 |
2200円+税 |
|
乾イテイル
ヤケニ喉ガ乾クト思ッタラ
気付カヌウチニ
世界ハ コンナニ乾イテイル
砂漠化ノ砂塵ハ 街ノ中ニマデ吹キ荒(スサ)ビ
星ヲモ 無機質ニ変エヨウト
水質ニ限ラヌ潤イト
生ケル有機質ノ営ミヲ
覆イ尽クソウトシテイル
ソンナ意図ナド知ラズ
化石燃料デ維持スル世界ハ
振リ返ッテミレバ
其処(ソコ)ハモウ 死臭ノ街
太古ニ枯レタ命ノ末路ノ匂イ
機械仕掛ケノ乾燥化ノ箱
ドンナニ色ヲ付ケテモ
ソノ美シサニ 見惚レテイテモ
深層心理ハ 集団心理ノ影デ
本質ノぐろてすくナ骨格卜化学式トヲ
見抜イテ 笑ッテイル
無機質ノ育テル食料ト
ソレデモ足リズ薬(さぷりめんと)潰ケニナリ
水マデモあみの化シいおん化スル
機械(ましん)卜油(おいる)卜薬(さぷり)トデ 乾イタ人間モマタ
イツシカ 街ニ風化シ
さばさばト無機質化シテ
今ヤろぼっとニ近ヅイテイル
遥カナル太古 一体ダッタ
虫ヤ獣ヤ 草木ヤ 花ノ 思イ モ
何一ツ 理解デキナクナッタ人間ハ
地球ノ命ノ一ツトシテノ
愛<秩@失ッテシマッタ
男ト女ノ愛ノ 根底ヲ成シテイタ
地球一ツヲ貫ク
命<gイウ愛<
人間ダケガ 忘レヨウトシテイル
或ル日 思ッタ
私ハ 人ヲ愛スルコトヲ止メタ時カラ
生キモノデアルコトヲ
止メテシマッタノカモ 知レナイト
ダガ 人間ノ渦ノ中ニ埋モレテイルト
ソレハ逆ダッタノカモ知レナイト思ウノダ
人間ガ 生キモノデアルコトヲ止メテシマッタ時カラ
人間ハ 人ヲ 全テノモノヲ
愛スルせんすヲ
愛スル方法デハナイ
本分ノ才能トシテノ愛<
失ッテシマッタノカモ 知レナイ
著者の第一詩集です。紹介した詩は詩集の中で唯一カタカナで書かれた作品です。表面的には「砂漠化」している「世界」、「機械卜油卜薬トデ 乾イタ人間」を描いているのですが、それだけではないように思います。最終連の「本分ノ才能トシテノ愛<秩^失ッテシマッタノカモ 知レナイ」に如実に現れていると思うのですが、「人ヲ愛スルコト」という視点から「虫ヤ獣ヤ 草木ヤ 花ノ 思イ」も「男ト女ノ愛」も捉えている作品だと思います。そして、その根底になっているのが「愛スルせんす」であり、それは「愛スル方法デハナイ」と言っている著者の思想です。この見方はすばらしい。
詩集全体として芯が強いと感じさせる作品が多いのですが、その強さは「愛スルせんす」にあるのかもしれません。楽しみな新人の登場です。
(2月の部屋へ戻る)