きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり
】
「クモガクレ」 | ||||
Calumia godeffroyi | ||||
カワアナゴ科 | ||||
2004.5.10(月)
日本ペンクラブの電子文藝館委員会に出席してきました。今回は、5月の総会で承認された応募料を取るシステムについて話し合いを主にやりました。まだ決定ではありませんけど、話し合われた大筋を紹介しておきましょう。
電子文藝館は、会員の投稿と委員会の認めた会員外の「招待席」がこれまでの掲載基準でした。応募料を取るシステムは、その掲載基準にない人からも投稿の希望が多々あることから考え出されたものです。応募料は3000円程度になりそうで、応募作品の全てを掲載するわけではありません。委員会内とプロの作家に読んでもらって掲載可否を判断します。応募料はその事務経費という位置付けになると思います。
分野は当面、小説、評論、場合によってはエッセイ程度で、400字詰め原稿用紙換算50枚以内(40KB)を考えています。詩歌、戯曲はしばらく除くことになりそうです。評価が難しいですからね。
もちろん電子化されたデータをEメールで送信することが条件に入ります。
作品を発表したい、誰かに読んでもらいたいという人は多いようですね。それに応えようというものですから、今から準備をしておくのも良いでしょう。実現するにはまだ3ヵ月ほどかかると予想していますけど…。
○季刊詩誌『新怪魚』91号 |
2004.4.1 | ||||
和歌山県和歌山市 | ||||
新怪魚の会・くりすたきじ氏 発行 | ||||
500円 | ||||
立ち上る 山田 博
藤白山へ
雲が腰かけている
頬杖ついて
背中を見せて
雲だって悩みもし
考えごともするのだ
きっと決断を迫られているのだろう
ローカル線・野鉄廃止後の
遊歩道のベンチヘ腰をおろして
ぼんやり呆うけた眼差しを注ぐものの
実は決断を迫られている
あっ立ち上った
いつの間にか雲は
背泳ぎの姿で真上に来ている
するとここは深海の底だ
苦しい 息苦しい
いやおうなく立泳ぎで
海面まで顔を出さねばならぬ
気付けば風が吹いている
ほっと気がほぐれた
雲は大きな層積雲の中へと
溶け込んでいった
「雲」の擬人法がおもしろい作品だと思います。「雲が腰かけている/頬杖ついて/背中を見せて」いるという描写は、なかなか出来るものではありません。「きっと決断を迫られているのだろう」というフレーズもいいですね。これが作中人物の「実は決断を迫られている」へきれいに繋がっていき、この処理はうまいなと感心しました。
第3連の主語は「雲」でもあり作中人物でもあって、この作品の核心として巧みに作用していると思います。起承転結で隙なくまとまっているのも奏功している作品だと思いました。
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