きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり
】
「クモガクレ」 | ||||
Calumia godeffroyi | ||||
カワアナゴ科 | ||||
2004.5.16(日)
今日はおもしろい処へ行ってきました。「紙芝居喫茶・アリキアの街」というもので、神奈川県秦野市にあります。小田急線東海大学前駅から歩いて10分ほどの所で、駐車場もありました。
今月末にそこで朗読をやらないかと誘われています。親しくしていただいている呑み仲間の詩人からの誘いですから、もちろんOKと返事をしてあります。で、さっそく喫茶店のオーナーから「事前に下見がてら遊びに来ないか?」という丁寧な手紙をいただいて、行ってみたというわけです。
今日は伊馬匣子(いま くしげこ)さんという方の朗読で紙芝居を観ました。驚いたことに1952年製の小川未明原作のものでした。孫の小川英晴さんは仲間ですので、さっそく知らせてやろうと思います。喜ぶだろうなぁ。
写真はその紙芝居の1頁目です。ちょっと色褪せてきましたが、鑑賞の妨げにはなりませんでした。それよりも50年も前のものがよく残っていたなと感心しています。観客は20人ほどでしたが、終ったあとの感想も好意的でしたね。
伊馬匣子さんは6月18日に銀座・博品館劇場で朗読をやるほどの人ですから、もちろんプロ。プロの朗読を久しぶりに聴きましたけど、やはり安定していて耳に心地良かったです。
こちらの写真は紙芝居と店のオーナーです。この店は読売新聞などでも紹介されていますから、知る人ぞ知るなんでしょうね。ほとんどが常連さんのようでした。
さて、月末の朗読に充てられた時間は1時間とか。件の呑み仲間と二人だけで1時間ももつかなぁ? 詩人相手ではないので、ちょっと緊張しますが、しっかり練習しておこうと思っています。
○詩誌『山形詩人』45号 |
2004.5.20 | ||||
山形県西村山郡河北町 | ||||
高橋英司氏 編集 | ||||
500円 | ||||
変な話 高橋英司
空に青空がひろがると
屈託が消えて
元気が出てくる
人間は何と単純な動物だ
雨が降ると
なぜかみんな気鬱になって
合言葉のように
思ってもいない愚痴を洩らす
晴れの日も雨の日も
一日中曇りの日だって
昨日の自分と変わりがないのに
別人になってしまう変な動物
原稿ができあがると
浮き浮きしてポストに走っていく
まるで天才気分の自己満足
詩人は実に単純だ
詩を否定されると
人格を否定されたように思い込んで
なぜかペちゃんこになってしまう
紙の上のことばにすぎないのに
褒められても貶されても
印刷されたことばは同じで
作者と読者の頭の中は違って当然
それを気に病む必要はない
詩に限らず表現に携わる者には「否定されると/人格を否定されたように思い込んで」しまうところがありますね。作品を否定したも人格を否定してはならない、逆に「褒められ」たら用心しろ、というのが鉄則なんですけど、なかなかそうはいきません。ついつい一喜一憂してしまいます。それというのも「昨日の自分と変わりがないのに/別人になってしまう変な動物」が人間なんだという作者の思いが伝わってきます。「作者と読者の頭の中は違って当然」なんだという指摘にも救われる思いがします。表現者の心理を巧みにくみ取った作品と云えるのではないでしょうか。天気と心理をうまく重ね合わせた作品だと思いました。
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