きょうはこんな日でした ごまめのはぎしり

       
 
 
 
「モンガラ カワハギ」
新井克彦画
 
 

2004.7.2(金)

 午前5時前に起き出して、山形県まで出張してきました。いやぁ、さすがに眠かったですね。東海道新幹線でも、山形新幹線でもうたた寝をしてしまいました。業務は16時に無事に終えて、一電車遅らせて新庄で買物をして帰りました。行くたびに寄る新庄の酒屋さん「高橋日東商店」の店先でちょっとビールを呑んで、山形の銘酒・大吟醸「秀鳳」とご亭主お薦めの焼酎「秀洋」を買って帰りました。焼酎も山形産で25年貯蔵ホワイトオーク樽≠ニ書いてありますから、ほとんどウィスキーかブランデー並の風格です。楽しみだなぁ(^^;

    040702.JPG

 写真は帰りの山形新幹線の中から撮ったものです。東根と山形との間ぐらいで、東を見ていますから、地図からすると「面白山」が見えているのかもしれません。たぶん蔵王ではないと思います。山頂にアイスクリームのように雲が被さっているのが面白≠ュて(^^; 撮りました。たまに訪れる土地というのは何を見てもおもしろいということですね。



  詩誌『饗宴』40号
    kyouen 40.JPG    
 
 
 
 
2004.7.1
札幌市中央区
林檎屋・瀬戸正昭氏 発行
500円+税
 

    枇杷の実    瀬戸正昭

   鬱金より地味だが
   深黄よりやさしい

   紡錘形のゆめのあはひを
   くちなしのいろにそめつつ…

   ないしょの手紙 とは
   ヤナーチェクもやるじゃねーか

   種ばかりおおきくてね
   さうもんの老女がささやく

   戀の 螺旋のきざはしに
   をはりはない さ…

   さうつぶやいて
   カートにいれた

 ルール違反かもしれませんが、この作品の背景となる文章がありましたので、それも紹介してみましょう。作者による「林檎屋主人日録(1)(2004・2〜5)」にそれはありました。抜粋してみます。

    5月1日(土)快晴風冷
    おやつの九州のビワがおいしい。鬱金より
   地味だが深黄よりは濃いすばらしい色彩…。
   以前訪れた鹿児島は印象が良かった。もう一
   度、再訪してみたい。

    5月5日(水)快晴風やむ。
    ヤナーチェクの弦楽四重奏聴ききつつ、「枇
   杷」の詩を書く。

 もちろんこんな裏話が無くても鑑賞に耐える作品だと思うのですが、第3連は難しいかもしれませんね。実は最初に「林檎屋主人日録」を読んでいて、「ヤナーチェク」はちょっと記憶にあったのです。それで詩の中に「ヤナーチェク」が出てきて、あれぇ?と思ったのです。日録を再読して発見≠オたという次第です。そこで全ての連がスーッと胸に落ちました。「さうもんの老女」はまったくの創造だろうと思います。

 詩の鑑賞で背景を知る必要があるか無いかは時々話題になるのですが、私は出来れば背景も捉えたほうが良いと思っています。最低でも同人住所録で何処に住んでいる人かを念頭に置くようにしています。言葉の裏にある住んでいる場所の雰囲気まで考えて読むと、作品にグッと接近できるような気がしています。いわば詩人研究をしながら読む、ということに近いのかもしれません。そんな好例として紹介させていただきました。そうやって読むと最終連の「さうつぶやいて/カートにいれた」なんてフレーズは巧く創っているなと思いますね。




   back(7月の部屋へ戻る)

   
home