きょうはこんな日でした ごまめのはぎしり

       
 
 
 
「モンガラ カワハギ」
新井克彦画
 
 

2004.7.9(金)

 ここのところ金曜日は仕事が終ったら呑みに行くというのが恒例になっていましたが、今日はやめました。昨日が呑み会で、明日も早朝から職場の地引網に参加して、当然、呑みますからね(^^; ちょっと身体がもちそうにありません。職場の連中は私と同じようなスケジュールですから、幸い誰からも呑み会の誘いはなく無事に帰宅。いただいた本をゆっくりと拝読しました。



  隔月刊詩誌『石の森』122号
    ishi no mori 122.JPG    
 
 
 
2004.7.1
大阪府交野市
交野が原ポエムKの会・金堀則夫氏 発行
非売品
 

    現実哀歌    佐藤 梓

   いんたーねっとガ
   単ナル道具ジャナクナッタ時
   言葉ハ凶器二変ワル
   知ラナカッタノ?
   口カラ出ルヨリ
   文字ノ方ガ
   ヒトヲ狂ワセヤスインダ

   酒ナンカヨリズット
   タチノ悪イ酔ッパライ
   酔ッテル事ニ 気ヅカナイ

   オカアサンねっとニ子守ヲサセナイデ

   でじたる化サレル世界ノ中デ
   ココロダケハ
   悲シイホド
   あなろぐ
   ダカラ
   アッチデモ コツチデモ

   悲鳴ヲアゲテル

   冷タイねっとノ海ヲ漂ウ前ニ
   温カイ現実ヲ
   ヒトノ温カサヲ
   教エテアゲテ
   アナタハ一人ジャナイッテコトヲ

   顔ヲ合ワセテ笑イ合ウコトノ大切サヲ

 腕時計が「あなろぐ」から「でじたる」に替ったのはいつ頃だったでしょうか。たぶん1970年代だったろうと思います。今はまた「あなろぐ」に戻っていますが…。1980年代にパソコン(当時は初期にマイコン≠ネんて言い方もしていました)が私たちにも入手できるようになって、BASICからMS-DOS、そして1996年のWindows95で本格的な「でじたる化サレル世界」を迎えましたけど、「オカアサンねっとニ子守ヲサセナイデ」ほしいという時代になるとは夢にも思いませんでした。故・大宅壮一がTVの出現を一億総白痴化≠ニ謂ったのは有名な話ですが、それを越えてしまったと考えなければならないようです。

 そんな時代のひとつの解決策をこの作品は訴えていると思います。「温カイ現実ヲ/ヒトノ温カサヲ/教エテアゲテ/アナタハ一人ジャナイッテコトヲ」「顔ヲ合ワセテ笑イ合ウコトノ大切サヲ」という詩句にそれは現れています。「ココロダケハ/悲シイホド/あなろぐ」という本質的な見方に敬服するとともに、カタカナ表記も成功している作品だと思いました。



  会報『関西詩人協会会報』34号
    kansai shijin kyoukai kaihou 34.JPG    
 
 
 
 
2004.7.1
兵庫県宝塚市
杉山平一氏 発行
非売品
 

 「大阪の文学館をどう考えるか」という記事が目を惹きました。以前から大阪に文学館が欲しいという話は聞いていますが、なかなか難しいようですね。結果的には文学館建設の準備会を作っていくことになったようです。時間はかかるかもしれませんけど、陰ながら応援しています。



  山口敦子氏童謡詩集『婆(ばあば)の子守歌』
    barba no komoriuta.JPG    
 
 
2004.5.5
東京都あきる野市
文芸の森社刊
1050円
 

    黄金虫

  ♪こがねむしは かねもちだ
   かねぐら たてた くらたてた
   あめやで みずあめ かってきた

           (野口雨情作詞・中山晋平作曲)
           ※1913年発表、昭和13年、大日本雄弁会講談社「童謡画集と絵本」に収録

   みんなで うたいながら
   こがね虫なんて
   子どもたち 知らないよね と思う

   歌っているわたしも わからないもの

   あわてて 図鑑をひろげる
   みんな集まって 虫 ムシよ
   子どもたちには
   みんな同じにしか見えないらしい
   本をそっちのけで
   虫 ムシ 虫 ムシ
   走り回る子どもたち

 著者が経営する「コアラ保育園」の25周年記念として上梓したようで、保育園児の写真が頁ごとに載っている楽しい詩集です。紹介した作品のように保育園に置くことを前提にした詩集と云えましょう。
 それにしても、確かに「こがね虫なんて/子どもたち 知らないよね」と思います。1913年発表から90年、時代の変遷も考えさせられた詩集でした。






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