きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり
】
「モンガラ カワハギ」 | ||||
新井克彦画 | ||||
2004.8.17(火)
ようやく涼しくなってきましたね。日曜日は雨、月曜日は曇がち、今日は曇のち雨で、今は雷も鳴っています。愛犬百個(モモコ)嬢は怯えています。なんで犬は雷が嫌いなんだろう? 「あれはただの電気だよ」って教えているんですけどね(^^;
日曜日に撮った写真を紹介しましょう。雨上がりの夕焼けです。自宅から50mほど北東に行った処から撮りました。左の山が箱根外輪山の外れで、右が丹沢山系の外れです。その間を酒匂川が流れています。酒匂川って、いい名前でしょう。酒好きの私にはタマラナイ響きです。
で、真正面が富士山方向になります。夏は真正面から涼しい風が吹き込んできて、クーラーの必要性は感じないのですが、冬は寒いです(^^; ガラス窓を二重にしています。
まあ、そんなどうでもいい話でお茶を濁します。
○斎藤 央氏詩集『うちのアサワはフィリピーナ』 |
2004.8.30 | ||||
神奈川県小田原市 | ||||
すもも舎刊 | ||||
735円 | ||||
さよなら ニッポン
夢にまで見た ニッポン
ニッポンには金持ちがいて
誰もが豪華な家に住んでいると思っていたのに
うちのアサワには金がない
おまけにケチだ
車はローンで新車を買うまでは
へこみだらけのオンボロ車に乗っていた
メイドなど雇う余裕もないらしい
だから 私は家出したのに
勤めた湯河原のフィリピンスナックは
閑古鳥が鳴いていた
フィリピンには
もっと若くて素敵な男がいくらでもいるが
残念なことに仕事がないし
うちのアサワよりずっと貧乏だ
家族とも息子とも離れて
はるばるニッポンにやって来たのは
家族の生活のため
だからアサワに仕送りを頼んだのに
アサワは自分で稼げと言う
ようやく見つけた
スーパーのお掃除のパートの仕事は
みんなおばさんばかりで
言葉も通じないし
なんだかとても疲れる
私のやり方は
どうもみんなと違うらしくて
陰でひそひそ話しているのが気にかかる
アサワは時々帰りが遅い
まじめそうに見えるけれど
どこかに女でもいるのではないか
愛しているから
私はつい嫉妬してしまうけれど
アサワには
フィリピン流の愛し方は通じない
夢にまで見たニッポンは
私の想像していたのとは大違いだった
確かにニッポン人はみんな優しいけれど
アサワは金持ちではないし
ニッポンは少しも豊かな国ではない
だから 私はフィリピンに帰る
さよなら アサワ
あなたを愛しているけれど
さよなら ニッポン
さよなら 私の夢見た国
註 アサワ 夫または妻
ここでは夫
詩集の最後に収められている作品です。この作品の性格を端的に物語るのはあとがきだと思います。紹介します。
今から五年前、初めての外国旅行をした。日本女性の結婚に対する理想の高さに嫌気が差
し、国際結婚を思い立った。しかし、それが不幸の始まりで、この結婚は業者の詐欺に終わっ
た。この詩集に登場するサリーという女性がその相手である。もしかしたら、グルかもしれな
いという思いは今もあるが、結局のところ来日はしなかった。それにも懲りず再びフィリピン
に渡ったのは、純朴な彼女たちの性格に引かれたからであったが、フィリピンという国の貧し
さが日本は豊かであるという誤解と、金目当てで来日するジャパゆきさんたちの姿に重なって
しまう。
国際結婚の大変さは、まさに文化の摩擦の大きさゆえである。フィリピーナたちの嫉妬深さ、
そして嫉妬と束縛こそが愛情というその生き様に日本男性の多くは戸惑うという。私もまさに
その一人であったが…。ここに一緒に暮らした二年間の詩とサリーの悲劇を一冊にまとめてみ
た。こんな結婚生活もあると感じていただけるとありがたい。
このHPでも、斎藤さんの個人詩誌『色相環』の中の「フィリピーナ」の作品を何度か紹介していますが、確かに大変な「嫉妬深さ」のようです。それに「家族の生活のため」に結婚することもあるようで、「金持ちではない」日本男性には辛い話なのかもしれませんね。かと言って、確かに「日本女性の結婚に対する理想の高さ」は凄まじいものがあるようで…。結婚とは何かを考えさせられた詩集です。
○雑誌『SCENES』11号 |
2004.6.15 | ||||
東京都中野区 | ||||
シー・ライフクラブ発行 | ||||
500円 | ||||
4年ほど前に「世界詩人会議」か「地球の詩祭」、あるいは日本ペンクラブの例会でお会いした写真家・汪蕪生氏より送られてきました。何度かメールの遣り取りをしたことがありますが、それっきりでしたけど覚えていてくださっようで有難いことです。
副題に「Car & Life Support Magazine」とありますようにクルマと旅を主体にした雑誌のようです。汪さんの写真は「NEW YORKへの新たなる挑戦」というタイトルで9頁に渡って大々的に載せられていました。モノクロのニューヨークとウィーンの写真です。写真をここで勝手に転載するわけにはいきませんが、ニューヨークについて汪さんの言葉も載せられていますので紹介してみましょう。
天国でも地獄でもない、欲望の戦場ニューヨーク。
最高のものと最悪のもの、最も美しいものと最も醜
いものを呑み込む街。そして、物質社会アメリカを
象徴する街
これは1990年の言葉のようで、それから14年、再び「NEW YORKへの新たなる挑戦」をするというのがこの雑誌での主旨と思いました。6/15発行ですからすでに書店には無いかもしれませんけど、機会があったら手にとって見てほしい写真です。
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