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「モンガラ カワハギ」 |
新井克彦画 |
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2004.10.7(木)
いつもは金曜日が呑み会なんですけど、明日は休暇を取りました。従って今日が呑み会(^^; 4連休を前にしての呑み会ですからね、ちょっと呑み過ぎました。
いつも行っている店は、同じ経営者によって3軒の店があります。2店は交互のように行っているのですが、最近できた店には行ったことがありませんでしたので、今日はそこにしました。その店の店長らしき男に「これで3軒制覇だ!」と言ったら喜んでくれました。別に値段が安くなることはありませんでしたけど…。
先日、この系列の店で見つけた「獺祭
2割3分」は残念ながら置いてなくて「〆張鶴」にしましたが、これも好きなお酒です。3合呑んで好い気持になって、店の女の子にまたまた「これで3軒制覇だ!」と豪語したところ、「私はまだ行ってません」と来たから、すかさず「ヨッシャ、今度いっしょに行こう!」。
最近、どうもオヤジオヤジしてきたなぁと反省しています(^^;
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○詩誌『回転木馬』115号 |
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2004.10.10 |
千葉市花見川区 |
鈴木 俊氏 発行 |
非売品 |
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小暑午前四時 鈴木 俊
かたち
黒いものの象から
響きわたる
蜩の声
皮膚にしみる
夜明けの
息吹
淡い群青の空に刷いた
ピンクの帯の
幾筋もの雲
緑色の街灯はまだ
周囲に弱い光輪を放ちながら
やがて訪れる
灼熱の一日を前に
残された僅かな眠りをむさぼっている
蜩の合唱が止むと
雉鳩がそれに代わり
獰猛な烏もまだ
一羽二羽
遠くの空で鳴き交わすうちに
ようやく姿を現し始めた森の中では
スーイッチョスイッチョ
オーシイツックオーシイと
もう懸命に
昼間の蝉たちが歌いだし
地球は今日も
セリ市のような一日を迎える
判っているようで判らない「小暑」を辞書で調べたら太陽暦で7月8日頃≠ニありました。梅雨が明けるか明けないかの「午前四時」の情景ですが、「淡い群青の空に刷いた/ピンクの帯の/幾筋もの雲」とは巧い表現だなと思います。この夏は猛暑で、そんな一枚の絵のような朝を何度か迎えています。
最終連の「地球は今日も/セリ市のような一日を迎える」というフレーズも力強くて心地好い気分になります。生命への賛歌に満ち溢れた詩で、詩の持つ力を感じた作品です。
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○詩誌『よこはま野火』47号 |
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2004.10.1 |
横浜市神奈川区 |
馬場晴世氏方・よこはま野火の会
発行 |
500円 |
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ライオンが吼えた 馬場晴世
咆哮は
まわりの木々を揺らし
地響きのような振動で
私の身をふるわせ立ちすくませた
かつて一度も聞いたことのない
恐ろしい大きな声は
空気をひびわった
秋の午後の
野毛山動物園は人影も少く
初めてみたとき 老いたライオンは
だらりと寝そべって
向うをむいていたので声をかけたのだ
――立って
たまには吼えてみてよ
彼は微動だにせず完全な無視
そこをはなれた直後だった
どこにこんなにいたのだろう
声に驚いて大勢のひとが集まって来た
誰も何も言わず
ただライオンを見つめている
もう一度あのすごい声を開きたいと
檻の中のライオンは
皆の胸に声の大砲をうちこんで
端然と立ち ひとびとには目もくれず
遠い故郷の草原を見ている
最近は吼え声が少しおとなしくなった宰相のことかと思ったら、「野毛山動物園」の「老いたライオン」だったのですね。私も何度か行ったことがありますが一度も聞いたことはありません。だから「声に驚いて大勢のひとが集まって来た」のはよく判ります。誰でも「もう一度あのすごい声を開きたいと」思いますからね。
最終連の描写が優れていると思います。「遠い故郷の草原を見ている」「檻の中のライオン」が「端然と立」っている姿を想像すると、彼の哀れさが伝わってくるようです。「声をかけた」作者の心境を見抜いたような「だらりと寝そべって」いたライオンの「咆哮」は、私たちの矮小さを笑っているのかもしれません。
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