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「モンガラ カワハギ」 |
新井克彦画 |
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2004.10.12(火)
4日も会社を休んだあとの出勤というのは疲れますね。弊社では環境問題を取り組む専門組織が出来ていて、今年度は私がその委員になっています。環境問題の組織ですが何故か地震避難訓練の役割もあって、今日は課内でその説明をして、その後は部の委員会に出席して、そんなこんなで一日の大半を使ってしまいました。だから余計に疲れを覚えるのかもしれません。明日は本番の訓練(ん?言い方がおかしいな)です。私の作ったシナリオ通りに課員が動いてくれるか…。やるべきことはやりましたから、後は衝って砕けろ、です。
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○釉彩詩誌
No.4『焼きものの旅』 |
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2004.7.1 |
栃木県茂木町 |
彩工房・釉彩氏
発行 |
非売品 |
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小鹿田の唐臼水車
焼きもの祭りを終えた晩秋の十一月下旬
冷気につつまれた小鹿田焼の山里は
さすがに観光客もまばらで
数人の女性たちのグループが目に着く程度だ
有田や伊万里、唐津焼のようには
格式も威厳も感じない素朴な焼きものだけど
山深い集落の中で
独特の伝統だけを守り続けて
息づいている器たち
その温かな肌合いの器に
命を吹き込むのは
谷川の水を利用した陶土の唐臼
水車の水が満タンになると数台の唐臼が
交互にコットン―コットン―と下りて
頑丈な土の塊を
黄粉色の柔らかな粒子に打ち砕く
傍らでは砕いた土を たいぎそうに
腰をかがめながら袋に移しいれる
もう一つの家では 沈澱した土の不純物を漉く
女の人の逞しい姿が
昔ながらの土作りの担い手として
今でも小鹿田焼を家族で支えあっている
小石原焼から伝承されたと云う
飛びかんな、刷毛目、櫛描き、流し等の
技術が三百年もの長き時代を経て、
世襲的に伝わってきた焼きものは数少ない
現代の陶芸家の様に器の底に
作者名を記することなく
ただ「おんだ」と記された器
どの窯元にもある唐臼水車は
水の流れに くるくる回って
果てることなく のどかな山里の谷間に
こだまのように響きわたる
今号は2002年11月に九州の焼きものの産地を訪れた旅行記が主となっていました。私には焼きものはやっぱり判らないのですが、窯もお持ちの作者のこと、各地を訪れる度にめぐり合う焼きもの、陶芸家との出逢いが生き生きと描かれていました。ちなみに小石原・小鹿田・有田・伊万里・唐津と訪れていて、その優れた描写に、まるで私も同行しているような気分になりました。
紹介した詩は小鹿田を訪れたときの作品ですが、人を観る眼は確かだと思います。「現代の陶芸家の様に器の底に/作者名を記することなく/ただ『おんだ』と記された器」というフレーズに特にそれを感じます。焼きものを観る眼、人を観る眼にあたたかさがある詩、紀行文だと思いました。
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