|
|
|
|
|
|
|
「モンガラ カワハギ」 |
新井克彦画 |
|
|
2004.10.21(木)
今日も午後から東京へ出張してきました。関連会社への出張だったのですが会議が意外と長引いて、終ったのが18時半。昨日は台風23号の影響で早めに帰りましたから、まあ、帳消しというところですかね。それにしても連日の出張というのは疲れるものです。東京は近いとは云え、往復3時間から4時間はみないといけません。私の住む地域からも通勤している人は多いのですが、よく続くものだと感心します。
○伊藤雄一郎氏詩集『いのちの輝き』 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
2004.10.15 |
東京都中央区 |
日本文学館刊 |
900円+税 |
|
猫はミステリー
お前は追えば逃げる きまぐれな恋人のように
だから知らん顔して本など読んでいると
いつの間にか足元に擦り寄って来て甘い声出して
返事もしないでいると忽ち足の指など齧られて復讐される
昼間中 お前は丸くなって眠っている
世界で何が起ころうとも我関せず
ただひたすら眠ることがお前の務めでもあるように
しかし揺るぎないその姿に人間がどれほど癒されることか
ときおり薄目を明けて夕暮れの風景を盗み見る
世界がまだ存在しているのを確かめると
お前はまた誰にも犯されない世界へ戻って行く
そうして夜が来るとむっくり起き上がり
どこへともなく姿を消すのだ
朝が来るまでの永遠のような時間 お前を見たものはいない
著者11年ぶりの4冊目の詩集だそうです。第1部は、このHPでも紹介したことがありますが、十二支に選ばれなかった落ちこぼれの十二支≠スち。第2部は「無視された虫たちの歌」。第3部は「猫の目にも涙 その他の詩」となっていました。紹介した詩は第3部の作品です。
著者は猫好きのようで、猫の生態を良く見ているだけでなく感情移入にも深いものがあるのだなと思います。「揺るぎないその姿に人間がどれほど癒されることか」というフレーズがそれを端的に物語っていると思います。それにしても「誰にも犯されない世界へ戻って行く」という点、「朝が来るまでの永遠のような時間 お前を見たものはいない」というのは、まさに「猫はミステリー」ですね。
(10月の部屋へ戻る)