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「モンガラ カワハギ」 |
新井克彦画 |
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2004.11.1(月)
11月になりましたが、特に特記事項なし。真面目に会社に行って、そこそこ仕事をして帰宅して、いただいた本を読んで…。幸せって、こういうことかもしれませんね(^^;
○詩とエッセイ誌『槐』3号 |
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2004.11.1 |
栃木県宇都宮市 |
矢口志津江氏他
発行 |
非売品 |
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とおい空 矢口志津江
転居してきて二年
「東京まで百キロ」の標識に
鼻の奥がつーんと熱くなる
潮の香りがする
湿った風が吹いている
白い壁がまあるくつづき
やわらかく波がおしよせている
ああ このハミングは…
いま 走っているここは何処?
ダンプのクラクションに
気がつけば 周りは緑の田んぼ
積乱雲が育つ関東の
大きな青空の下
私を身ごもったとき
母が見上げた空
初潮を歓んでくれた
赤飯の空
初めてクラスメートを好きになった
六年生の空につづいている
おうい 雲
詩人*にならって
わたしも呼びかけてみる
*山村暮鳥
「東京まで百キロ」の地に「転居してきて二年」になる此処は「積乱雲が育つ関東の/大きな青空の下」。その空が東京にも続いているし「六年生の空につづいている」。この表現は見事ですね。「母が見上げた空」とともに地という平面と、時間をうまくつなげていて、作品を奥深いものにしていると思います。暮鳥の詩句も効果的です。好い作品だと思いました。
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