きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり
  mongara kawahagi.jpg    
 
 
 
「モンガラ カワハギ」
新井克彦画
 
 

2004.12.23(木)

 天皇誕生日の休日でしたが午後出勤しました。3時間ほど仕事をして、たまっていたデスクワークを全部片付けました。いつも思うのですが、休日の3時間って平日1日分の仕事が出来るのですね。電話はないしメールも来ない。一番時間が掛かる会議がないっていうのが最高です。会議は仕事を進める上で必要なものだと判っているんですけど、今日のような効率的な3時間を体験すると、いったい何なんだろうなと思ってしまいます。ま、会議も仕事と割り切っていますけどね。



詩歌文藝誌GANYMEDE32号
    ganymede 32.JPG    
 
 
 
 
2004.12.1
東京都練馬区
銅林社 発行
2100円
 

    終身刑    平井広恵

   あなたを刑に処します
   理由は幼年期の悪戯です
   あなたをギュッと抱き締める抱き締めの刑です
   何時果てるかは未定の

   あなたとの関係はこの行為によって
   この世に存在し続けるでしょう
   遠くでサイレンが鳴るような不安なこの世に
   一日に一度密かに
   少年の日のあなたは捕まって抱き締められて
   いるのです
   わたしの羽の中で

 「首ったけ刑」という総タイトルのもとに「首ったけ刑」「終身刑」「手紙刑」「流刑」の4編が収められていました。ここでは「終身刑」を紹介してみました。
 「幼年期の悪戯」によって「何時果てるかは未定の」「抱き締めの刑」に処せられるというのは何ともほほえましいので、こんな刑なら受けてもいいなと思ってしまいますね。それも、好きな女性が「わたしの羽の中で」なんて言ってくれたら、そのまま昇天しそうです。それじゃ死刑になるから駄目かな(^^;
 他の詩も似たような感じですが、こういう詩も必要だと思っています。死だ、病だという詩ばかりを見ていると食傷気味になりますけど、中でこういう作品に出会うとホッとしますね。



詩誌『烈風圏』第二期5号
    reppuken 5.JPG    
 
 
 
 
2004.11.20
栃木県下都賀郡藤岡町
本郷武夫氏方・烈風圏の会 発行
非売品
 

    セミについて    たの しずえ

    ツクツクボウシ

   アブラゼミは ジージーと
   ミンミンゼミは ミーン ミーンと
   ヒグラシは カナカナと
   鳴けばよいが

   ツタツボウシは 大変だ
   オーシンツクツクを 約十回
   ツクヒン ツクツクを一回
   ツクヒンヨーを 二回以上
   ジーを 一回
   ワンセットにして
   こなさなければならないのだから

   しかし
   よく聞いていると
   ひとつ フレーズを省略したり
   回数を少なくしたりする
   いい加減な奴がいて
   それじゃ 恋が成就できないんじゃないの?
   と あきれてしまう

   もっとも メスが
   正調節を唱えるオスばかり好むとは
   限らないかもしれないが

 「ツクツクボウシ」と「クマゼミ」の2編で組になった作品ですが、ここでは前者を紹介してみました。
 それにしても「ワンセットに」になっているなんて「よく聞い」たものだと思います。詩人にはこのくらいの観察(観聴?)力が必要なのかもしれませんね。最終連には笑ってしまいました。人間も同じですね。むしろ人間では「正調節を唱えるオス」はモテナイのかもしれません。「いい加減」なぐらいでちょうどいいのでしょうか。生物は「メス」も「オス」も同じと妙に納得した作品です。




   back(12月の部屋へ戻る)

   
home