きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり
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「唐辛子」
2004.11.13
自宅裏畑にて
 

2005.1.18(火)

 今日から面白い実験を始めます。ビールの大瓶20本入り1箱を生協に注文しました。15本も使えば済む実験なんですけど、予備も含めて1箱。私も長いこと会社でいろいろな実験をやってきましたが、ビールを使うなんて初めてのことです。同僚たちは「呑むなよ!」なんて言ってますけど、仕事ですから呑むわけがありません。仮に呑んだとしたら、止まらなくなっちゃう(^^;
 でも、心配事がひとつ。余ったビールをどうしょう! 家に持って帰って呑むかぁ? それって、業務上横領になるよなあ。実験が終ったら考えます。



李承淳氏編訳『朴龍侮国I』
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2004.12.28
東京都千代田区
花神社刊
1800円+税
 

    果てしない船出

   さあ行かねば
   この若い盛りを
   涙ばかりで過ごせるものか
   私も行かねば

   穏やかな
   この港だって
   たやすくは捨てられないが
   霧のように潤む眼に映る
   谷間ごとに通いなじんだ山々のように
   小皺さえも眼に懐かしい ああ 愛する人々よ

   置き去りにした人も忘れられないだろう
   追われる心と何が違うのか
   振り返る雲は風に妨げられ
   波止場とはいえ
   錨を下ろす用意すらあるだろうか

   さあ行かねば
   この若い盛りを
   涙だけで過ごせるものか
   私も行くのだ

 
朴龍は韓国の詩人で、1904年に生まれ1938年没。34歳という短い生涯に1冊の詩集も遺さなかったようです。しかし韓国では国民的な詩人のようで、死後、詩集や評論集が出版され、生家は復元されて、昨年は生誕100周年の記念行事も行われたようです。この訳詩集には、遺稿詩57編のうち45編が収録されています。
 紹介した作品は巻頭詩で、1929年・25歳頃に書かれたようです。若い感情が見事に表出していますが、解説によると民族の情を根本にしているそうです。当時は日本による統治が行われていた時代であり、植民地化された国の若い男性の心境を考えながら読まねばならないと思います。「私も行かねば」「私も行くのだ」というフレーズに私はそれを感じています。



詩誌『二行詩』6号
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2004.11.25
埼玉県所沢市
伊藤雄一郎氏方・二行詩の会 発行
非売品
 

    淡水昆虫抄(3)    布谷 裕

     かめ虫
   痴漢撃退にお使い下さい
   一度位 お役に立ちたい

     だんご虫
   またまた丸くなって死んだふり
   人間の馬鹿! 熊には効かないってば

     玉 虫
   玉虫色の決着になど使うな
   青空にきらめく私の色を汚すな

     てんとう虫
   背中の星数の差は問題ない
   ランク付けのない集団冬眠

     うすばかげろう
   薄暮は飛行しても気づかれず
   風の日は翼をたたむ

 「かめ虫」の「一度位 お役に立ちたい」は泣かせます。「だんご虫」の「熊には効かないってば」には大笑い。「だんご虫」の小と「熊」の大が面白いコントラストですし、間に「人間」が入って大中小が揃いましたね。「てんとう虫」は「ランク付けのない集団」が効いていると思いました。



詩誌『二行詩』7号
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2004.12.25
埼玉県所沢市
伊藤雄一郎氏方・二行詩の会 発行
非売品
 

    ブーメランの月    伊藤雄一郎

    1
   遠い山並みスレスレにUFOのような月
   と 見る間に消えた 厳冬に見た幻燈だったのか

    2
   山の上の 白い坊主の頭 のような月
   忘年会帰りの狸が後を向いて湯煙を上げている

    3
   見上げると頭上高く浩々と禿頭を照らす月よ
   お前も思い悩んだ未に剃髪したのとちゃうか

    4
   遠い山の彼方へ朝帰りの坊主のように姿を消す月
   村は早くも朝餉の支度に追われている

    5
   朝空 に取り残されたような月
   レントゲン写真のように透き通っていて…

 作者自身による「舞台裏からの発言」も面白いので紹介してみます。

   ※目線の詩を書きたいと思っていた。例えば、水平
   線に見える山から始まって雲、空、太陽(或いは月)
   と廻って、地上に戻り、樹、影、足跡、人などを目
   線で書いていくという、言ってみれば、“ブーメラン
   のような詩”を。今回は月を軸にして、水平線、4
   5度、90度、そして、また水平線に戻るという実
   験を試して見た。

 なるほど。そう言われてみると「ブーメラン」の意味が判りますね。「忘年会帰りの狸が後を向いて湯煙を上げている」という詩句も面白いと思いました。これは立小便でしょうね。2行という超短詩でもこれだけのことが出来るのかと思った作品です。




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