きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり
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愛嬢(愛婆?) 百個(モモコ)、
   初体験の朝陽輝く雪原を往く!
2005.2.27
自宅庭にて
 

2005.3.19(土)

 来月28日に千葉県で「第一回日韓文学交流会」が開催されるそうです。『むくげ通信』に添えられた飯嶋武太郎さんの手紙には、案内を拙HPに載せても良いとのことでしたから転載させていただきます。私は休暇を取って行ける状態ではないので出席できませんが、ご都合のつく方はどうぞ。おもしろいと思いますよ。

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第一回日韓文学交流会 発起人
 秋田高敏 高安義郎 中谷順子 森五貴男 近藤文子 柴田節子 大野杏子 石村柳三 宮内泰彦 尾田愛子 飯嶋武太郎

第一回日韓文学交流会の開催について

 浅春の候、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
 さて戦後60年となり、不幸な時代を体験した日本と韓国ですが、テレビドラマ「冬のソナタ」がもたらした未曾有の韓流ブームにより、近くても遠い国であった両国が、本当に近くて近い国になっております。
 このような時に、国際ペンクラブ韓国本部会長の成耆兆(ソンキジョ)氏より、毎年交代で詩の朗読を主にした文学交流会をやりましょう。第一回を日本で開催していただけたら、という話を受け、このたび日韓文学交流会を下記により開催することにいたしました。韓国より10数名の詩人が来日する予定です。
 お忙しいとは存じますが、日韓詩人の友好促進と文学交流にご理解をいただき、ご出席賜りますようお願い申し上げます。

         記

日 時  平成17年4月28日(木)午後2時〜7時
場 所  富里市七栄650−35「ラディソン・ホテル」Tel 0476−93−1234
日 程  交流会 午後2時〜5時
     講 演 中原道夫氏「日本現代詩の現状」
     詩の朗読(日韓の参加者30名前後)
     懇親会 午後5時〜7時
参加費  1,000円
懇親会費 10,000円(参加費1,000円含む)

事務局  飯嶋武太郎 e-mail  t.iijm@mb.pref.cbiba.jp

ホテルへの交通アクセス
成田空港第2ビル1階バス停33番 無料直通バスが12時、13時に出ています。
京成成田駅東口(住友生命ビル前)から、12時5分発の無料バスがあります。
東京駅八重洲中央口から12時発のホテル直通バス(1,420円)があります。




個人誌『むくげ通信』26号
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2005.3.1
千葉県香取郡大栄町
飯嶋武太郎氏 発行
非売品
 

          チョナンチョル
    独言    趙南哲

   うちはミチコさん好きよ
   皇太子さんも ああ まちごうたわ
   今は天皇陛下さんやったね
   なんでかゆうたら
   うちはミチコさんと同い年やし
   うちの亭主も天皇陛下さんと同い年
   それに 結婚したんも同じ年やからね

   そら あんた うちらが部落で結婚式あげたときは
   みんなから まるで御成婚みないやなあゆうて
   ひやかされて まんざらでもなかったもんや

   あれから半世紀がすぎるけど
   やっぱり 今の皇太子さんもマサコさんも好きやで
   やっと やや児もできて ほんまによかった思うで
   誰のタネかわからんて世間はいうけどな
   まあ結果良ければすべてオーライや

   あの人ら みんな上品で
   気のええ人らやんか
   手のふりかたも 笑いかたも
   大口あけて笑ううちらとは えらい違いやで
   それに あの家にはチョオンサラムの血が流れとん
    のや
   て この前 えらい歴史の先生がゆうてたわ
   なんか 親近感わくやんか

   そんなうちでも 時々いやになるんは
   政治家や怖い兄ちゃんらが都合のええ時だけ
   あの人らのことをかつぎだすことやな
   ヒノマルとか キミガヨとか ヤスクニとか
   最近はなんか教科書でも
   うちらがゾッとするようなこと
   今の日本人でも平気で口にするやんか

   うちも日本で生まれて日本で住んでいるんやさかい
   日本のことはよう知っとるつもりやけど
   あの日本人の神経はいまだにようわからんな
   うちらが好きなみたいにあの家の人らを好きなんは
   ええで
   誰かがなんかコムズカシイことゆうてたな
   そやそや 求心点ちゅうもんは必要やとうちも思う
    よ
   でもな ほかの国のこと悪うゆうたり
   昔の悪いことかくしたりするのに
   あの人ら使わんといてほしいわ

   そやから 国民の税金つこうてええ生活しくさって
    て 陰口たたかれんのとちやうの
   ミチコさんかてマサコさんかて
   好きこのんで嫁いったんちゃうやろ
   しきたりやなんやゆうて めちゃめちゃイジメられ
    たらしいやないの
   ミチコさんの顔みてみいな あんなにキレイやった
    のに
   自分でいうのもなんやけどな
   今はうちのほうがなんぼか若こうみえるで

   まあ いろいろあったけど
   今の天皇陛下さんもようゆうてるやん
   みんな仲ようしていかんとな
   そのために 天皇陛下がおるんやったら
   うちは ええと思うよ

 「うちも日本で生まれて日本で住んでいるんやさかい」と書かれていますから在日韓国人という立場での作品ですが、懐の深さに敬服します。「ほかの国のこと悪うゆうたり/昔の悪いことかくしたりするのに/あの人ら使わんといてほしいわ」とまで言っていただけると、日本人としては感謝に耐えません。それにしても「ヒノマルとか キミガヨとか ヤスクニとか/最近はなんか教科書でも/うちらがゾッとするようなこと/今の日本人でも平気で口にするやんか」という指摘はその通りですね。歴史を退行させようという現在の日本の政治への警鐘と受け止めました。



詩誌RIVIERE79号
    riviere 79.JPG    
 
 
 
 
2005.3.15
大阪府堺市
横田英子氏 発行
500円
 

    巷談(ちまたばなし)・見栄い    梅崎義晴

   河川敷で
   大鷺が
   ながく首を伸ばして
   見栄いをば張っていまする
   そこへ白鷺が
   首をば項垂れ
   振り振りやってきまする

   鍋鶴が二羽
   飛来し
   丹頂が色濃く浮き出て来もうした
   それに対抗するように
   大鷺がインディアンの羽飾りのように
   飾り羽根二枚の立派なのを風になびかせ
   見栄いをば張っておりまする

   鍋鶴がいなくなりもうしたら
   浅瀬の川の中に舞い降り
   飾り羽根をば下ろし
   頭に巻き
   河童のように餌をば探しておりまする

   白鷺が電柱の梁に
   笑うかのようにとまっておりもうす

   鳥は見栄いをば張るから
   あんなに空遠く
   飛ぶのでござりましょう

 鳥はなぜ飛ぶのかという回答のひとつがここにはあると思います。「見栄いをば張るから」飛ぶのだというのはおもしろいですね。科学的にはもちろんいろいろなことが言われるのでしょうが、これは詩人の持つ特権としての見方です。「大鷺」「白鷺」「鍋鶴」「丹頂」と登場する鳥は大型のものばかりですが「見栄い」というキーワードにはぴったりと云えましょう。言葉遣いも奏功している作品だと思いました。




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