きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり
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愛嬢(愛婆?) 百個(モモコ)、
   初体験の朝陽輝く雪原を往く!
2005.2.27
自宅庭にて
 

2005.3.24(木)

 まったく、とんでもない会社があったもので、一日中憤慨していました。製品に含有する成分の分析を昨年の10月にある会社に依頼していたのですが、今になってもまったくの音沙汰なし。何度も担当者に電話をしてきましたが、一度も連絡と仕舞いでした。予算の期限が今月末で切れますから、昨日はとうとうキャンセルを相手の会社に宣言しました。担当者とは最後まで連絡がとれず、窓口の女性に宣言した次第です。世界的に知られた有名な会社なんですけどね、信じられない話です。

 今日は予算を出してくれた課の主任に説明してきましたけど、彼も憤慨していました。別の部署の課長は損害賠償を請求しろとまで言ってくれていますが、そんなことをやっている時間がもったいない。結局このままでウヤムヤにするつもりですが、その会社とは二度と付き合わないつもりです。おそらく担当者一個人の資質の問題ですが、そういう人間を会社対会社の取引きという関係部署に置いていること自体が問題だと思います。親会社は良い製品を造っている会社なんですけどね。ノーベル賞の技術者もいるし……、あっ!言っちゃった(^^;




湧太詩誌13号『三十一文字』
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2004.9.1
栃木県茂木町
彩工房・湧太氏 発行
非売品
 

    

   あけがたに ねがいかなえる
   はなのつゆ
   おしえてくれた ははのきくつむ

         風にかおる
         菊の
         朝つゆをのむ

         母がおしえてくれた

         日がのぼる
         まえに
         願いが叶うと

 表題の「三十一文字」からも判るように短歌を主とした作品集で、それぞれの歌に短詩が添えられています。短歌と詩を組み合わせた意欲的な作品集と云えましょう。
 紹介した作品は「菊」をモチーフにしていますが「日がのぼる/まえに」「菊の/朝つゆをのむ」と「願いが叶う」とは知りませんでした。そして母上への思いが「ははのきくつむ」に佳く表現されている作品だと思います。



詩誌『阿由多』6号
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2004.12.10
東京都世田谷区
阿由多の会・成田佐和子氏 発行
500円
 

    秋 ひとひら    柴田節子

   茜いろに色づいた大きな葉
   調べものをしていた辞典のサ行のページに
   懐紙に包まれて押し葉になっていた

   分厚い辞典の中で眠りつづけても
   色あせぬ秋の色を残している葉は
   夏に花をつけ のちに紅葉するナツヅタらしい
   わたしの掌ほどもあるこの葉を
   拾ったのはどこで いつごろの秋であったのだろう
   覚束ない記憶の小径をいったりきたりしていると
   押し葉とはかかわりもないことまでたぐり寄せられる

   歳月の襞の中に隠れてしまったひとにも
   ふと逢いたいと
   思ってみるだけのことを
   もしかして わたしもどこかの だれかの
   人生のページに はさまれてはいないかしら

   ナツヅタの葉をサ行のページに戻しながら思ってみる

 女性らしい、と言ったら失礼になるかもしれませんが情感のこもった美しい作品だと思います。私なんか「押し葉」を作ろうという発想すら起きませんからね。その上「もしかして わたしもどこかの だれかの/人生のページに はさまれてはいないかしら」とは、とても真似の出来ないものです。私も長く生きてきて、それなりに女性の心理は判っているつもりですが、こういう作品を目の当たりにすると、何も判っていないのだなとつくづく思います。特に「サ行のページに戻」すという行為にハッとします。タ行でもワ行でもいいじゃないかと思うのですが、心理としても作品としても、ここはやはり「サ行のページ」なんです。女性というものを改めて勉強させてもらいました。



詩誌『プラットホーム』1番線(創刊号)
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2005.2.25
東京都世田谷区
宮本智子氏他・プラットホーム舎 編集
300円
 

    誕生    宮本智子

   庭の片隅に置かれて 石は
   小さな墓になった
   日光を浴び雨にぬれて
   貝ボタンのように 時をその場に留めた

   沙漠に積みあげられて 石は
   大きな謎になった
   夜空を回し盗人を閉じ込めて
   王のように 時を数えた

   広場に敷きつめられて 石は
   頑丈なステージになった
   靴音と笑い声と銃声を
   つる草のように 時に編んだ

   少女は 粉の挽き方を
   少年は 獣の皮の剥ぎ方を
   母と父から それぞれ学んだ

   それより幼い子どもたちは
   乾いた地面に 飽くことなく
   さまざまな絵を描いて遊んだ

   どの石についても
   その 始まりと終わりの時は
   明確ではなかったが

   あすも 宇宙のどこかで
   新しい惑星が誕生するだろうと
   地中深く眠る原石に
   ふしぎな文字で刻まれているのだった

 日頃、何気なく眼にする「石」を詩にした作品ですが「新しい惑星が誕生するだろう」ことまでも視野に入れた、スケールの大きな作品だと思います。第6連の「どの石についても/その 始まりと終わりの時は/明確ではなかったが」、最終連の「地中深く眠る原石に/ふしぎな文字で刻まれているのだった」というフレーズが生きている作品です。

 本誌は新川和江さんの詩の講座で出会った同世代の4人が始めた詩誌とのこと。ホームで待ち合わせてひとつの電車に乗ることにした≠ニあとがきに書かれていましたが、そこから創刊号を「
1番線」とするところにセンスの良さを感じます。今後のご発展を願ってやみません。




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