きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり
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桜(春めき)
2005.3.25
神奈川県南足柄市・春木径にて
 

2005.4.17(日)

 昨年8月に76歳で亡くなった木島始さんを偲ぶ会が東京・神楽坂エミールで開催されました。土曜美術社出版販売が事務局となって、150名もの人が集まって盛会でした。偲ぶ会を盛会≠ニ言うのもヘンですけど、それだけ彼の人気が高かったということです。

    050417.JPG    写真は、木島さんの次女のご挨拶。夫人ほかの遺族も見えて、しんみりした中にも和やかさがあって、いい会でした。木島さんも喜んでくれただろうと思います。

 私は写真を任されて、懇親会では水島美津江さんと司会をやって、結構忙しかったです。生前の木島さんには拙詩を英文に翻訳してもらったりしてお世話になりましたから、少しはお返しが出来たかなと思っています。懇親会ではほとんど呑めなかったのは辛かったけど(^^;
 木島始さんのご冥福を改めてお祈りいたします。





四行連詩集『近づく湧泉』第二集
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2005.5.1
東京都新宿区
土曜美術社出版販売刊
3048円+税
 

   おぼえがき 溢れる四行違辞の群れ 木島 始 3
   四行違詩作法 10

  T 四行違詩 双吟                  [エッセイ]
    <夢> の巻        木島 始/島田陽子   独吟について      島田陽子 22
    <きみ> の巻       佐山 啓/木島 始   連詩から学んだこと   佐山 啓 31
    <彼岸> の巻       溝口 章/木島 始   連詩・作法の力     溝口 章 38
    <交わり> の巻     江口あけみ/本島 始   四行連詩との出会い  江口あけみ 43
    <光の城> の巻      榎本 初/木島 始   木島さんの空の下で   榎本 初 45
    <溢れ> の巻       落合成吉/木島 始   連詩の感触       落合成吉 50
    <足りん> の巻     木島 始/井之川 巨   相聞歌への憧れ    井之川 巨 54
    <海> の巻        出海渓也/木島 始                    59
    <穴> の巻        仲嶺眞武/木島 始   私の連詩        仲嶺眞武 64
    <ガラス> の巻      水田宗子/本島 始   四行詩による再会    水田宗子 67
    <あいだに> の巻     池下和彦/木島 始   短詩と四行連詩と    池下和彦 70
    <土> の巻        南 邦和/木島 始   具常残影        南 邦和 73
    <何でも> の巻      木島 始/小川静枝   連詩−初めてのこころみ 小川静枝 77
    <音符> の巻       青木明代/木島 始   達詩の森で遊ぶ     青木明代 81
    <あける> の巻 
木島 始/レオノーレ・ナウヨーク                    85
    <二人> の巻       夏目漱石/木島 始                    87
    <鳥> の巻      しま・ようこ/木島 始                    89
    <自在> の巻       石川逸子/木島 始   木島さんとの連詩    石川逸子 91
    <呼ばはる> の巻     白川 淑/木島 始   始めての四行連詩    白川 淑 94

   『うたう渦まき』より    木島 始/坂本宮尾
      対照聯弾 98                 『うたう渦まき』のころ  坂本宮尾 98
     <倖む> の巻 99
     <年輪> の巻 102
     <よみがえり> の巻 106
     <闇> の巻 110
     <宇宙> の巻 115
     <あなた> の巻 119
     <あらゆる> の巻 125
     <口笛> の巻 129
     <卵> の巻 132
     <たどりつく> の巻 137

   <七色> の巻        木島 始/塔野夏子 142   沈黙をめぐって    塔野夏子 142
   <着地> の巻                  150
   <若さ> の巻                  157
   <目> の巻                   166
   <神> の巻         木島 始/斉藤宣廣 170    連詩の喜び      斉藤宣廣 170
   <私> の巻                   176
   <宝石〉の巻        田部武光/木島 始 182   三巻三様       田部武光 182
   <二重> の巻                  190
   <ぬくもり> の巻     山崎るり子/木島 始 198   はがきを待った日  山崎るり子 198
   <姿> の巻                   201
   <インク> の巻      本間ちひろ/木島 始 203   漂流することごと  本間ちひろ 203
   <ふしぎ> の巻      木島 始/本間ちひろ 212
   <はるか> の巻                 218
   <ある日> の巻      本間ちひろ/木島 始 222
   <火> の巻         李 承淳/木島 始 226   四行連詩との出会い  季 承淳 226
   <声> の巻                   231     −詩人木島始への追悼の言葉
   <沈む> の巻                  234
   <傷> の巻                   239
   <一> の巻         文月奈津/木島 始 242   私と連詩       文月奈津 242
   <おしゃべり> の巻     文月奈津/佐山 啓 246
   <蝉> の巻        文月奈津/山崎るり子 250
   <わかっている> の巻    文月奈津/山本 衞 254   初体験        山本 衞 254
   <ハイヒールで走る> の巻  有松裕子/佐川亜紀 258   連詩のたのしみ    有松裕子 258
                               交信の詩人・木島始  佐川亜紀 261
   <あそこにも> の巻     布川 鴇/季 美子 263   連詩について     布川 鴇 263
                               連詩での発見     李 美子 267

  U 四行連詩 独吟
   <罪> の巻              島田陽子 272
   <発射> の巻             木島 始 274
   <見つける> の巻                278
   <どっち> の巻                 280
   <ちょうすてき> の巻              282
   <るんるん> の巻                284
   <けが> の巻                  286
   <夜> の巻             本間ちひろ 288
   <どこ行った> の巻          田部武光 291

  V 四行連詩 巡回吟
   <道づれ> の巻 水島美津江/木島 始/岡島弘子 294   野川の湧水点を訪ねて 岡島弘子 294
   <茎> <葉> の巻 堀田のぞみ/長谷川 忍/有松裕子/後口 隆/山田隆昭/篠 宣也     298                              オリジナル・ルール  長谷川 忍 298
                               連詩/触覚群     後口 隆 302
                               連詩であそぼう    山田隆昭 303
                               連詩について     篠 宣也 304
   <洪水> の巻 佐川亜紀/新延 拳/木島 始   305   ある詩人へのメール  新延 拳 305
   <しょうがない> の巻 ほんまちひろ/たべたけみつ/しまだようこ/きじまはじめ       312

  W バイリンガル四行連詩
   <開く>の巻
The Cycle of Hear ニール・フィリップ/木島 始/坂本宮尾/石原 武/角谷昌子/宮沢 肇/
                    青山みゆき/リザ・ロウィッツ/新廷 拳/岡野絵里子/スザンヌ・ヨルン/
                    満谷マーガレット                    316
   <爆撃>の巻
The Cycle of Bomb 木島 始/ニール・フィリップ/満谷マーガレット     321
   <笑う>の巻
The Cycle of Laughing ニール・フィリップ/木島 始/満谷マーガレット/坂本宮尾 327
                   <爆撃> の巻と<笑う> の巻へのノート ニール・フィリップ 334
                   ホームメードの「魔法」        満谷マーガレット 335
                   聯弾の楽しみ バイリンガル連詩について    石原 武 337
                   デュオ連詩のことなど−本島始氏の試みから   宮沢 肇 338
                   連詩−書く                 青山みゆき 339
                   連詩の余白                 岡野絵里子 340
                   蜂の塚                    角谷昌子 341

   木島 始 主な詩集発表の歩み 343
   あとがき 346

 当日、会場で配布されたものです。この校正を完了したその日の夜、亡くなりました。まさに死の直前まで詩と関わった人生だったと言えるでしょう。この著は、謂わば遺稿集となったわけです。合掌。



季刊・詩とエッセイ誌『焔』70号
    honoho 70.JPG    
 
 
 
 
2005.4.10
横浜市西区
福田正夫詩の会 発行
1000円
 

   詩
    ふらふらこの先                植木肖太郎  2
    鴉                      古田 豊治  4
    水の匂い                   宇田  禮  6
    リスト・愛の夢                水崎野里子  9
    秋の尻尾をつかまえに             森 やすこ 10
    冬の葉音(ソナタ)              伊東二美江 12
    ひまわり                   地  隆 13
    パミール高原のカラス/敦煌のカラス/沙棗の蔭 濱本 久子 14
    泥鰻                     新井 翠翹 16
    ふたたびこころよ               瀬戸口宣司 17
    立冬                     阿部 忠俊 18
    入笠山に別れた日               金子 秀夫 19
    会話 半世紀                 山崎 豊彦 20
    迷妄の夕暮                  古田 康二 21
    私のかつての生の一つの場           布野 栄一 22
    ぽと ぽとっ                 平出 鏡子 23
    百日紅                    五喜田正巳 24
    晩秋の小雨                  上林 忠夫 25
    だるま船                   小長谷源治 26
    戯れ愛                    保坂登志子 27
    ヒマラヤの朝                 福田 美鈴 28
    真鯉を抱いて火の中              亀川 省吾 30
    月・太陽・生存と衰亡/神秘/お通夜      錦   連 31
    夢                      許 育 誠 34
    福田正夫の詩・彷徨              阿部 忠俊 35

   <台湾詩>
    山手の町/吊橋/釣り             羅浪(錦連訳)36
    台湾賛歌                   許 育 誠 38
   <井上靖の詩の英訳(2)>             水崎野里子 40

   小特集 台湾訪問記念集
    錦連先生書状ご紹介              今村 栄治 44
    台湾での印象記                水崎野里子 45
    台湾友好同人訪問記              金子 秀夫 47
    銀鈴会                    福田 美鈴 49

   紹介
    福田正夫の詩学                小鴨 鳴秋 55
    初春朗読詩篇                 福田 正夫 57
    涼しき星                   小鴨 鳴秋 57
    小鴨鳴秋略歴                 菅原 道雄 59
    小鴨鳴秋さんと菅原道雄さん          福田 美鈴 61

   連載
    万歩計の旅 <二十八>              工藤  茂 62
    知らない昨日、未知の明日 4          宇田  禮 64

   <追悼>
    島田ばく氏を偲ぶ               伊東二美江 69
    さようなら島田ばくさん            金子 秀夫 70
    島田ばくさん哀悼               福田 美鈴 73
    石垣りんさんを偲ぶ・写真           新井 翠翹 77
    詩人・石垣りんさんとの交流          小長谷源治 78
    セミ                     小長谷源治 79
    石垣りんさん逝く               福田 美鈴 80
 
   記録
    西川修 三回忌                金子秀夫編 86
    西川先生の思い出            栗原中学校卒業生 86
    西川修兄のこと          三原教会牧師松隈 貞雄 87
    「西川修全集」礼状               平岡 敏夫 89

   福田正夫賞発表                       91
    早矢仕典子 詩抄                     92
   選評                            97
    亀川省吾・瀬戸口宣司
    金子秀夫・傳馬義澄

   詩集紹介                    金子 秀夫 102
    杉山平一/丸地守/伊藤雄一郎/若松丈
    太郎/舘内尚子/伊藤芳博/斉藤まもる/
    川上明日夫/鷲谷峰雄/金井裕美子/木村
    透子/山形照美/夏目美知子/井上康男

   編集後記
    題字、表紙画、扉版画  福田達夫
    カット         湯沢悦木


    ひまわり    地 隆

   ひまわりのように
   真夏の太陽の光を
   一身に浴びて
   生涯を歩み続ける人

   コケのように
   湿った日陰に
   はいつくばって
   生を耐え続ける人

   もっともっと優しさを
   もらわないと
   天国へ行けない人がいる

   もっともっと優しさを
   あげないと
   天国へ行けない人がいる

 「ひまわりのよう」な人は「もっともっと優しさを/あげ」てほしい、「コケのように/湿った日陰に/はいつくばって」いる人には「もっともっと優しさを/もら」ってほしいという作品ですが、そうありたいものです。現実にはそんなことはなくて、「ひまわり」はさらに「真夏の太陽の光を/一身に浴び」、「コケ」はさらに「生を耐え続ける」ものですが、それだからこそ詩人の本質的なやさしさが思わず表出した作品なのではないでしょうか。「天国へ行」くことがひとつの命題であるという作者の思想も好ましく拝読した作品です。



機関誌ふーるこ ぐっちゃはる3号
    furuko guchaharu 3.JPG    
 
 
 
 
2005.4.1
横浜市西区
福田美鈴氏代表 日ネ文化交流・ナマステ会 発行
非売品
 

   詩    ヒマラヤの少年 水崎野里子  1
   エッセイ 星空 中原道夫 2
        子供の詩、<花束> 非常事態宣言 福田美鈴 3
   訳詩   ネパールの子供の詩 崎間弘美訳 4
         月の詩 サイジャ・シン 10才
         人生 スダルサン・サヒ 13才
         平和の国 ナビン・ターパ 10才
         平和 パワン・K.C 11才
         母なるネパール タパサヤ 13才
         サンテイ(平和) ラジェンシュ・マハルジャン 11才
         私たち子供は花のつぼみ サビノーリ・サヒ 12才
   エッセイ 私のネパール日記(1)  金子秀夫 6
   詩 満月 秋元 炯 6
   エッセイ ヒマラヤでの吊り橋と英語の話 水崎野里子 7
   詩    ヒマラヤのアサ 福田美鈴 7
   エッセイ 日本語びととして 原田道子 8
   編集後記 8


    母なるネパール  タパサヤ 13才(崎間弘美訳)

   今日、母なるネパールはすすり泣いている
   いつになったら平和な日は訪れるのだろう?
   兄弟たちはお互いに
   争いあっている
   そして見知らぬ人たちがこう言い続けている
   あんまりだ、って・・・

   ネパールは世界の平和地帯の国
   それが今、この国は困った状態にある
   ネパールの兄弟たちは互いに争ってはいけない
   結局手にするものは、他人の血を流すってこと
   だけじゃないか?

   ネパールの真心に何が起こったのだろう?
   ねえ、みんな?
   結局、この国の未来には何が
   起きるのだろう?

   誰か、ネパールの母の幸せを
   取り戻して

 「
ふーるこ ぐっちゃはる」というのはネパール語で花束≠ニいう意味のようです。そのルパールで反政府勢力との対立から2月に非常事態宣言が出されたことは、まだ記憶に新しいことです。紹介した作品はそんな背景を持っているようです。13歳にして、この感覚。今の日本では考えられないことですが、それが果たして幸せなことなのかと考えてしまいます。13歳にして祖国を考えざるを得ない国と、13歳になっても自分のことすら考えられない国と…。人間の幸・不幸は簡単には計ることができませんが、国家との関連を抜きにはできないことを改めて感じさせてくれた作品です。




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