きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり
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桜(春めき)
2005.3.25
神奈川県南足柄市・春木径にて
 

2005.4.22(金)

 朝から出張して、午前中はお台場の東京ビッグサイトでフラットパネルディスプレー(FPD)展の見学、午後は品川の関連会社に行ってきました。FPD展には私の関係する商品も出品されているんですが、それ以上に競合他社の動向が気になって、そちらの調査を主にしました。あまり成果はありませんでしたけどね。関連会社との会議は、予め17時で終了すると宣言しておきました。18時から神楽坂に行かなければならなかったのです。結局17時半まで掛ってしまいましたけど…。

 18時から日本詩人クラブの新理事会が開催されました。5月の総会で承認予定のメンバーです。2年ぶりに理事会に出席しましたが、まあ、あまり変り映えしませんね。初会議の主題は担当の決定です。会長・理事長以下、全理事の担当が決定しました。総会で承認を得なければなりませんから、厳密には<案>です。覆ることはほとんどありませんけど…。
 そういう意味では決定ではありませんので、各理事の分担を今の段階でお知らせすることは出来ませんが、私の分担だけこっそりお教えします(^^; 詩書画展とOAで、常任理事職は外してもらいました。ヒラ理事なら何とか務まると言って、無理を聞いてもらいました。無理ついでに金曜日に出席するのも難しいので、理事会は土曜日にしてもらいました。新理事各位に感謝です。
 5月から2年間、微力ですが理事職を全うするつもりでおります。倍旧のご協力をよろしくお願いいたします。




中 正敏氏詩集『いのちの籠』
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2005.4.1
東京都新宿区
私家版
2000円
 

   いのちの籠 5
   矢ぐるま 9
   空の瞳
(め) 13
   糸 17
   自由の長さ 21
   ポールジャンプ 25
   奴凧 29
   色と空 33
   空の裏 37
   喪 41
   雲の舌 45
   斜面 49
   音楽 53
   空に 57
   恐怖 61
   眼ざし 65
   奇妙な風見鶏
(どり) 69
   泥舟 73
   呼ぶ声 77
   火の罪 81
   接ぎ木 85
   高原の道 89
   コレッコレ 95
   立つ 99
   走る 103


    自由の長さ

   三メートルの長さの綱で
   杭にくくられた猿は
   半径三メートルに満たぬ円のなかで
   手振り足振りおどけてまわる

   大空に放たれた凧は
   紺碧の飛揚がいのち
   自由が自由になるように
   空をたのしんでいる

   糸につながれた凧は
   手探る手の自由の長さを
   浮遊しているように見える

   手探る手もとに 凧の自由はない
   まだ余分の長さが糸巻に残っていても
   手が糸を放すと凧は空にいない

 第1連、2連を見ると綱や糸につながれた自由を揶揄しているように思ったのですが、3連、最終連を見るとそうではないと思います。特に最終連では「手探る手もとに 凧の自由はない」となっていますから、自由は凧にあって、糸を操る者にはないと読み取れます。糸につながれた凧の側に自由がある、ということは、昨今の野放図な自由≠批判しているのかもしれません。ある程度のルールがないと本当の自由ではないと読み取りました。
 短い作品が多いのですが、お孫さんのことも書かれていて、今までとは一味違った詩集です。



詩誌『木々』31号
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2005.4.25
東京都小平市
木々の会・鈴木 亨氏 発行
700円
 

     <扉> 小春……………………………………………鈴木  亨  1
    波の声…………………………………………………伊藤 桂一  2
    ブルタバの白鳥………………………………………中山 直子  3
    おキミさん・他一篇…………………………………菊地 貞三  4
    誕生……………………………………………………戸田 正敏  6
    脊椎圧迫骨折…………………………………………内山登美子  7
    一日……………………………………………………久宗 睦子  8
    夢の音…………………………………………………宮田 澄子 10
    水たまり………………………………………………来栖美津子 12
    日本発…………………………………………………舟木 邦子 13
    箱根ヶ崎………………………………………………相原 校三 14
    笠原今昔………………………………………………所  立子 16
    その手について………………………………………江島その美 18
    アンテルカレール……………………………………春木 節子 19
    おもかげのように……………………………………原 利代子 20
    春の旅…………………………………………………越路美代子 22
    アラクネ………………………………………………川田 靖子 24
    押し花絵「夢ゆらら 花あそび」に寄せて………比留聞一成 26
   ●タロットカードが告げる真実………………………中村不二夫 28
   ●「夕焼けと自転車」の思想…………………………石原  武 30
   ●『詩箋』(第二集)を読んで………………………笠井 忠文 33
    鴉………………………………………………………菊田  守 34
    つむじが戻る…………………………………………立川 英明 36
    浮き身…………………………………………………松沢  徹 38
    お仕置き………………………………………………細野 幸子 40
    心ふさぐ日の…………………………………………岡田壽美柴 42
    別れ……………………………………………………関野 宏子 43
    薔薇の木………………………………………………宮城 昭子 44
    金木犀…………………………………………………小林 憲子 46
    夢の中で………………………………………………天野さくら 47
    祈り……………………………………………………松本 知沙 48
    文机……………………………………………………石渡あおい 50
    かわいい秋……………………………………………石井真智子 51
    頬張る…………………………………………………弓削緋妙子 52
    すいません……………………………………………紺野あずさ 53
    水の道…………………………………………………山本みち子 54
    アロエ…………………………………………………柳内やすこ 56
    デッキチェア…………………………………………伊勢山 峻 58
   ●「天 いちまい 地 いちまい」の詩人…………原 利代子 59
   ●プラハ城の窓とリルケの詩「古い家のなかで」…中山 直子 62
   ●命なりけり……………………………………………眞鍋 呉夫 64
    <木の椅子> 辞書は自分で――………………………菊地 貞三 67


    金木犀    小林憲子

   曇り日の午さがり
   独り 水彩画を描く
   絵の具をまぜ合わせ
   金木犀の色をつくり出す

    明日から
    雨天体操場を改造した
    学校工場に動員されることになった
    女学校三年の 秋

    美術の最後の授業
    女流画家である先生は
    和服に袴姿
    白いかっぽう着をつけて

    中庭の古い金木犀
    赤煉瓦の校舎の
    すみずみまで
    香りが漂う

   六十年が過ぎた
   好きだった絵を
   晩年に入って
   再び 描きはじめた

   我が家の金木犀が散ってゆく
   ひろがる 芳香
   花くずの金色の円と

   終戦まぢか
   空襲で焼失してしまった
   まなび舎の金木犀よ……

 戦時中に学生が工場に動員されたという話は聞いていたのですが、自分の学校の「雨天体操場を改造した/学校工場に動員され」たこともあったのですね。歴史的な証言だと思うのですが、私が初めて知っただけで、衆知のことなのかもしれません。
 60年を経ても「金木犀」の「香りが漂う」ことに不思議はないのですけど、この時間の差異に思いを馳せると愕然とするものがあります。それを乗り越えての「水彩画」は、時間の重みに裏打ちされた絵になるだろうなと想像した作品です。




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