きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり
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2005.5.7
「榛名まほろば」にて
 

2005.5.1(日)

 午後から竹橋・国立近代美術館で開催されているゴッホ展に行ってみました。すごい人気で、入場するのに30分待ちでした。意を決して入って、見たのも30分くらいかな? 絵は一目で判りますから好いですね。有名な「自画像」「糸杉」「夜のカフェテラス」も良かったけど、浮世絵を題材にした「花魁」が良かったです。意外に良かったのが「死の床の女」。まさに死につつある女の全身を直線的な筆で描いていて、すごい表現力だなと思いました。

 夕方は「四谷コタン」に行って、奥野祐子さんのライヴを楽しみました。「
piano woman」はたぶん初めて聴いたと思います。

     毎回同じような写真で、すみません。写真を置く位置を変えてみました(^^;
 例によって備忘録でメニューを記載しておきます。
(1)
piano woman
(2) 夜のテレフォン
(3) 雨のブルース
(4) 新宿うらどおり
(5)
underground
(6) ふるさと
(7)
I’m fool to want you
(8)
Smile
(9) 神さまがおられたならば
 大好きな「ふるさと」「
Smile」に加えて、今回は「雨のブルース」が良かったです。
佳い夜でした。奥野さん、ありがと!
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詩誌『弦』32号
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2005.4.21
札幌市白石区
渡辺宗子氏・佐藤道子氏 発行
非売品
 

   エッセイ 語感と詩の領域(28)    佐藤 孝 1
   詩作品  白鳥           佐藤道子 2
        夜の客人         渡辺宗子 2
        ひまわり畑で       渡辺宗子 3
        讃歌           佐藤道子 4
        指について        佐藤道子 4
        鍵老人のマザーグース(七) 渡辺宗子 5
        汚れた石段        佐藤道子 6
   後記   断簡           渡辺宗子 6


    ひまわり畑で    渡辺宗子

   黄金の大気を吸うと
   ふいに 小人の国だ
   花畑の妄想
   太陽の下で堂々と展開する
   大きな貌を空に突き出した隊列
   威圧する巨木の熱風
   けもの道をかきわければ
   風景を閉じた囲い
   光の降りそそぐ閉塞
   道を幾度も折り曲げながら
   傲慢を削り削っていくつもりだ
   地を匍う蟻の姿に変えるつもりだ
   にわかに臭覚が冴え
   草の息を吐く
   前進と後退をくり返す
   視野の欠けた大地の迷路
   風がひらひらと音立てる密林
   ひまわり畑の真中で
   オーマイ・サンシャインの歌が聞こえる

   青い繊維と花々の錯綜
   天空は限りなく展いているのに
   脱け出すには遠すぎる
   弱い足の動物だから
   欲ばかりの身体だから
   一本のひまわりになれない
   黄金に浸りながら
   蜜蜂の行進を見送る

   狂おしい迷路の耽惑
   命を放った昆虫の地獄だ
   蟻のままならば
   花粉にまみれ戯れて
   くね くねと地平線を亘れ
   到達のない遊びだけれど−
   待受けた 穽
(おとしあな)であった
   歩き方を失くした
   地図の自縛に陥たらしい

 「地を匍う蟻の姿に変」ったものとして鑑賞しました。そうなった理由が「黄金の大気を吸」ったからだ、というのは如何にも詩的ですね。そして「大きな貌を空に突き出した」ひまわりの「隊列」、「威圧する巨木の熱風」と、イメージはどんどんと展開して、詩の面白みの真骨頂というところでしょうか、楽しめます。
 最終連の「歩き方を失くした/地図の自縛に陥たらしい」という締めも佳いと思います。人間の本質的な小ささを見事に表現した作品だと思いました。




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