きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり
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2005.5.7
「榛名まほろば」にて
 

2005.5.12(木)

 先輩の定年退職祝賀会がありました。今度の土曜日付けで退職になって、月曜日から嘱託で働き始めますけど、一応の区切りとしての祝賀会ですから、参加者には別れを惜しむという気持はサラサラなくて、楽しい会でした。今度の職場は熊本県に建設中の工場で、事務局として勤めますから、ご本人から熊本焼酎の差入れがあったりして、しかかたに呑んでしまいました。

    050512.JPG    写真は、私が以前在籍していた職場の女性陣と。若くて美人で、佳い人たちばかりでした。3人とも子持ちなんてとても見えませんね。このHPを見られているといけないので褒めておこう(^^;

 両手に持っているのが件の熊本焼酎です。右手が「九代目」、左手が「武者返し」。両方とも芋焼酎ですが旨かったです。地元の銘酒「丹沢山」も良かったです。先輩のことはさておいて、酒の旨さと女性陣の歓待に酔った夜でありました。





詩誌あそ・ま14号
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2005.5.20
埼玉県坂戸市
千木 貢氏方 詩と思想・埼玉の会 発行
非売品
 

   浅間押し    大羽 節    2
   鳥葬      向井 和    4
   潮溜まりで   青木ミドリ   6
   どこへ     二瓶 徹    9
   闖入者     昼間初美    12
   あてうま    竹内輝彦    14
   合図      間中春枝    17
   古家      千木 貢    20
   弾痕      志野原一也   22
   MAJIN   堀井裕子    24
   藤村の馬籠   北畑光男    28

   追悼・宮澤章二         31
    作品*遺言/北陸芭蕉行/枯骨の譜/出生記
    追悼・宮澤章二先生 昼間初美 37
    宮澤章二先生へ   間中春枝 37

   執筆者住所録40 例会記録41 受贈誌書42


    鳥葬    向井 和

   秋の陽をあびて
   眼を輝かせたかまきりが二ひき
   レンガの階段に
   爪をかけている
   みどりの羽の下に重ねた
   緋色のうす衣が少し乱れて

   どんな話をしながら
   この場所をえらんだのか
   生きていたときには
   その二本のかまは
   相手を近づけはしなかったろう

   この虫たちを
   すぐには葬れず
   窓辺の砂の上においた

   春はやく
   外に出したとたん
   ふたつのかまきりは
   空にきえた

 タイトルの重要性を教えてくれる作品です。これ以外のタイトルはちょっと思いつきませんね。見事です。「秋」から「春」までという時間の経過も作品に厚みを与えていると云えましょう。作者の精神の軌跡まで見えるようです。自然界の厳しさとそれを見ている作者の柔らかな視線も感じました。



評論集『現代詩事情』創刊号
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2005.5.20
埼玉県坂戸市
千木 貢氏方 詩と思想・埼玉の会 発行
非売品
 

    掲載作品

   『交野が原』57号(04/10/ 1発行)    中上哲夫「ある冷蔵庫の話」     4
                        福田万里子「浮寝鳥」「雲」     5
                        北川朱実「ソフィさんの」      7
                        美濃千鶴「接吻」          9
   『東国』27号(04/ 8/20発行)      田口三舩「歩き方を見ればすぐ分かる」12
   『汝』15号(04/ 9/10発行)       村山精二「雉」           14
   『石の詩』59号(04/ 9/20発行)     渡辺正也「待ちながら」       16
   『ERA』3号(04/9/30発行)      畑田恵利子「幾重」         19
   『叢生』134号(04/10/1発行)      江口節「虹」            23
   詩集『土匂う』(04/10/ 5発行)     田中順三「明日は小寒」       25
   『戯U』24号(04/ 7/31発行)      扶川茂「BOOKISHのうた」   26
   『蘭』58号(04/10/ 1発行)       高垣憲正「末枯れ」         29
   詩集『大河原巌詩集』(04/10/20発行)  大河原巌「指とタンスと」      30
   詩集『象の時間』(04/10/15発行)    杜みち子「分水嶺」         33
   『詩人会議』505号(04/10月号)      葛原りよう「朝のワーク」      36
   詩集『円庭』(?)            中堂けいこ「鯉」          39
   詩集『おさん狐』(04/11/ 3発行)    なんば・みちこ「月夜ん晩」     41
   詩集『日々の泡』(04/11/ 1発行)    ついきひろこ「日々の泡」      44
   『日本未来派』21O号(04/11/15発行)   伊集院昭子「コルブ」        46
   詩集『偽夢日記』(04/12/24発行)    一色真理「赤い歯車」        50
   詩集『アンブロシア』(04/11/30発行)  北岡淳子「器」           51
   詩集『眺める人、光る人』(04/12/20発行)高澤靜香「川むこう」        53
   『叢生』135号(04/12/1発行)      下村和子「途中」          56
   詩集『いのちひかる日』(04/11/30発行) 小川英晴「くしゃみ」        58
   『飛揚』40号(05/ 1/ 7発行)      北村真「切符自動溜飲槻」      59

 この本は「詩と思想・埼玉の会」で千木さんが毎月「通信」として紹介したコメントをまとめたものです。紹介≠ニは言いながら内容は立派な評論になっていましたので、ここでは評論集と銘打たせていただきました。
 拙作も紹介していただいて嬉しいやら恥かしいやら、です。しかし論は的を射ていて、正直なところ良く読み取っていただいたと驚いています。ここで拙作を載せるのは気が引けるのですけど、千木さんの論を見ていただきたいので、あえて載せます。

   『波』15号(2004年9月10日発行)

    村山精二「雉」

   Keeen
   と啼き声が聴こえた
   書斎の窓から
   蜜柑畑を歩いているのが見える
   右手の人差し指をまっすぐにして
   狙いをつけた
   左手を添えて
   発射の衝撃に備えた
   Keeem
   もう一声啼いて
   奴は俺の顔を見た
   じっと見ているではないか

   バァーン

   風に葉が揺れた
   少し色づき出している
   あと十日もすれば収穫だ
   長い尾を弾ませてあいつは去って行った
   掘り返りもせずに

    詩はこういうところからはじめるべきだ。描写と文体。この詩には強いメッセージといったものはな
   い。だからひどくものたりない。動機といったものも薄い。それでも何も書くことがないようなとき、
   風景だけでも書けとこの詩は教えてくれている。
    書くべきは確かな描写と文体。

 実に見事な読み込みです。確かに「何も書くことがないようなとき」の作品でした。意識したのは「描写と文体」です。散文になってしまうところを詩≠ニして成立させるには「描写と文体」しかありませんからね。詩としては失敗作の部類で「ひどくものたりな」く「動機といったものも薄い」と本人も自覚しています。でも、意外と愛着がある作品なんですね、これが。自分の内部にある「発射」するという凶暴性だけは表出させたいと思っていましたから。
 読む人はちゃんと読んでいてくれるなと敬服しました。ありがとうございました。



岩本勇氏詩集『東京生活者』
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2005.4.10
東京都杉並区
おい、おい 発行
953円+税
 

   WAKASAフィリピンパブの夜は更けて………5
   母とはもう会いたくない………10
   谺………12
   老いぬとは………14
   オリンピックな妹………16
   Who Am I………18
   続 母とはもう会いたくない………21
   さらして………23
   東京生活者………25
   同志A………27
   フォルムヘの長い旅………30
   滴………31
   酒党万歳………32
   私は「何もない」を持っている 2002………34
   意味もなく………36
   遠吠え………38
   九月の花………40
   分かる 分かりやすい………42
   さよなら ふうさん………46
   困ったもんじゃ自己顕示欲………48
   金についての一考察………50
   春の寂しさ夢をうつ………53
   私も瞞着を生きる 北へ………55
   雪今昔………57
   私はミスター・ポスティングマン………60
   父はもういない………64
   山に吹く………68
    初出………70
    あとがき………71


    東京生活者

   深夜から
   夜明けへ向かって
   新宿から西荻窪への三時間散歩

   ジブンホンライノ孤独感ガ
   アマタノ孤独感ヲメニスルコトニヨッテ
   具現化サレル
   ツマリ、見エル

   ダカラ
   私ノヨウナ
   シゼンノソバデジュウハチネンウマレソダッタ
   イナカモンモ
   ジュウブンイキラレル
   ココハカナシクトモアリガタキCITY

 詩集のタイトルポエムです。私も「イナカモン」ですが「東京生活者」ではありません。あそこは遊びに行ったり、出張して仕事したり仲間と議論する場所だと割り切っています。ですから「ココハカナシクトモアリガタキCITY」と心底判っていないので、「ジブンホンライノ孤独感ガ/アマタノ孤独感ヲメニスルコトニヨッテ/具現化サレル」ことを理解できていないと思うのですが、「ジュウブンイキラレル」場所かもしれないなとは感じています。「新宿から西荻窪への三時間散歩」など、やろうと思っても出来ない相談ですけど、「東京生活者」の乾いた、それでいてWetな一面を覗かせた作品だと思います。




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