きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり
  050507.JPG    
 
 
 
 
2005.5.7
「榛名まほろば」にて
 

2005.5.13(金)

 恒例の金曜呑み会は、昨日も呑んだし明日も呑む予定なので、ちょっと控えました。会は控えなかったけど、お酒をね。「獺祭」を2合だけ呑んで、それでオシマイにしました。もう1合呑みたかったけどなぁ。自分の体調を考えるようになるとは、なんとオトナになったことだろう! トシのせいだけかもしれませんけどね(^^;




個人文芸誌『一軒家』8号
    ikkenya 8.JPG    
 
 
 
 
2005.6.1
香川県木田郡三木町
丸山全友氏 発行
非売品
 

    お客様の作品

   童話作品
    P−チャンからの感謝状 星野歌子 ( 1)
   随筆作品
    お姉さん        中井久子 ( 3)
    命           山上草花 ( 5)
    生きる3年計画     平井賢一 ( 5)
   詩作品
    青春哀歌        戸田厚子 ( 7)
    末生の夢        宇賀谷妙 ( 7)
    春と赤んぼ       沢野 啓 ( 8)
    雪の街         内藤ヒロ ( 8)
    誕生日 おめでとう   宮脇欣子 ( 9)
    雨の日         鷺野谷弘行(10)
    雨の中の笑顔      友里ゆり (10)
    河風          丹治計二 (11)
    ちびた鉛筆       吉村悟一 (11)
    ステンドグラス     高崎一郎 (12)
    夏の終わりに      上田哲司 (13)
    声と言葉        鶴若寿夫 (13)
    真夜中のティータイム  深野久栄 (15)
    私は負けない      森ミズエ (15)
    牛           北条たか (16)
    五月雨         吉原たまき(17)
    天国          田島伸夫 (18)
    「ええがなっ」     池田みち (18)
    生きる         伊東美好 (19)
    れんげつつじ      佐藤暁美 (20)
    一瞬          大山久子 (20)
   俳句
    紅雀          中井久子 (21)
    草花          山上草花 (21)
                土井正美 (36)
   川柳           徳増育男 (22)
   回文           中村獏  (22)
   短歌           友里ゆり (23)

    家人(全友)の作品

   昔話 権平鹿物語     丸山全友 (23)
   詩作品
    埋まる              (27)
    鳴く               (27)
   後書きに変えて
    詩集「裸電球」の世界  丸山全友 (27)
   岡本照さんを偲んで
    ふし・もうすぐ学校        (34)


    埋まる    丸山全友

   野菜の種を撒くために
   山へ腐葉土を取りに行く
   白くて大きなかぶと虫の幼虫が出てくる
   ただひたすらに暖かなところで
   かぶと虫になるその日を待っている
   人間は大人になっても外見は変わらないが
   心は生活に疲れ傷つき変わっていく
   埋まっていたらもう一度子供の時に…
   今朝のニュースで報じていた
   知らない人について行った子どもが埋められて白骨化していたと
   今日は春にしては汗ばむほどの暖かさだが
   丸くなったお前を見ているとまだ寒そうだ
   「死ぬなよ」
   再び埋める
   私も見知らない人だ

 「埋められて白骨化していた」「子ども」と「ただひたすらに暖かなところで」埋まっていた「白くて大きなかぶと虫の幼虫」とでは、あまりにも大きな差異ですが、「知らない人」という面では共通している、とするところにこの作品の面白みがあります。自然を見ながらも常に人間社会に還元していくところが作者の強みでしょうか。そんな作風の佳い部分が表出した作品だと思います。



詩誌『EOS』6号
    eos 6.JPG    
 
 
 
 
2005.4.30
札幌市東区
EOS編集室・安英 晶氏 発行
500円
 

    回転扉*安英 晶/ 2
    五十肩*小杉元一/10
   昆虫の書*橋渉二/14


    昆虫の書    橋渉二

    イサンカミキリ

   おさないときからどん欲で
   木のなかにトンネルを掘り
   木の骨髄を食べて成長する
   イサンカミキリ
   あいつに泣かされたミカンの木や
   枯らされたモクマオウの木も多い
   強い顎をもつイサンカミキリは
   成虫になったら木の皮を食べる
   カリカリ カリカリ カリカリ
   かたい衣服を剥ぎとるのが上手
   脱がされてしまうシマグワの木の
   たえがたい屈辱など気にはしない
   まったくつらの皮が厚いやつだ
   親がのこしてくれた土地と樹木
   その遺産にしがみついている
   イサンカミキリ
   枯れ葉のなかを屋敷にして
   出稼ぎにいくことなんかない

   遺産の多い所にはカミキリも多い
   なわばりをめぐってカリカリ
   カリカリする争いが絶えない
   弟が兄を 兄が弟を
   殺してしまうこともあった
   カインだ カミキリはカインだ
   そこでカミキリムシとは
    ・・・
   「神切虫」なのかもしれない
   語呂あわせ と思うな
   分け前で殺しあうなんて
   人間たちがえんえんとやってきた
   ・   ・
   神と縁を切ることだ と思え

   餓え死にしそうな虫
   絶滅に瀕している虫など無視して
   イサンカミキリはどこふく風
   あいつはなかなか滅びないだろう
   ガリガリ ガリガリ ガリガリ
   好物の木をはだかにして辱めても
   まったく気にしないやつだ

 連載「昆虫の書」として今号では「イサンカミキリ」と「クルスホシアナバチ」の2編が載せられていました。ここでは「イサンカミキリ」を紹介してみましたが遺産神切虫≠ネんですね。「遺産」の謂われが判って、面白い虫だなと思います。それを人間に当て嵌めて「分け前で殺しあうなんて/人間たちがえんえんとやってきた」ことだとするところはさすがです。「カリカリ カリカリ カリカリ」が「ガリガリ ガリガリ ガリガリ」に変るところなども考えているなと思います。



詩誌『石の詩』61号
    ishinoshi 61.JPG    
 
 
 
 
2005.5.20
三重県伊勢市
渡辺正也氏方・石の詩会 発行
1000円
 

   

   絵 沈める           濱條智里 1
   詩作品
    家族             玉川鵬心 2
    ゴータマ頒          玉川鵬心 4
    魔女宣言 ]]]X      濱條智里 7
    深夜の塩           米倉雅久 8
    非視触高原          真岡太朗 9
    束ねないで        キム・リジャ 10
    悲しみについて        橋本和彦 11
    永遠のこども会 U      高澤靜香 12
    あしあと           八木道雄 13
    コスモス祭          谷本州子 18
    秘密             落合花子 19
    ぬれ落葉           浜口 拓 20
    浮島スケッチ        澤山すみへ 21

   エッセイ
    三度のめしより(十五)
     そこで所帯を持った     北川朱実 14
     子供も生まれた
    中山道の旅から       西出新三郎 22
   ■石の詩会 CORNER         33

   詩作品
    正倉院展一日         加藤眞妙 26
    コーヒーを飲みながら    奥田守四郎 28
    記憶            西出新三郎 29
    最後のランナー        北川朱実 30
    果て そして はじまり    渡辺正也 32


    家族    玉川鵬心

   三十年程も前か
   公団住宅3Kの四階北間で
   胡座して黙然としていたことがある

   およそ典雅とは言えぬ家風だが
   学校から帰った息子が
   正座して読書している
   (時時柿ピーをつまみながら)

   クエー クエー
   中庭の植樹の中から下の娘の声がする
   エールを送ってきたのだ

   中学校から戻った上の娘は
   畳の上に長い足を放り出し
   ウルセーゾ チイセーノ
   エールを返す

   そろそろうす焼きでも作りましょうか
   妻の台所からの一声で皆が集まってくる

   (その狭い空間をまだ存在しないお前が
    ∞の記号の形に駆け巡っている)

   やがて出会うパルよ
   家族とはそんなものだと思う

    *「うす焼き」とはメリケン粉を水でとかし、砂糖と少量の塩を加えて、フライパンで薄く焼いたもの。
    *未完詩集『私詩 愛犬パルよ』に登載予定。

 最終連が良く効いていて佳い詩だなと思いましたが「石の詩会 CORNER」の渡辺正也氏の文を読んで驚きました。作者は昨年12月31日に75歳で亡くなっていました。この作品は「十一月末、文字盤を追う目の動きと、かすかな唇の動きから邦子夫人が口述し、娘さんの知花さんが筆録した遺作」だそうです。そんなこととは知らずに、人間の「家族」と「やがて出会うパル」という家族を描いた懐の深い作品だと思ったのですが、最期まで詩と向き合った詩人の精神に魅かれたのだなと感激しています。私にもいずれ訪れる死の床で、ここまで真摯に向き合えるだろうかと考えさせられました。最期まで詩を離さなかった詩人のご冥福をお祈りいたします。




   back(5月の部屋へ戻る)

   
home