きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり
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2005.5.7
「榛名まほろば」にて
 

2005.5.18(水)

 午後から環境保全の委員会が開かれました。弊社工場の構内を流れる川は、最終的には鮎釣りで有名な酒匂川に注ぎます。折りしも6月1日は鮎釣りの解禁日。それに合せて排水事故訓練を行うことなどを決めました。
 工場の排水は2系統に分かれています。工場廃液系と雨水系です。工場廃液系は100億円以上の設備投資をした処理施設を通って、最後に数万の鯉がいる池を通過して酒匂川に注ぎますから、ここからの事故は想定し難いです。問題は雨水系。ここは基本的には何の処理もしませんから、例えば油や白濁物が入るとそのまま流れて行ってしまいます。もちろん随所にpH計やビデオなどの監視装置が設置されていますから、万一の場合でもすぐに対処できる体制になっています。その体制の一環としての訓練は重要です。鮎釣り解禁の直前、5月30日に一斉を訓練を行うことにしました。
 幸い、私が入社してからの40年近く事故は起こしていませんけど、慢心することなく、やることはちゃんとやっておこうと思います。




詩と批評『キジムナー通信』25号
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2005.4.30
沖縄県那覇市
孤松庵・宮城松隆氏 発行
200円
 

  <目次>
   詩「羽虫」キュウリユキオ 2
   詩「夜」宮城松隆 5
   詩「鰹漁」渡久地成公 6
   詩「天使となった猫」泉涼香 8
   詩「白い生物」宮城隆尋 10
   詩「黒いもくまおう」トーマ・ヒロコ 13
   読後感「阿波根宏夫著『涙・街』」宮城松隆 14
   読後感「『八年詩選集』重石楡・内山加代訳」宮城松隆 16
   詩「深夜のベル」宮城松隆 18
   詩「コンポート」上地香代 21
   おきなわの新人(5)
     詩「鳴呼・・・」高江州幸子 22
   詩投稿募集要項 24



    鰹漁    渡久地成公

   赤 白 青の漁旗
   うりずんの風に踊る
   濃紺の黒潮は
   グーと傾
(かし)
   一本釣りの鰹船が
   原始の大河にきしむ

   エイオウーエイオウ
   銅色
(あかがねいろ)の筋肉は瘤
   釣糸は
   神の生命
(いのち)
   銀鱗が
   キラッ キラッと船へ
   月と地球の引力に
   招かれた暖流

   創造主の御手に
   そよぐ真南風
(まはえ)
   テグスは
   濃紺の原始の神苑を
   スルスルと窺う

   キビナゴに
   舫われた神の寵児は
   うりずんに
   ムンジュルを踊り
   白い海鳥の乱舞に
   漁師は暮色の帳を紡ぐ

 何とも力強い作品で、胸がスカッとするのを憶えました。「濃紺の黒潮は/グーと傾ぎ」「月と地球の引力に/招かれた暖流」などのフレーズにはスケールの大きさを感じます。そうかと思うと「テグスは/濃紺の原始の神苑を/スルスルと窺う」というフレーズでは神秘な繊細さを感じますし、作者の幅広い、底の深い思考に感嘆します。言葉の本来持っている勁さを遺憾なく発揮した作品と云えましょう。堪能させていただきました。




個人詩誌Quake13号
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2005.5.25
川崎市麻生区
奥野祐子氏 発行
非売品
 

  <目次>
   薔薇のアーチ     1
   ドードー 最後の一匹 5
   ピストル 2     7
   謎          10
   はね         13



    ドードー  最後の−匹

    「この世に やってきたものは 必ず
    この世から 去る時が 来るのだ」
   地球で 最後の 生きのこりの一匹
   古ぼけたドードー鳥の 脳みその中には
   そんな考えなど 全然 浮かびもしないだろう
   だけど
   地球最後の一匹の見つめる
   青い空は しみじみと うつくしくて
   ドードーは
   うすよごれた 全身の羽を 思わず震わせる
   静かに ひとつ 深呼吸して
   空の青さに 感染する
   もう
   自分と同じ生き物は この世に一匹もいないのだ
   ちぎれて 粉々に飛び散る寸前の
   ドードーの DNAが
   最後の一匹の 死を待ちかねて
   ゆるゆると ほどけはじめる
   どうして こんなに
   今日は 空が青いのだろう?
   世界が くっきりと 見えるのだろう?
   うつろな瞳 いっぱいに
   空の青を 映したまんまで
   地球最後の ドードーは 考える
   生まれて初めて 考える
   みんな どこへ いってしまったんだろう?
   どうして ぼくは ここに いるのだろう?
   ぼくは
   いったい
   だれなのだろう?

 「ドードー」は鳩に近縁の鳥で、すでに絶滅していますね。その「地球最後の一匹」をテーマにしていますが、おもしろい視点だと思います。そして、最後の「みんな どこへ いってしまったんだろう?/どうして ぼくは ここに いるのだろう?/ぼくは/いったい/だれなのだろう?」というフレーズを見ると、実はドードーの名を借りた人間個人そのものを謂っているのではないかとも思います。種としては続くかもしれないけれど個人としては絶滅≠キる。人間は「DNA」を運ぶ船というのが最近の学説ですが、それと真っ向から対峙している作品と読み取ることも出来るのではないでしょうか。ちょっと深読みし過ぎかな?




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