きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり 】 |
2005.8.3 | ||||
馬籠「藤村記念館」にて | ||||
2005.8.11(木)
連続8日間という私の短い夏休みも昨日でオシマイ。今日から出勤です。夏休みは短かったけど、きょう一日は長かったなあ(^^;
イマイチ調子が出ませんでしたね。初日から無理をするといけないので、今日は早めに帰宅しました。
○伊藤信一氏詩集『豆腐の白い闇』 | ||||
2005.7.10 | ||||
群馬県伊勢崎市 | ||||
紙鳶社刊 | ||||
1600円 | ||||
<目次>
朝 8
ざりがにあるいは水くさいことばを水に流して 12
野球のような 16
海の近くで暮らした思い出も持たずに死んでしまっていいのか 20
水を飲む 22
プールの底 24
夏の旅のにおい 26
郷愁スプレー 28
夏が終わる 30
秋の将棋 32
即位宣言 36
秋のスケッチ(と口笛) 38
イチョウ並木 40
夕焼けのあとしまつ 44
冬の日 46
一本の線と春 50
ハナミズキの街の午後三時 52
引き裂かれない古い傘 54
夭折詩人概説 56
腕立て伏せ 28
にじっせいきのタコヤキ 64
食べる 68
居酒屋 70
とっくりのくびれの奥 74
酒肴日記抄 76
ははのひに 78
ひらがなのなみだ 80
路地のチョコレート 82
歯ごたえのないことば 86
眠れない夜 88
あさましい朝 90
ハナミズキの街 92
あとがき 94
酒肴日記抄
「懐かしい」を口にした瞬間、音は凍りついてしまうので、
それから後のことばは相手に伝わらない。
定理の証明に、その定理の一部を使うことは許されない。
自分のことばかりしゃべるな。
勝つことの息苦しさに耐えながら投げ続ける君は、三十勝
三敗の先発投手。文学は君に勝つなと命令したのか。
インギンブレイ、インギンブレイ、インギンブレイ、イン
ギンブレイ。漢字で書けるか。謝ったってだめだ。
乾いたシュートが見たいのだ。精神のドラマに着ぶくれし
たスポーツ。
感情を超えないことば。ことばをないがしろにしない感情。
井戸の回りでおちゃわんかいたのは私。
毎日豆腐ばかりくっている。白い闇の中に潜んでいる宇宙。
著者の15年ぶりの第2詩集です。タイトルの「豆腐の白い闇」という作品はありません。紹介した「酒肴日記抄」の中の最後の部分から採ったものと思われます。「酒肴日記抄」は1編の詩というより1行1行が詩として成り立つものですが、何度か読むと1編の詩のように見えてくるから不思議です。「酒肴」として通低するものが同じ、ということなのかもしれません。
「野球のような」「イチョウ並木」「ハナミズキの街の午後三時」「ハナミズキの街」などの作品も印象深く拝見しました。
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