きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり 】 |
2005.8.3 | ||||
馬籠「藤村記念館」にて | ||||
2005.8.20(土)
夕方4時半開催の「隅田川ライブ」に行ってきました。詩誌『1/2』のメンバーが中心となって「こころの温泉」というイベントを開いているようですが、今回はそのPart.5ということで、昨年に引き続いて永代橋の隅田川テラスで行われました。案内状には和歌山の『新怪魚』を主宰しているくりすたきじさんも出演するというので、これは行かねばなるまいと参加させてもらいました。
会場の雰囲気はこんな感じです。左の生垣の奥がステージになります。大川端リバーシティを背景に、さすがは大都市・東京の野外コンサートですね。キャッチフレーズに「夕陽がきれい、夜景がきれい、おまえがきれい」とありましたが、まさに夕陽も夜景も、出演の女性陣も奇麗でした。写真ではまだ人数が少ないのですが、夜もとっぷりと暮れたころには、この倍の人数になっていました。 備忘録で当日のプログラムを記載しておきましょう。 司会:青木春菜 16:30 歌・ギター 田中 透 詩の朗読 みおよしき、朗読集団「風」、上手 宰 歌・ギター くりすたきじ 18:20 詩の朗読 清野裕子、近野十志夫 18:50 演奏「イエローパッケージ」 富永ことぶき(サックス) 山本竹勇(津軽三味線) わきたにじゅんじ(アフリカドラム) 冨成千之(ギター) 田中透さんは新潟からの出演で、憲法九条に作曲して歌ってくれました。くりすたきじさんはギターの弾き語りで、この詩人の世界を少しは理解できた気でいます。逢えて良かった! イエローパッケージのメンバーはプロですから、このイベントの質の高さが判ろうというもの。特に竹勇さんの津軽三味線はCDで何度も聴いていましたから感激しましたね。夕闇の包まれた隅田川に響くサックスの音にも魅了されたなぁ。 |
ステージはこんな雰囲気です。コールマンのツーマントルランタンが野外に良く合っていました。そういえばメンバーのほとんどは私と同じ50代。同じようにキャンプもやって来たのだとランタンが物語っていましたね。 イベントが終って呑み会にも誘われました。もちろん出席。帰りの新幹線の時間が迫っていましたから1時間も経たないうちに退席しましたけど、詩誌『1/2』のメンバーと話ができて、くのすさんとは隣同士になりましたから少し長く話すことができました。 初めての参加でしたが楽しく過すことができました。来年もやるのでしたら、今度はホテルをとって、ゆっくりさせてもらおうと目論んでいます。ありがとうございました! |
○伊藤康子氏詩集『遠い日の私へ』 | ||||
2005.8.15 | ||||
東京都千代田区 | ||||
美研インターナショナル刊 | ||||
1000円+税 | ||||
<目次>
02_はじまりのことば
04_息子へ
06_ともだち
08_尋ね人・ゆめ・深夜
10_愛犬
12_わが町
14_晩秋の旅
16_旅先で・小樽
18_旅先で・由布院
20_尾瀬散策
22_葬列
24_立ち止まる
26_対話
28_タイムリミット
30_現在(いま)
32_あんドーナツとコーヒー牛乳
34_なんでも屋
36_火まつリ
38_在る
40_春近し
42_盛夏のころ
44_秋の日・希望
46_冬近し
愛犬
動く物はすべて攻撃対象なのか
大型ダンプカーにも
向かって行こうとする おまえ
地面を歩く蝉を見つけ
ジージー鳴くのを口にくわえ
あっという間に食べてしまった
弱肉強食の世界
美味しいとも思えないが
カルシウムの補給にでもなるのか
蛍を不味そうといった人がいたが
ほんとうに蝉も不味そうである
アスファルトでカリカリになった
ミミズが好きな おまえ
ある時 庭一面に鳩の羽根が散らばった
身体のほうは何処にもない
血の滴ったであろうその舌で
何食わぬ顔して
わたしの顔をペロペロ嘗める
そう おまえにとっては
すべては自然なこと
とりつくろうものなど何もない
最終連の1行が佳く効いている作品だと思います。「蝉」「ミミズ」「鳩」を食べることは「おまえにとっては/すべては自然なこと」だというのがよく判ります。そういえば、うちのチャボも犬に食べられてしまったなぁと思い出しています。そのせい、というわけではありませんが、うちの「愛犬」は室内犬で、ほとんど地面を歩かないで一生を終えるでしょう。「動く物はすべて攻撃対象」であろう作者の犬に生き生きとしたものを感じるのは、うちの犬に「弱肉強食の世界」を知らせなかった負い目なのかもしれませんね。犬の世界のことではありますが、飼い主の姿勢まで問われているような作品だと思いました。
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