きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり 】 |
2005.8.3 | ||||
馬籠「藤村記念館」にて | ||||
2005.8.28(日)
中学校の同級生が亡くなったと連絡があり、通夜に出席してきました。亡くなった同級生とはそれほど親しかったわけではありませんが、同級生が100人ちょっとしか居ないという、当時としては小規模校でしたので、よく覚えています。大人しい、どちらかというと目立たない男でした。
私たちの学校は静岡県小山町にありましたから、通夜・葬儀は隣の御殿場市で行われることが多いようです。葬儀会場はこれで2回行ったことになります。前回はちょっと迷いましたけど、今回はすぐに判りました。こんなことを慣れてもしょうがないんですけど、これから先も続くんでしょうね。富川昌次君の冥福を祈ります。
○季刊詩誌『新・現代詩』18号 | ||||
2005.9.1 | ||||
横浜市港南区 | ||||
知加書房 発行 | ||||
850円 | ||||
<目次> 表紙=地球をかつぐバラ女=出海渓也
デザイン=佐藤俊男
《特集》憲法九条と靖国問題
メール対談 憲法九条と靖国を考える 中原茶津奈+下前幸一 …6
特集エッセイ
生のための想像力 草倉哲夫 …11
日本国憲法第九条と靖国の蝉 中山直子 …14
吾が思い「憲法」をめぐるア・ラ・カルト 紀ノ国屋
千 …17
「憲法問題」雑考 栗田茂 …20
憲法九十九条を守るべき人 宗
美津子 …23
二度と戦争はいやだ 西村啓子 …25
アンケートまとめ 細野豊 …43
《特集詩》
靖国の紫陽花 藤寿々夢 …28 とまどい 細野豊 …29
マサカ 南村長治 …30 ある自民党代議士の話 矢口以文 …31
丈作さんとの夜半の対話 若松丈太郎 …32 《合法的》大量殺人 おだ
じろう …33
世相 川端進 …34 幸福の監獄 黒川純 …36
九羽のツバメ 斎藤彰吾 …37 靖国という胎盤 砂村洋 …38
レンズの選び方 西村啓子 …39 俺は右翼だ/ほか マルヤマ・トシロウ …40
パフォーマンス 南條世子 …42
《詩作品T》
一本の錐 藤森重紀 …55 曇り時々雨のシーソー/ほか 働 淳 …56
黒蝶 丸本明子 …57 五行詩連作二篇 水崎野里子 …58
月下美人 三雲わたる …60 泣く 三宅遠子 …61
早朝ウォーキングにて ゆきなかすみお …62 真夏の目眩 横田英子 …63
とうふ 出海渓也 …64 悔悟 小川聖子 …65
種なしことば 榎田弘二 …66 殺人犯 新井翠翹 …68
スペイン断章 紀ノ国屋千 …69 川 工藤富貴子 …70
石なきクニに石が 黒羽英二 …71 ビザの行先 轟 俊 …72
■現代詩時評 戦前における宮崎の子どもの詩 永井ますみ…48 ■社会時評「感情の錬金術」が生み出す靖国像 黒川純…49
●エッセイ…「趣味亡国」ということ 若松丈太郎77 ●詩集評…粟田茂詩集『げんうん記』へのいざない 直原弘道/八
月十五日の原風景 細野豊73 藤森重紀詩集『かたみの音』細野豊74 島田万里子詩集『緋の器』水崎野里子74 宗美津子
詩集『草色の轍』富永たか子75 中井多賀宏詩集「繁華街のネズミ」真田かずこ75 佐藤文生詩集の詩的宇宙 高橋次夫76
●詩誌を読む 横田英子/工藤富貴子106 ●17号合評会記 川原よしひさ101 ●18号合評会案内116 ●INFORM
109
《詩作品U》
左翼系作家H 小島禄琅 …78 水のかたちエスキス 鏡たね …79
日曜日 片岡美沙保 …80 桜前線 川原よしひさ …81
大欠伸をした山高帽 川村慶子 …82 眠れない 直原弘道 …83
頑丈な箪笥の物語 宗 美津子 …84 駆け抜ける赤い旋律 篠塚達徳 …86
目 斉藤宣廣 …87 そのままにこのままで 相良蒼生夫 …88
散文詩二題 佐藤文生 …89
「執念袋」を持った少年 千葉龍 …90
出発 津坂治男 …91 街 津金充 …92
傀儡師よ 富永たか子 …94 風穴 武西良和 …95
愛のかたち 永井ますみ …96 蜂の巣雲・博物誌(五) 中川敏 …97
船乗り 中原茶津奈 …98 花 しま・ようこ …99
植民地経営の採算 松本恭輔 …100
《評論》
戦時下のキリスト者抵抗詩人 中村不二夫 …50
ルイス・ブニュエルのシュルレアリスムとドキュメンタリズム 細野豊 …110
■扉=逆コース5 ■表紙の言葉24 ■詩集評 ゆきなかすみお詩集『ねこまたぎ』松本恭輔102/中山直子詩集『春の星』の
世界 矢口以文104 ●メル友通信いろいろ 水崎野里子+出海渓也114 ●新・現代詩賞受賞パーティ案内109 ●後記116
「新・現代詩賞」に投票しましょう【参加要綱】…116
植民地経営の採算 松本恭輔
ニッポン外務省、今ダメ省。
だが戦前見れば、そうでもない。
2・26事件の 半年後、そう、
出した 骨ある 立派な見解。
「日清戦争ヨリ 満州事変ニ
至ル 外交 ソノ得失」
――マル秘文書ゆえ 蔵に完全に、
隠され続け、埃に満つ。
読めば驚く。――植民地、火事。
58億、戦費に消えて、
20億だけ 儲け、赤字。
21万の 戦傷死得て…‥・。
58億 ――庶民の税金。
儲けは 一部、商工業。
領土膨張 続く最近、
国の財政 とことん疲労。
満州――年利益 4500万。
2億3000万の 防衛費で!
満州事変など 迷惑千万。
戦火の鎮めを 乞う思いで‥‥‥。
<アジア歴史 資料センター> *
――惜しむ先覚の そのライター。
*国立公文書アジア歴史資料センター:ホームページで閲覧可能
戦争は経済だと頭で判っていたつもりですけど、こうやって具体的に知らされると改めて戦争の不経済性を感じます。「58億、戦費に消えて、/20億だけ 儲け、赤字」ということは差し引き38億の赤字。私企業では決して手を出さない事業≠ナす。しかも「20億だけ」の「儲けは 一部、商工業」のみ。まったく、割に合わない「植民地経営の採算」ということだったのですね。現在の日本を見ていると「骨ある 立派な見解」がありながら戦争へと突き進んだ過去に学ぶことはできないものかと感じた作品です。
○会報『横浜詩誌交流会会報』53号 | ||||
2005.8.10 | ||||
横浜市鶴見区 | ||||
横浜詩誌交流会事務局・ひらたきよし氏 発行 | ||||
非売品 | ||||
<目次に替えて>
横浜詩誌交流会フェスティバル
(第28回)講演と詩の朗読の夕べ
日時 2005年9月3日(土)午後2時〜4時30分
会場 馬車道十番館5F 横浜市中区常盤町567
プログラム 総合司会 西 村 富 枝
1.開会のことば………………………会長 浅 野 草 子
2.講演「詩の言葉と虚構」……………… 筧 槇 二
3.詩朗読………………………………司会 森 口 祥 子
いわた としこ 志 崎 純 福 井 すみ代
石 川 敦 うめだけんさく 佐 藤 裕
林 文 博 林 柚 維 馬 場 晴 世
新 井 知 次 木 村 和 木 村 雅 美
方 喰 あい子
4.ギター演奏……………………………… 藤 田 敬 男
5.詩朗読………………………………司会 福 井 すみ代
比嘉名 進 府 川 清 鈴 木 和 芳
島 峰 信 子 古久保 和 美 西 田 湘
荒 波 剛 蔦 恒 二 米 原 幸 雄
森 口 祥 子 浅 野 章 子 西 村 富 枝
′ 菅 野 真 砂 植 木 肖太郎
6.閉会のことば…………………………… 植 木 肖太郎
何故僕は 西田 湘
何故僕は
となりのおじさんでないのだろう
何故僕は
江戸時代の農民でないのだろう
何故僕は
アウシュビッツのガス室に
ほうり込まれたユダヤ人でないのだろう
何故僕は
イラクのファルージャで
戦車砲の照準器をにらんでいる
アメリカ兵でないのだろう
何故僕は
この僕だろう
今号は9月3日に開催される「横浜詩誌交流会フェスティバル(第28回)講演と詩の朗読の夕べ」の朗読詩集という形になっていました。その中の1編を紹介してみましたが、存在論のかなり本質的なところを突いた作品だと思います。彼我の違いは偶然で、そこには人間としての本質的な有意差はない、という前提に立った視点を「僕」という次元に落として語る手法は見事と云えましょう。「となりのおじさん」「江戸時代の農民」と、平面・時空もちゃんと押えています。ちなみに「京浜詩派」による組詩<いのち>の9編の中の1編です。
(8月の部屋へ戻る)