きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり
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2005.8.5 長野
戦没画学生慰霊美術館「無言館」
 

2005.9.29(木)

 朝から東京本社に出張していて、午前10時から19時半まで会議でした。途中中断して関連会社に行って、帰ってきて会議続行という変則でしたから、正直なところ疲れましたね。昼食を摂る時間もなくて、15時頃にやっと社員食堂に行けました。そんな努力の甲斐もあったのか、何とか乗り越えたかな、というところまで漕ぎ着けました。企業活動の難しさを実感した一日でしたけど、誠意こそ基本と確信した日でもあります。




会報『「詩人の輪」通信』7号
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2005.9.27
東京都豊島区
九条の会・詩人の輪事務局 発行
非売品
 

  <目次>
   詩    少女の日記     大崎 二郎 1
        ことのは      高橋 英夫 2
        犯罪        泉  渓子 3
        九条のキュウのメモ 木村  廣 4
        キャッチボール   河野 俊一 4
        若者達よ      西田  湘 5
        《合法的》大量殺人 おだじろう 6
   エッセイ 戦後六十年と憲法  井上 俊夫 2
        原爆の夏      堀場 清子 3
   おたより           平林 敏彦 3
   事務局から 収入・支出内訳 原稿募集!  5



   キャッチボール    河野俊一

  西の隣国の番組が
  三度も再放送されたので
  こしらえた国のほうもまた
  再放送を始めるとのことだ
  あちらの国のほほえみがこちらに来て
  てのひらで温められ
  またあちらの国に

  キムチと
  比翼の鳥さながらの唐辛子も
  まずは倭寇があちらに伝え
  倭芥子と名づけられ
  のちにこちらに戻ったとき
  高麗胡椒とよばれだしたというが

  日本国憲法の前文や九条も
  こちらの国で温められ
  南の隣国パラオにも投げられたが
  もっと
  投げる相手投げ返す相手がいないものか
  みんなが
  楽しく投げ合ううちにそらんじて
  つづられた前文や九条が
  無形の世界遺産にならないものか

    *日本の非核三原則も参考にしたというパラオの非核
    平和憲法は79年に住民投票で92%の支持を得たにも
    かかわらず、その後、米国の必要不可欠な援助付き独
    立と非核のいずれかを選ぶという構図となった。結局独
    立を勝ち取るため、やむを得ず非核の部分を94年に
    「修正」せざるを得なかった経緯がある。

 「南の隣国パラオにも投げられた」ことは記憶にありましたが、こういう「キャッチボール」を続けたいものですね。そして「無形の世界遺産にな」ってほしいものです。それにしても「
パラオの非核平和憲法は79年に住民投票で92%の支持を得た」というのは凄いものですが、ここにも米国の影。米国の核をどうやって葬っていくかが人類生存の鍵のように思います。やはり「無形の世界遺産」だけが力なのかもしれません。




小関守氏詩集『晴嵐賦』
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2005.9.15
千葉県茂原市
草原舎刊
2000円
 

  <目次>
   葉分け日記 6   瀬音の風 10
   木漏れ日 14    かげろう綴り 18
   残照の呟き 22   懐愁の風景 26
   欠けた道祖神 30  笹舟 34
   追想の風 38    時雨の返り花 42
   野分けの路 46   中央市場 50
   竹馬の奏 54    反転 58
   晴嵐賦 62     知覧の空 64
   残照 72      母子草 72
   回帰 76      帰郷 80
   みぞれの夜 84   朽ち木 88
   夕焼け小焼け 92  挽歌 98
    あとがき 100



    晴嵐賦

   入隊の脳髄の壁に暖風の三日
   もてなしの日々に酒保
 入浴に散策
   一路 南海に飛翔する特攻機の
   搭乗の身を揺らすようなハンモック

   故郷の夢をみながらの安らかな朝
   突然のブザー
    総員起こし五分前!
    総員起こし!モタモタするな!
   落とされるハンモック 唸る精神注入棒
   客扱いは昨日まで 今日から気合いを入れる!

   迅速の日々に実習 搭乗を掌にした頃
   ハンモックのゆれる想念
   純孝君 どこの基地に居るだろう
   人間一度は死ぬんだ
   会津の白虎の奴らに 遅れは御免だ

   里の住職が 親戚の葬儀に言っていた
   〈生も歓喜 死も歓喜〉の世を送れって

   その頃 竹馬の友は鹿児島の南端
   知覧特攻基地に 出撃の日を待つ明け暮れに
   有った事は知るよしもなかったが
                      
※隊内の売店

 著者の出生前から最近までの半生を描いた一大叙事詩集と云えましょう。そのまま日本の近代史という趣があります。
 ここではタイトルポエムを紹介してみました。海軍に入営直後の様子で、「純孝君」は「知覧特攻基地に 出撃の日を待つ明け暮れに有った」「竹馬の友」。「会津の白虎の奴らに 遅れは御免だ」というのは、著者の父上が会津出身に由来します(私も会津支藩の平藩の末裔ですから近しいものを感じます)。抒情に流されない、淡々として抑えられた叙事的な表現が魅力の詩集です。




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