きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり 】 |
2005.10.9 栃木県 | ||||
「ツインリンクルもてぎ」にて | ||||
HONDA CB250 | ||||
2005.11.8(火)
ISOのJQA本審査がありました。私の職場は特に問題点も指摘されずに終わりました。指摘を受けるということはまず無いんですが、それでもやっぱり終わるまでは緊張しますね。人間のやっていることですから100%ということは有り得ず、仮に指摘されたとしてもそれなりの納得できる理由があるはずです。そう考えると憂鬱になりますけど、ま、日々精進するしかないのかなと思います。
○個人詩誌『粋青』43号 | ||||
2005.11 | ||||
大阪府岸和田市 | ||||
後山光行氏 発行 | ||||
非売品 | ||||
<目次>
詩 小特集 花絵巻「詩絵・花」
○――――――――――――――― 百合(9)
○――――――――――――― コスモス(10)
○―――――――――――――――― 萩(11)
○―――――――――――――― 山茶花(11)
○――――――――――――――― 紅梅(12)
○――――――― 菜種の花(なのはな)(13)
○―――――――――――― ゆきやなぎ(14)
○―――――――――― きつねのぼたん(14)
○―――――――――――― たますだれ(15)
○―――――――――― 空を見ていると(18)
スケッチ (8)(17)
創作 ★いちばんきれいな落ち葉をさがして(4)
エッセイ ●絵筆の洗い水(19) (16)
●舞台になった石見【33】 (20)
萩・津和野殺人ラインと近代哲学の父西周
あとがき
表紙絵:かがりびそう(シクラメン) 2003年12月
空を見ていると 後山光行
輝く朝は朝で
雑草に光が反射してきれい
雨の日は雨の日で
雑草の葉の端々に雫が輝いてきれい
ながいあいだ気付かなかったちいさな風景に
感動しながら
私は仕事場に行く
かつて直線で切られた空を見ていた頃
あの人が悪い この人が悪いと
私の思考は蟻地獄のように沈んでいた
ある時から
別の考え方に気付いて
空を見て過ごしている
今日は電車で座らせて戴いた
今日はなつかしい人に出会った
いろいろなことを喜びとして
とらまえてみると
空はさらに清んできれいに輝く
そうしていると
朝早い仕事場への道で
鳥達が餌をついばみ
雑草が花を咲かせている
あたらしい輝きがあって
ちいさなことにも
感動する喜びがある
わたしは丸い空に包まれている
作者と私は同年代で、20代からの知り合いです。大阪と神奈川に別れて暮らしていますから10年に一度、20年に一度という程度しかお会いしていませんが、同じ時代の空気を吸っているのだなといつも感じています。この作品もそんな思いに捉われました。まさに「直線で切られた空」から「丸い空」への意識変更です。その前提となったのが、私もやはり「ながいあいだ気付かなかったちいさな風」であり「ちいさなことにも/感動する喜び」ですね。写真を少し真面目に撮るようになって、「雑草が花を咲かせている」ことに気付いたあたりからだろうと思います。残された日々を心静かに過ごしたものだ、と思った作品です。
○会報『文芸西さがみ』33号 | ||||
2005.11 | ||||
神奈川県小田原市 | ||||
西さがみ文芸愛好会 発行 | ||||
非売品 | ||||
<目次>
第10回西さがみ文芸展覧会案内 1
西さがみ文芸愛好会選書 会田和世『歌集・さくらが咲いた』紹介 2
~靜民報記事より「西さがみ文芸を楽しむ会」を催して 3
西さがみ文芸情報 4
来年1月に開催される「第10回西さがみ文芸展覧会」の詳細が載っていましたので転載します。私も詩を展示する予定です。
--------------------------------------------------------------------------------------------
西さがみ文芸愛好会の文芸展覧会も、回を重ねていよいよ第10回めを迎えることとなりました。
今回は、太平洋戦争末期から10年ほど山北に居住していた画家蕗谷虹児の叙情あふれる絵画を飾る特別コーナーを設けるとともに、愛好会会員の作品を展示します。
会員皆さんの積極的なご協力をいただき、充実した展覧会にしたいと思います。
【会期】2006年1月18日(水)〜23日(月) 10時〜17時(ただし21日・23日は16時まで)
【会場】小田原銀座通り・アオキ画廊 2階
【展示内容】
*蕗谷虹児特別展
*西さがみゆかりの著名人の色紙・短冊
*西さがみ文芸愛好会会員の作品
[俳句、川柳、短歌、詩編、エッセイのほか、著作、同人誌など]
*本会文芸展覧会10年の歩み
【関連講演会】
蕗谷虹児と山北 講師・藤井良晃さん
父 蕗谷虹児 講師・蕗谷龍生さん
1月21日(土)16時〜18時 アオキ画廊2階
--------------------------------------------------------------------------------------------
お時間のある方、近くにお立ち寄りの方はぜひおいでください。いずれも入場は無料です。
○中村節子詩集『モザイクの山』 | ||||
2005.11.3 | ||||
千葉県茂原市 | ||||
草原舎刊 | ||||
2000円 | ||||
<目次>
T しあわせの箱
しあわせの箱 10 魚も同じだろうが 12
波 14 あしたかもしれない 16
写生をすると 18 カラス 20
ゲーム 22 巻き尺 24
冬の籠 26 再生 29
未来にこんな日が 30 私 33
テーブル 36 クラス会 38
風 40 心境 43
女の窓口 44 髪 47
時間 48 皺 50
蟻と主 53 海から離れて 56
鏡を封印する日 58 例えば 61
母を尋ねて 64 宿命 67
かにみえて−宿根草− 70 老いの眼 72
冬至 74 教室に入りなさい 76
あっそう 78 チップス 80
養鶏場 83 中学生様ご一行 86
U モザイクの山
モザイクの山 90 大涌谷 92
霧 93 仙石原 94
芦ノ湖 95 早雲山 96
十国峠 97 乙女時 98
湖水 99 二子山 100
明神岳 101 塔ノ沢 102
金時山 103 駒ヶ岳 104
大平台 105
あとがき
106
女の窓口
外出の少ない女は
いつも窓の脇に立って外を見ている
四角い風景画を
焦点の定まらない目で眺めている
名刺はなく 名札なく グレードもない
表向きには 奥さん と呼ばれるが
通称 おい のほうが馴染んでいる
あなたを証明するものをご提示ください
と、銀行の窓口でいわれたから
生まれたときからずっとこのかた
臍の横に黒子があります
夫にはそれで通っています
と、シャツをめくって見せるわけにもいくまい
免許証や保険証の類いで
事務的に女と認められた
この服を着てスーパーマーケットへ行くと
(アラキツダサンノオクサマ)
帰宅してすべての服を脱ぎ捨て窓の脇に立つ
限られた一日の残り時間を忙しく
いつものように家事をこなし始める
夕方という暮れ方が
模造かもしれない女を
そこにいるだけで信用している
家人は何の違和感もなく
女の窓口を通ってくる
高校生の頃から原付免許という「免許証」を持っていた私などには実感がないんですが、何も無くて「あなたを証明するものをご提示ください/と、銀行の窓口でいわれた」ら戸惑うでしょうね。しかしそれは「事務的」なもの、近所の「スーパーマーケット」では「(アラキツダサンノオクサマ)」で通ってしまいます。俗にこれを顔パスと言いますけどね
(^^; 「通称 おい のほうが馴染んでいる」というフレーズには笑ってしまいますが、ここには良い意味で開き直った著者の強さを感じます。
前詩集『モザイクの海』から7年振りの詩集は、やはり中村節子詩のモザイク≠表出していました。「キツダサンノオクサマ」だけでは収まりきれないモザイク≠ぜひ堪能してみてください。
(11月の部屋へ戻る)