きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり
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2005.12.23 群馬県安中市
新島襄旧宅
 
 

2005.12.4(日)

 午後から神楽坂エミールに集まって、日本詩人クラブ三賞候補詩書の推薦用紙発送を行いました。10名ほどが作業しましたけど1000通を越える量ですから、予定の3時間をほぼ使ってしまいました。会員845名の他に会員外に250通ほどを投函しました。2005年1月1日から12月31日までに出版された詩集、詩書が対象です。推薦は2006年1月18日消印まで有効ですから、推薦権をお持ちの方はぜひ有効にご使用ください。よろしくお願いいたします。




詩マガジン『PO』119号
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2005.11.20
大阪府北区
竹林館・水口洋治氏 発行
840円
 

  <目次>
   特集 黒田三郎
         黒田三郎と民衆 村上久雄……9  黒田三郎の「俗な市民」と現代詩 佐古祐二……14
    人間・黒田三郎さんのこと 滝いく子……24            微風の中で 寺沢京子……27
   トランペットを寡黙に吹いて 丈六友子……32           黒田さん詩篇 三方 克……34

          喜びの雨よ 水口洋治……37             徴兵検査 真栄田義功…38
    おはなし                             夏が来た 飯田雄三……42 
     −ながれていくうさぎ− 福田万里子…40               夏が 山崎広光……44
             不機嫌 まつだくみこ46   おいてゆかれる/女たち(六) 牛島富美二…52
    さくら/おとなになるって 奥村和子……56         晩 夏/市松少女 桜鬼弓女……58
         潮 風/秋化粧 北山りら……60          詩歌民衆共和国 佐相憲一……66
          詩は/波の音 左子真由美…67     あの日がもう一度来るなら 長谷川嘉江…70
         信号灯/水と魚 中野忠和……72       ことばの流れのほとり 梶谷忠大……86
             屋久杉 藤谷恵一郎…89             みどり葉 関 中子……92
      スペイン広場上の画家 黒木 充……94              大阪城 おれんじゆう96
    人生の修行者は/                     鏡の中のフラスコ 北村こう……108
     約束や予定を待ちながら 清沢桂太郎…105          開 放/ドープ 及川謙二……110
            蝉しぐれ 山田満世……115       平和がいいと叫びたい 神田好能……122
             沖 縄 野田祥史……124           トマト色の空 与那嶺千枝子126
      坂道を登りながら/真夏の海の游想/沈黙の記憶/サイコロは転がりつづける 川中實人……128
                                      つゆ草 野島洋光……130
             *
   ピロティ 仕事が人をつくる 松本則子……7
   ギャラリー探訪 二〇〇五 イタリア・ボローニャ国際絵本原画展 藤原節子……48
   舞台・演劇・シアター カブキの挑戦はつづく 河内厚郎……50
   詩のふるさと 「下山歌」宋之問 水口洋治……62
   ビデオ・映像・ぶっちぎり 増幅する宇宙
     ベスト・オブ・ケミカル・ブラザーズ〜シングルズ 93-03より まつだくみこ……63
   この詩大好き 八木重吉の詩から 清沢桂太郎……64
   評論 中島栄次郎の伊東静雄評―『わがひとに與ふる哀歌』への「感想」について― 山本皓造……76
   一冊の詩集 名古きよえ詩画集二〇〇五 秋野光子……98
   一編の小説 ファム・ファタル〜谷崎潤一郎「刺青」〜 桜鬼弓女……100
   掌編小説 「ガラス屋」中野忠和……102
   海外翻訳小説 「モグラの血」ドラフカ・エフチモファ 有馬 敲 訳……116
   エッセイ 続アメリカ黒人詩の流れ20 堀 諭……120
   竹林舘ブックス 左子真由美詩集「愛の手帖」ダイレクトに潜在する心のエロスを描写 村木 哲……134
   詩誌寸感 地域詩誌の寸感 佐藤勝太……136
   読者投稿欄*POランド 左子真由美……138
            *
   ▽詩を朗読する詩人の会「風」例会……85   「PO」例会……85△
   ▽「PO」ホームページ……99      「PO」育成基金……133△
   ▽会員・誌友・定期購読者募集……139    受領誌一覧……141△
   ▽執筆者住所一覧……142           編集後記……143△



    徴兵検査    真栄田義功

   夜道の縄をまたぐな
   石垣の間の蛍に手を出すな
   二つ並んで光っていたら
   とくに気をつけるんだよ
   島の子どもたちはよく云いきかされた
   ハブは何処へでも現れた
   鶏が小屋で騒いでも
   近寄っちゃいけない
   棒切れを差し出すのも禁物
   馬が怯えて立ち止まると
   近くに必ずやつがいた
   捕りそこねたら
   夜どおしかかって捜し出した
   遁がすと
   天井の梁の上を匍ったり
   落ちて 蚊帳の上でのたくったり
   便所の中で
   とぐろを巻いたりしていた
   ぬるぬると
   どぎつい模様をほどきながら伸びる
   三角の頭
   ペろペろ繰り出す
   細い舌
   なんでまた
   こんな厄介な生きものがいるのだろうと思ったりしたが
   若者に成長してみると
   もっと厄介なものが
   待ち構えていた
   こやつに巻きつかれたが最後
   生きて戻れた者は少ない
   骨さえ
   行方知れずだ

 「石垣の間の蛍に手を出すな/二つ並んで光っていたら/とくに気をつけるんだよ」というのは私も子供のころ聞いていましたが「夜道の縄をまたぐな」は知りませんでした。本州の毒蛇は蝮ぐらいで、それも滅多に出遭いませんからそこまでの注意は無かったのだろうと思います。「捕りそこねたら/夜どおしかかって捜し出した」というのも凄いですね。たいがいは蛇の方が逃げるものなんですけど、さすがは「ハブ」です。
 「若者に成長してみると/もっと厄介なものが/待ち構えていた」のは嫁さんかな(^^; と思いまして、よくよくタイトルを見ると「徴兵検査」とありました。確かに「生きて戻れた者は少ない/骨さえ/行方知れず」の時代がありました。でも、それは過去の話に終らないところが怖いです。現在の日本がその方向に向かっているようです。現代への警鐘の作品と受け止めました。




個人文芸誌『一軒家』10号
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2006.1.1
香川県木田郡三木町
丸山全友氏 発行
非売品
 

  <目次>
   お客様の作品
   随筆作品
   8月6日       上田哲司 (1)   桜 飯       内藤ヒロ (1)
   ここに幸あり     中井久子 (3)   梅一輪       藤島政晴 (4)
   『人の出会いに感謝』 伊東美好 (5)   自立        宮脇欣子 (6)
   童話作品
   『トラは何虞にいるの』星野歌子 (8)   かげろうの向こう  森ミズエ (10)
   詩作品
   想い出        戸田厚子 (10)   おーい 雲よ    山上草花 (11)
   天 華        宇賀谷妙 (11)   『夏…というミュージアムの中で』
   皮をむく       小島寿美子(12)             友里ゆり (11)
   飛 ぶ        沢野 啓 (12)   彼 岸       大山久子 (13)
   収穫物語       池田みち (13)   夢を掘る      小山智子 (14)
   男装の麗人      深野久江 (14)   涙         新井朝子 (15)
   わが町        吉村悟一 (16)   君と僕と犬のマリーのこと
   NurSe      飯塚 真 (16)             高崎一郎 (16)
   信書         田島伸夫 (17)   夕焼け雲      丹治計二 (17)
   晩秋         佐藤暁美 (18)   歩行者天国     中村 獏 (18)
   訂正作品 例えば夜の 鶴若寿夫 (19)
   俳句作品 草花    山上草花 (19)
   川柳作品 1     徳増育男 (20)
   短歌作品 雑詠    友里ゆり (20)   母逝く/冬の歌   藤原光顕 (20)

   家人(全友)の作品
   一軒家昔話 夫婦杉 (22)
   詩作品
   雪かき(25)たかな(25)一人言(25)一つ屋根の下(26)行火(26)綿の夜(26)足跡(27)
   雑文    再訪 (27)
   後書き      (35)



    たかな    丸山全友

   秋になろうとするころ
   落ちこぼれの種から
   二メートルほどの間をおいて
   二つのたかなが同時に芽を出した
   二つのたかなは
   同じ大きさにそだっていたが
   霜が降りるようになったある日
   二つのたかなを分けて
   ビニールハウスがたてられた
   ハウスの中のたかなは
   暖かいと喜びながら
   見る間に大きくなったが
   食べられてしまった
   外のたかなは小さいながらも
   風雪に耐えて花を咲かせて
   今種を残して枯れようとしている

 「暖かいと喜びながら/見る間に大きくなった」「たかな」が結局は「食べられてしまっ」て、風雪に晒された「たかな」が「花を咲かせて/今種を残して枯れようとしている」という対比の作品で、何やら人生を感じさせます。どちらも「落ちこぼれ」で、「ビニールハウス」さえ建たなかったら同じ運命だったでしょうに、皮肉なものですね。ヒトの一生なんて終ってみなければ判らないものだと教えてもらった気がします。




季刊・詩と童謡『ぎんなん』55号
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2006.1.1
大阪府豊中市
ぎんなんの会・島田陽子氏 発行
400円
 

  <目次>
   何か おかしい/灯          中 野 たき子 1
   裏の公園/赤ちゃん          名 古 きよえ 2
   ぼく しにたくない          西 浦 ひろき 3
   おはなしする おばあちゃん 他    畑 中 圭 一 4
   かわいいのは なぜ/冬のひかり 他  藤 本 美智子 5
   ゴロスケ ホッホー/近所のおじさん  前 山 敬 子 6
   わたしがうまれるまえ/落ち葉 他   松 本 純 子 7
   目ざまし炊飯器            萬里小路 和美 8
   駅伝大会               萬里小路 万希 8
   ねつが出た日/大好きな空       むらせ ともこ 9
   羊が走る               も り・け ん 10
   えいえん               ゆうき あ い 11
   けんちゃん/つきはなせないもの    池 田 直 恵 12
   しんめさん/はるがきてはる/お正月 いたい せいいち 13
   クリスマスツリー           井 上 良 子 14
   なんでやろ/迷子           井 村 育 子 15
   自己紹介/夜 クモ語る/恩師     柿 本 香 苗 16
   二つのベランダ            河 野 幹 雄 17
   犬と亀/友達へ            小 林 育 子 18
   ぼくのあかちゃん/秋         相 良 由貴子 19
   象さんの耳              島 田 陽 子 20
   外は/ケイタイメール        すぎもと れいこ 21
   なんでやのん/かくし味        富 岡 み ち 22
   いもほり/コマ回し          富 田 栄 子 23
   手紙をください/シイタケばあさん   中 島 和 子 24
                本の散歩道 畑 中・島 田 25
             かふぇてらす 藤本・前山・むらせ 26
          INFORMATION         27
                 編集後記         28
               表紙デザイン 卯 月 ま お



    何か おかしい    中野たき子

   下書きして
   考えて
   ワープロで清書したのは遠い昔

   パソコンで
   考えて
   下書きして
   原稿用紙に手書きする

 失礼ながら思わず笑ってしまいました。そういえば「遠い昔」、「ワープロ」は「清書」機でしたね。「パソコン」に変わった現在は、大事な原稿は「原稿用紙に手書き」しています。活字体が尊重された昔と手書きが喜ばれる現在との、希少価値の変化の問題だと思います。短い巻頭作品ですが、文化について考えさせられる作品だと思いました。




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