きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり
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2005.12.23 群馬県安中市
新島襄旧宅
 
 

2005.12.11(日)

 酒屋さんに頼んでおいた「越乃寒梅」が宅配便で届きました! 一升瓶2本と四合瓶3本です。いつもは四合瓶だけ発注するのですが、今回は個人で買える限度いっぱいまで注文してみました。やはり四合瓶だけではモノ足りない(^^;
 「越乃寒梅」は値段が高いことでも有名ですが、蔵元は高く出していません。以前、新聞に意見広告を出していましたけど、普通のお酒と変わらないんです。途中でどんどん値が上がっていくんですね。ちなみに私は上記の量を送料・化粧箱込みで1万数千円で求めています。高いところでは4万円ぐらいになってしまうと思います。
 ただ、残念なのはいつでも手に入るわけではないということ。酒屋さんから年に2、3回案内が来て、その時だけしか買えません。買える量も上述に限られています。ま、楽しみは少ないほど良いというところでしょうか。じっくりと味わって呑みます。




会報『「詩人の輪」通信』8号
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2005.12.9
東京都豊島区
九条の会・詩人の輪事務局 発行
非売品
 

  <目次>
   ニンゲンモドキに捧げる   嶋岡 晨
   詩 神経伝達物質      大島 元
     六十年の記憶      水谷なりこ
     不寝の番        ゆきなかすみお
     輝け 九条の源泉    角田修司
     風韻―沖縄戦跡講演にて 太田隆夫
   輝け9条!詩人のつどい PARTU
     開会の挨拶       大河原 巌
     よびかけ人メッセージ  中正敏/佐相憲一/浅尾忠男/甲田四郎/土井大助/葵生川玲/黛元男
     分野別9条の会・メッセージ
       「九条の会」アピールを広げる美術の会(九条美術の会)
       映画人九条の会/俳人「九条の会」/憲法九条を守る歌人の会
     「詩人のつどい」に初めて参加して 柳生じゅん子
     報道記事から
   「九条の会・詩人の輪」 初年度収入・支出内訳



    神経伝達物質    大島 元

   何かの話のついでにべッカムの名前が
   出てこなかったり
   「九条の会」の意義を力説しながら
   九条の骨抜きを図るアメリカの高官
   アーミテージやパウエルの名前が
   出てこなかったり

   日歯連事件に憤慨して喋るが
   ノナカヒロム アオキミキオの名前が
   どうしても出てこず
   折角の天下国家論が尻つぼみになってしまう

   度忘れは加齢に伴って脳の神経伝達物質が
   減少する為である
   しかし簡単な計算をすることや
   文章を毎日短時間朗読することによって
   年を取っても神経伝達物質を
   増やすことが出来る

   テレビ「ためしてガツテン」は
   朗報を伝える

   早速小学校三年生用の計算ドリルに
   取組むが面白くなくて長続きしない

   お医者さんに相談すると
   大人用の計算問題も本屋に売っていますが
   人と話すのがいいですね
   特に初対面の女性と話すのが一番いいです

   ボクは女性と話す時緊張するんです
   その ほど良い緊張が脳にいいんですよ

 「九条の骨抜きを図るアメリカの高官」や「日歯連事件」に関与した人物の名前がとっさに出てこないのでは、確かに「折角の天下国家論が尻つぼみになってしま」いますね。ほら、あれ、あいつ≠ナは迫力に欠けてしまいます。私たちの生活の中ではよくあることですが、そこを旨く捉えた作品だと云えましょう。最終連の「ほど良い緊張」も言いえて妙、味のある作品だと思いました。




詩誌『EKE』28号
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2005.11.30
沖縄県那覇市
中里友豪氏編集・EKEの会 発行
500円
 

  <目次>
   中里友豪   2 チャタンターブックヮ
   高橋渉二   4 昆虫の書(10)
   花田英三   7 今 ここに
   矢口哲男   8 タンゴ
   大城貞俊   11 詩という夢
   山川文太   12 さよならさんかく
   中里友豪   14 キッチャキ
   花田英三/矢口哲男(往復書簡)オン・ザ・ビーチ雑感(6)
          16
   高橋渉二   28 ロンダヘ スペイン紀行(4)

            題字:金城 満   表紙:真喜志 勉



    昆虫の書(一〇)    高橋渉二

     チュラトービーラー

   われわれは悪ものにされている
   ガサゴソ 人間の家に侵入するゴキブリ
   きらわれている虫のナンバーワン
   だがそのゴキブリは少数派なのだ
   食料をもとめ 職場と穴場をもとめて
   都にでるおのぼりさんゴキブリ
   ゾロゾロ ガサガサ ガサゴソ
   ゴキブリ一家は都会のビルの山々を縦走する
   人造太陽と電球の星々が明滅するところ
   二十四時間営業の花々が狂い咲きするところ
   ギンザノゴキブリ ナニワノゴキは欲が深い
   くいにげの常習犯だから罪も深い 彼らは
   殺虫剤コッチノミーズのあまい罠にはまるか
   毒ガスや毒ダンゴで殺されている
   都にでるものは早死犬死にノータリンだ
    地球上にゴキブリは三千種いるというが
   おのぼりゴキブリはほんの数種だけで
   彼ら少数派がゴキブリの名を極道にしている
   われわれ仲間のほとんどは
   あたたかい森林にすんでいる
   ヤエヤマゴキブリ ドナンノゴキは
   さむいところは苦手 行ったことがないから
   ゆきまつりも雪だおれもみたことはない
   ここではほどよいこもれびシャワーをあびて
   森にすむ生きものの果てたあとをいただく
   天命をまっとうした倒木と落葉もいただく
   いかされているから森をきれいにしている
   われわれチュラトービーラーのことを
   お高い人間様はごぞんじだろうか
   ときどき森のなかに侵入する人間は 仲間の
   人間をすてていく これはいただけない
   コンドームをおいていく人間息じいる
   あのいとなみのあとの濃いなかみはいただく
   加糖練乳にもまさるおいしさ皮もすき
   またおいできれいにしてあげるスキンスキン
    ギンザノゴキブリ ナニワノゴキは
   都にいるから競争率と死亡率が高い
   事故死 自死 慈悲なき巷に虫の夢死
    われわれは南西諸島のはてにすむ虫
   チュラ チュラトービーラー
   ギンザノゴキ ナニワノゴキは悪名高いが
   われわれはまだ知られていないと思う
   無名で おだやかに暮らしている

         ※チュラ(美しい)トービーラー(ゴキブリ)

 「地球上にゴキブリは三千種い」て、「食料をもとめ 職場と穴場をもとめて/都にでるおのぼりさんゴキブリ」は「ほんの数種だけ」とは知りませんでした。ましてや「われわれ仲間のほとんどは/あたたかい森林にすんでい」て、「森にすむ生きものの果てたあとをいただく/天命をまっとうした倒木と落葉もいただく」とは知りようもなく、軽いショックを受けています。ほとんどは「無名で おだやかに暮らしている」んですね。さすがは「昆虫の書」と銘打つだけのことはある一連の作品、勉強になりました。




詩誌『青衣』121号
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2005.10.20
東京都練馬区
青衣社・比留間一成氏 発行
非売品
 

   目次
   <表紙> ………………………伊勢山 峻 頁
   玄林 ……………………………伊勢山 峻 2
   黄昏(客席)……………………鈴木  亨 4
   春の空に ………………………上平紗恵子 6
   影の受容 ………………………上平紗恵子 9
   露路の人(客席)………………島  朝夫 12
   さくら燻し ……………………表  孝子 15
   隠れんぼ ………………………表  孝子 17
   花束 ……………………………井上喜美子 19
   忍冬ふたたびの ………………河合智恵子 22
   惜夢 ……………………………布川  鴇 24
   哀しみのハルモニア(共鳴)…布川  鴇 28
   ベンチ …………………………比留間一成 30
   平 仄 ……布川鴇・小山常子・伊勢山峻 32
   あとがき



    惜夢    布川 鴇

   欅の大樹の根元深く
   銀色のカプセルは埋められた

   大地に還元することも
   風化することもないように
   降り積もる雪の下でも
   凍結しない未来を待っていておくれ

   (少女の祈りはとどかなかった)

   時が経つほどに
   表面は錆びれ
   余分な装飾からどんどん剥がれ落ちた
   樹は朽ちて
   その在り処を見失わせ
   中味は捲くれて崩れ去り
   時のなぞえに風とともに姿を消した

   なぜその樹の下を選んだのか
   なぜ金属のものにしたのか
   (少女は知らなかった)

   そのころ欅の樹は
   見上げるほど大きかったし
   どんな異変にも倒れそうにない
   強く太い根を張っていた
   金属はぴかぴかに光り
   どんな衝撃にもびくともしそうにない
   高層ビルの外壁のように固かった

   はじまりのように
   なにもなくなり
   虚空の下に広がる大地
   またそこには新しく何かが建つのだろうか
   何びとの夢も願いも埋もれて
   もはや吹き返しそうにもない大地に

 いわゆるタイム「カプセル」ですね。小学生の時に埋めて数十年後に掘り返すということが一時流行ました。ときどき掘り返す光景をTVで見たことがありますけど、なかには「時のなぞえに風とともに姿を消した」ものもあったのでしょう。「なぜその樹の下を選んだのか/なぜ金属のものにしたのか」とは後になって気付くことで、その時はそれが最良と思ったのでしょう。
 最終連の「はじまりのように/なにもなくなり」というフレーズが生きていると思います。「新しく何かが建」ったとしても、それもいずれ「姿を消」すことを予感させます。人生の無常を感じた作品です。




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