きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり 】 |
2005.12.23 群馬県安中市 | ||||
新島襄旧宅 | ||||
2005.12.14(水)
会社を早期退職することにしました。60歳の定年までは3年とちょっとあるんですが、できれば来年の3月末で辞めたいと思っています。
会社の業績悪化が見込まれ、早期退職を募集すると工場長から話があったのは先週のことです。しばらく前にも同じ話があって、その時も辞めたいとなと思っていたのですが、業績が悪い部門だけの指名退職でしたから私の部署は範囲外でした。非常に悔しい思いをしていたのですけど、今回は聖域を設けないで50歳以上の全従業員が対象とのこと。大喜びをしましたね。
今日、確認の面談があって即退職の意思を伝えました。まさか私が退職するとは思っていなかったようで、上司は非常に驚いていましたけど「言われてみると、あなたにはやることがあるんでしたね」と納得してくれました。そうなんです、やっぱり文章を書く生活をやりたいんです。科学の世界も面白いし、それを教えてくれた会社には感謝していますが、40年も前の中学生時代から考えていた文学に関わる仕事をやりたいですね。その夢が目の前に来ました!
もちろん今後文筆でメシが食えるとは思っていませんが、生活は心配していません。60歳まで勤めたと同等の一時金が補償されます。いわば働かなくてもお金をくれるということ(^^; 毎日、好きなモノを書いて、その上生活の心配がないことが判っていましたから、前回、悔しい思いをしたのです。ようやく私に順番が回ってきました。
問題はいつ辞められるか、です。会社と従業員との話し合いで、来年の4月1日が6月末までの間に退職日を設定することになっています。私は4月1日付けを希望しましたけど、仕事の引継ぎがありますから希望通りにいくかどうか…。引継ぎには関連会社への報告も含まれますので、早くとも2〜3ヶ月かかると思います。ま、基本的には私が心配することではなく会社がやらなければいけないことですが、立つ鳥後を濁さずですからね、後任者が困らないようにしておきたいと思います。
あと3ヵ月ちょっと。有頂天になっています(^^;;
○詩誌『青い階段』79号 | ||||
2005.12.10 | ||||
横浜市西区 | ||||
浅野章子氏 発行 | ||||
500円 | ||||
<目次>
長雨 荒船 健次 2 U/SO 八潮 煉 4
ねがい 鈴木どるかす 6 コスモス 森口 祥子 8
失せもの 坂多 瑩子 10 十五夜 福井すみ代 12
「太陽と動物達」中島由夫画伯の絵に添えて 小沢 千恵 14
深い秋 廣野 弘子 16 冬の日記帳 野村 玉江 18
ある午後 浅野 章子 20
ピロティ 八潮煉・廣野弘子・森口祥子
編集後記
表紙 水橋 晋
コスモス 森口祥子
原っぱに一茎のコスモス
わずかな風に大きく揺れて
雨の日は
打たれて撓んで
晴れた日は
ちょっと小首を傾げて
今年もこんなところに咲いた
コスモスの花のような人だと
好感を持っていたのに
その人は言った
<私 嫌いなの
あの無神経で図々しく
他人の庭まで侵入してくる厚かましさが
倒れこんでまで咲き続ける
太々しさが>
静かに生きたい
それでも花を持ちたい
ささやかな願いは
どこかで誰かに嫌われているのかも
また迷い道の秋の暮
ヒト様々だなと改めて思います。「倒れこんでまで咲き続ける/太々しさ」という見方も出来るんですね。それをいじらしさと見るか「太々しさ」と見るかは誰にも非難はできませんけど、まあ、お人柄を見てしまういうことでしょうか…。
そんな他人様の見方に対して「どこかで誰かに嫌われているのかも」と「また迷い道の秋の暮」を感じてしまう作者に、私は「好感を持」ちますね。人生の機微に触れた佳品だと思います。
○詩誌『杭』45号 | ||||
2005.12.1 | ||||
さいたま市大宮区 | ||||
廣瀧光氏代表・杭詩文会 発行 | ||||
500円 | ||||
<目次>
■ 詩 ■
まぎれもなく 巴 希多 2 いっちまったガリちゃん 池上真由美 4
物言いたげな彩(いろ)です 白瀬のぶお 6 謎 謎 棚橋 民子 8
困ったものだ 二瓶 徹 10 希 望 長谷川清一郎12
流 稲 比企 渉 14 老いの入舞(イリマイ) 瀬下 正夫 16
ブルーベリーを摘みながら 山丘 桂子 19 仕掛け時計 齋藤 充江 41
茜 雲 大谷 佳子 44 銀河/ビッグバーン 大畑 善夫 46
サラリーマン 尾崎 花苑 48 コスモス一輪 伊早坂 一 50
キーン 廣瀧 光 52
■エッセイ■
渋姉ひとつ 郡司 乃梨 22
通信教育 平野 成信 24
〈たより〉 槇 晧志 27
死火山噴火騒動記 笠井 光子 28
再婚奨励 平松 伴子 31
昭和の長子 寺田紋氏を悼む 伊早坂 一 54
望郷の丘 河田 宏 57
■著書紹介■ 小説集 平松伴子 著 愛しき人よ、そしてこどもたちよ 廣瀧 光 61
題字・槇 晧志
コスモス一輪 伊早坂 一
もうことしも秋の日差しだ
欧陽諭「九成宮醴泉銘」をひろげて石を思う
むかしの人の一字一字 欠けた一字
維貞觀六年孟夏之月
それは西暦六三二年で、聖徳太子没後の十年
年年歳歳花相似の劉庭芝が生まれる十九年前だ
劉庭芝は二十八で、友人によって亡者にされた
歳歳年年人は同じからず 王維に次いで
七六二年季白が去り、八年後には杜甫が死ぬ
ミケランジェロの昇天の年、信長は三十だった
一六四二年イギリスでニュートンが生まれると
入れ替わりガリレオ・ガリレイが没している
生まれては死に、生まれては死ぬ、例外なく
ボードレールが二つの年、勝海舟が
海舟が三十にかかったとき、ゴッホが
ゴッホが九つの年に、森鴎外が生まれてきた
ゴッホは明治二十三年 麦畑のカラスを描き
ピストルで胸を撃って神を信じる生涯を閉じた
やんぬるかな
已矣哉やんぬるかな 野に揺れる草の花
維貞觀六年孟夏之月
今、秋の日ざしはあたたかくあかるくあって
この世には一日として欠けた日はない
第2連から5連までは改めて同時代ということを感じます。特に判りやすいのは4連・5連ですね。世界史、日本史という区別で歴史を習って来ましたから、横断的に時代を見るという眼が少なかったことに気付きました。「ミケランジェロ」と「信長」は同時代だったんだ!
「生まれては死に、生まれては死ぬ、例外なく」は、まあ、当然かなと思いましたけど、最終連の「この世には一日として欠けた日はない」は驚きました。これを言った人はいないかもしれませんね。タイトルも佳いと思った作品です。
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