きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり
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2005.12.23 群馬県安中市
新島襄旧宅
 
 

2005.12.26(月)

 今年最後の月曜日。だからと云って特別なことは何もないんですが、、、、。明日は休暇ですので、今日一日と明後日の午前中で仕事はオシマイです。この1年間の成果は何だったんだろう? あと4〜5年で利益の出なくなる商品のディスコンが決まったことかな? ついでに私自身もディスコンすることにしましたけどね(^^; 待ち遠しいなぁ。早く来い来い、退職日(^^;;;




島 秀生氏編・著『ネットの中の詩人たち』
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2005.12.10
東京都新宿区
土曜美術社出版販売刊
1400円+税
 

  <目次>
   扉詩 だいじょうぶ? 1

   雨 音 *
   あおい空  13            朝の図書館 14
   問わず語り  19           音もなく 23
   ポケットの中  28

   桂 浩子
   レンズ  32             ひこばえ 35
   隠れ蓑  38             絶対音感 40
   プラチナの月  43          大好きだった 46

   hisako *
   風花舞う  50            雪  54
   渡し船  56             深 海 60
   足 跡  62

   瀬 未
   コトノハナ  70           ともしび 73
   SOON  76            たのしい唄 78
   すなのしろ  80           かえりみち 83

   TICO
   小さな色  88            長い夜 91
   澄んだ空  94            散 歩 97
   日 昇 100             樹海へ 102

   三浦 志郎 *
   喫 水 106
   時のトリロジー 109         ある日 ふたり 114
   平家物語幻想 118          二つのEVERへ試論 121

   芽 衣
   贈りもの 126            キッチン・ブギ 128
   たそがれ 132            声  135
   新しい携帯電話 139         イ ヴ 143

   まやこ
   制 服 146             さよならの音 150
   枯れた一枚の葉 157         生かせ命 161

   
   ゆきむし 166            海にふる雪 168
   夕焼け 170             墓 参 173
   淡い誓約 176            さいはて 178
   岬 182               わたし 187

   ゆりえ
   シェフレラ 192           失 恋 195
   おとうと 197            おとうちゃんのお弁当 200
   落 葉 202             心模様 205

   ヤマシタ
   石ころ 210             鼓 動 212
   手 紙 215             キャッチボール 218
   遺 書 221             ドライブ 225

   メルト
   Bloody Tears 230    nil existence 232
   崩壊の引き金 234          Smiles slyly 237
   カラオケの隅の席にて 240

   伊藤 浩子 *
   橋の上 244             少 女 246
   骨  254              う そ 257

   藤代 正和
   ゴミ照らす 260           なみだ降る 262
   朝の光 265             とうといいのちを掲げて 268
   雨宿り 273

   
   21年後からのラブレター 280     四歳の君に 282
   小島の独り言 284          いのち うまれ 286
   お前は蝶なのだ 288

   亀は万年
   MY NAME 292         おふくろの味 293
   肉だんご 294            指定席 295
   おめかし 296            SUIKA 297
   ミスター 299            らっきょう 300
   会議まで25分 301

   三浦 志郎 **
   風の痛み 304            トリビュート 307
   うらない 310            迎 撃 312
   MOLTEN GOLD 315

   輝く星座
   ノーマライゼーションタウン 322   角砂糖 324
   父  329              愛犬メリー 332

   ま る
   ありがとう 336           キミからあなた 339
   月夜の下 341            涙  344
   オクルコトバ 346

   桜瀬 えりか
   蝶恋花 350             ニンギョヒメ 353
   歪  355              あるバイトの日 358
   雪 361

   伊藤 浩子 **
   日 々 366             夜 宴 368
   白 夜 370             遠いところ 373
   帰 途 376

   hisako **
   なら燈花会 380           空と雲と風と 383
   冬 日 386             白毫寺にて 388
   苔寺にて 391

   雨 首 **
   ひとしずくの涙 396         小さな夢 398
   小鳥の涙 401            かけら 404
   わたしだけの海 408

   島 秀生
   錆びた自転車 412          かいつぶり 414
   アオサギには 418          猫の街 421
   猫の話 424             消しゴム 426

   あとがき  428



    心模様    ゆりえ

   以前から草花を育てるのが好きで
   ちいさな庭に 四季おりおりの花を咲かせている
   そして その草花と たわいないお喋りをするのが
   わたしの唯一の楽しみであり日課になっている。

   季節は もう初夏
   庭には ベゴニア マリーゴールド ビンカ
   インパーチェンス ペチュニア などの
   可憐な花が 所狭しと咲き乱れている

   その中でも ひときわ目を引くのが
   去年から冬越しさせた ゼラニュームだ
   毎日の水やりや花がら摘みと 適度の追肥は欠かさず
   どんなに手間ひまをかけても かけ過ぎることはない
   そして今 その結晶のように見事な大輪の花を咲かせている。

   うっとりと ゼラニュームに見とれていた視線を
   ふっと 葉のほうに向けると
   そこには一匹の青虫が黙々と葉っぱを食べ続けていた
   命あるものが 生きるための営み
   でも わたしは どうしても許せない気がして
   思わず 葉っぱごとちぎって地面に置いた。

   そして 殺虫剤の原液を一滴 青虫にかけた
   ゆっくりとした動きで 葉っぱを食べ続けていた青虫は
   突然 激しく伸び縮みを繰り返し もんどりを打って仰向けになった
   やがて まったく動かなくなり 青虫の短い一生は終わった
   その哀れな姿を わたしは平然と見下ろしていた。

   わたしは花が好き いとおしくて堪らない
   花の好きな人は優しいと 誰もが言ってくれる
   本当にそうだろうかと自問自答していると
   わたしの中に棲む もうひとりのわたしが クスッと笑った。

   今日も ひとり庭に出て
   「わたしは こんなに花が好き わたしは優しい」と
   独り言をつぶやきながら せっせと花がら摘みをしている。

 兵庫県在住の女性の作品です。俗に虫も殺さぬ≠ネんて言い方をしますが、それはかなり難しいなと改めて思います。「その哀れな姿を」「平然と見下ろ」すことはないにしても、「花の好きな人」や田畑を作っている人は「殺虫剤」のお世話になるはずです。無農薬栽培にしても殺虫剤を使わないだけのことで、虫を殺すことは避けられません。
 作者は狂言回しで「わたしは こんなに花が好き わたしは優しい」と言っていますけど、「命あるものが 生きるための営み」について深い洞察をしていると思います。考えさせられた作品です。




詩誌COAL SACK53号
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2005.12.25
千葉県柏市
コールサック社・鈴木比佐雄氏 発行
500円
 

  <目次>
  [詩]                 からすうり、水明      岩下 夏 40
   中村の夜(一)    大崎二郎 2  迷羊紀           倉田良成 42
   佐久間ダムで     浜田知章 4  海は雨に          岡崎 葉 43
   牛の歴史       小島禄琅 5  笑いながら行く(続)    山本泰生 44
  〈対話詩〉四篇 本多寿/外村京子 6  歌             下村和子 46
   心と脳の関係詩    崔 籠源 10 〈子どものためのおばさんの詩〉
   駅までの道(三) キム・リジャ 12               水崎野里子 47
   泣き女        李 美子 13  水の森           尾内達也 48
   おもちゃ       山本聖子 14 [翻訳]
   国境         加藤 礁 15  非科学的なあとがきを書き終えて    49
   館          佐相憲一 16  ヴァレリー・アファナシエフ 尾内達也訳
   咳き込むうちに  辻元よしふみ 17  船      鳴海英吉 水崎野里子訳 50
   傘、トンボ、冬の挽歌、     18 [釜山、韓国詩特集]
   ぼくのラスコーリニコフ 葛原りょう  釜山詩十篇(2005/9.6-8)       52
   冬の公園I      藤井優子 21  韓日の原故郷を探して   鈴木比佐雄
   何か悲しみが     高田千尋 22  リトルボーイ        高炯烈
   「棒の手」の森    溝口 章 23                韓成禮訳 66
   女三人のモロー詣で  大掛史子 24  韓正媛 詩五篇       韓成禮訳 72
   画廊にて      岡田恵美子 25  兪龍善 詩九篇       韓成禮訳 76
   飛散の果て      山本倫子 26 [エッセイ、書評、詩論]
   爽春に        河野俊一 27  親のかわりはない      淺山泰美 80
   登ってびっくり    吉沢孝史 28  奥重機詩集『囁く鯨』書評 大掛史子  81
   はるかな父      淺山泰美 30  詩における「歌」の復権 水崎野里子  84
   ゆうぐれ       青柳晶子 31 [第二回鳴海英吉研究会全記録]     88
   北限の蝶      星野由美子 32  記念講演 柴田三吉、水崎野里子
   深呼吸        遠藤一夫 33  朗続とスピーチ:岸本マチ子、玉川侑香、
   ルサンチマン     崎村久邦 34  葛原りょう、岩下夏、李美子、尾内達也、
   弔         真田かずこ 35  遠山信男、鈴木文子
   急流        宮田登美子 36  シンポジウム:鳴海英吉の詩と朗読
   百日紅       海埜今日子 37  佐藤文夫、上手宰、本多寿、辻元佳史、原田道子
   はて        平原比呂子 38  [詩論]
   旅の途次で      三尾和子 39  『春と修羅』の誕生(4) 鈴木比佐雄 134



    爽春に    河野俊一

   爽やかな春は
   誰のためにある

   花粉症で
   苦しむ人のために
   花粉のない杉が開発されたという
   爽春
   という名の杉は
   まるで
   花の咲かない薔薇
   卵を産めない鶏
   精子を忘れた夫

   もとより戦後
   資源育成というスローガンのもと
   猫も杓子もつべこべいわず
   右むけ右
   と植えられた杉なのに
   林野庁なるおかみから
   現行品種より爽春へと
   またもや

   昨日
   おかみから開いたはなびらを毟られる薔薇
   を思い
   今日
   おかみから産み出すたびにかち割られる卵
   の夢を見る
   そして
   明日は
   おかみから頭なでられる伝説
   を書き記す俺が
   世界からはみ出る
   爽やかな春風に
   そよがれて

 今号は釜山へジャズバンドを引き連れて日韓文化交流を果たした成果と、第2回鳴海英吉研究会の全記録を載せるという大きな特集が二つ組まれた、いつにも増した見応えのある内容でした。個人詩誌とは思えない充実ぶりで、改めて敬意を表します。
 紹介した作品はその特集と関係ありませんが、現在の日本の問題点を端的に現していると思います。目の前のことしか考えられない(あるいは、目の前のことも考えられない、かもしれませんが)行政の無策。「おかみから開いたはなびらを毟られる薔薇」「おかみから産み出すたびにかち割られる卵」とは良く謂ったものです。さらに私は日本人の体質の変化まで感じてしまいますね。
 その上で重要だと思うのは「おかみから頭なでられる伝説/を書き記す俺」という視点だと思います。これは自嘲でも揶揄でもなく、私たちの本質なのかもしれません。そこまで降りて考えないとこの国の行く末が案じられる、と受け止めました。そのために必要なものにアジアの視点があるでしょう。その意味でも冒頭に戻りますが、日韓文化交流の意義は大きいと感じました。




鈴木比佐雄氏詩論集『詩の降り注ぐ場所――詩的反復力V(1997-2005)
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石炭袋新書(1)
2005.12.25
千葉県柏市
コールサック社
1429円+税
 

  <目次>
   T 場所のエネルギー
   「春の槍」を投げた能村登四郎と福永耕二 10
   詩の換喩的な内在批評が可能か 21
   「鎮魂」の詩史――与謝蕪村の「若さ」と宗左近の「始原」 31
   「四季」の硬質な抒情性 38
   祝子川から隅田川へ 流れ者いた「花束」――延岡市での「卯の花忌」に思う 45
   「光線の屈折」を見た詩人たち 卯の花忌に寄せて――詩人・本多利通を偲ぶ 47
   沈黙と詩的構想力 本多寿韓国語訳詩集に寄せて――韓成禮さんへの手紙 53
   痛みの反復と「場所のエネルギー」――金丸桝一著『詩の魅力/詩への道』 65
   「存在の声を聴く」詩人――金丸桝一の「屈折する怒り」 74
   杉谷昭人――「日だまりの底」に生きる詩人 82
   「永遠の汝」と「原語」を反復する人 韓国語版・本多寿詩集『七つの夜のメモ』解説文 85

   U「山河」「列島」の詩的精神
   他者の本質直観 『浜田知章全詩集』解説文  92
   直情のリアリズム 浜田知章新詩集『梁楷』に零せて 94
   他者の苦悩に寄り添う人 大崎二郎詩集『きみあーゆうあ』に寄せて 97
   『鳴海英吉全詩集』の解説文
   (1)反復の職人−鳴海英吉 100
   (2)『鳴海英吉全詩集』編集ノート 110
   (3)「一字二音・同行二人・生と死」の詩論−鳴海英吉「創作日記(A)」ノートについて 118
   「人間の不屈の魂」を生きた詩人『鳴海英吉全詩集』刊行に寄せて 128
   「捨離」を「反復」する詩的精神 『鳴海英吉全詩集』刊行に寄せて 130
   「列島」・シベリヤ・不受不施派の抵抗精神 鳴海英吉の不屈の詩的精神 137
   戦後詩を後世に残す人…井谷英世さんの武み 戦後詩資料館・浜田知章山人舎文庫の開設 144
   蜻蛉と内在批評 一九九七年現代日本の詩 地域別年間総括――東京 146

   V 戦後詩と内在批評
   l 中桐雅夫と「荒地」の戦争責任 152
   2 福田律郎と「荒地」「列島」 160
   3 「列島」の「思想的ソリダリティ」 171
   4 戦後詩の流星と流民 182
   5 「考える詩人」の想像力と「架空の絶対者」 192
   6 無意識の「衝撃」と「戦争責任」 203
   7 「青い光」と「本当の記憶力」 210
   8 記憶を生きる詩人、「記憶喪失」を恥じない詩人 225
   9 詩論家たちは、どんな時間と対峙しているか 235
      ――福田万里子、佐藤文夫、山田かん、星野徹、佐川亜紀たちの試み
   10 言葉の体温を奪い返す広島の詩人たち 244
      松尾静明、長津功三良、松岡政則たちの試み
   11 北の詩人の「透明なエネルギー」 251
      宮沢賢治、小坂太郎、桜井哲夫、亀谷健樹、村上昭夫たちの光の言葉
   12 詩的言語はいかに世界の危機を問うているか 260
      三谷晃一、柳生じゅん子、韓億沫、みえのふみあき達の批評精神
   13 「野火」という逆説 桃谷容子詩集『野火は神に向って燃える』 269
   14 「大いなる庭で遊ぶ」詩人たち 277              手
      金丸桝一、倉田良成、三尾和子たちの「世を辞するときのことば」

   W 詩的現場の透視力
   〈擬父)の眼差し 288
   十薬
(ドクタミ)と仮想現実−片岡文雄の現在 292
   自他の生を結合させる詩人 『くぎをぬいている』山本衞詩集に寄せて 298
   詩的精神としての「遠方凝視」――川島洋詩集『逃げ水』に寄せて 301
   「最後の問い」を秘めた京都の詩人――淺山泰実の詩的世界 304
   夢の「開かれた魅惑」 宮田登美子第五詩集『失われた風景』に寄せて 308
   「落日」の透視力 新・日本現代詩文庫1『中原道夫詩集』に寄せて 311
   古老の眼差しと近親憎悪 山本十四尾詩集『雷道』に寄せて 313
   逆境を相殺する詩的精神 山本倫子新詩集『落花相殺』に寄せて 316
   駄農
(だの)の匂いと風の音を詩語に込める人 堀田孝一詩集『匂(にお)う土(どろ)』に寄せて 318
   追悼 大籠康敬
(おおこもりやすたか)さん 夷隅川の詩人へ 320
   凍る兵士に命を吹きかける人 高野未明さんを偲んで 322
   始原への問い、9条への創造力 二〇〇四年現代日本の詩 地域別年間総括――関東 325

   V 詩の降り注ぐ場所
   国境を越えた風の対話 柴田三吉と韓成禮の詩集に寄せて 330
   「虚しさ」からなぜ詩は生まれるのか 337
    ――申東曄、高炯烈、崔龍源、松岡政則たちに流れる「混沌」とした詩的精神
   「ムクゲの勁さ」と「サランという未来」へ 347
   在日の詩人・李美子と崔龍源の遥かな場所
   「崩れおちた頬を」さする詩人 在日の詩人・趙南哲の原爆詩 351
   星畑の釜山から 「韓日架橋李秀賢4周忌追悼追慕公演」に招かれて 355
   走れモーツァルト 田中正敏氏のクラリネット協奏曲を聴いて 357
   韓日の「原故郷」を探して 360



    批評という言葉は誤解され続けているように思われる。詩を
   批評するということがどこか高みから詩をあげつらうといった
   イメージを持たれているのではないか。それは批評が時評的な
   相対化された視点や表層的な気分で論じられることへの実作者
   からの反発であったろう。その危険を避けるためには批評する
   ものは詩の現揚から超越すべきではなく、少なくとも詩作する
   ことを他の芸術活動と同様に職人的な現場であると認識し、そ
   れへの畏敬の念を感じなければ、批評することの前提が不可能
   であることは間違いない。

 本著はサブタイトルでも判りますように「
1997-2005」に書かれた詩論の集大成です。著者の個人誌『COAL SACK』を中心に『詩と思想』、『詩学』、『西日本新聞』に投稿したものや詩集の栞文として書かれた詩論・詩人論で、詩をいかに深く読むかという点で教えられることが多くありました。

 紹介した文は「V 戦後詩と内在批評」の中の「12 詩的言語はいかに世界の危機を問うているか/三谷晃一、柳生じゅん子、韓億沫、みえのふみあき達の批評精神」にあったものです。こういう風に拙HPで紹介したい部分が多々ありましたが、その一節だけを抜き出してみました。本著の中で私が最も気に入っている一節です。「詩を/批評するということがどこか高みから詩をあげつらうといった/イメージを持たれているのではないか」という危惧は私も常々感じていることですから、「詩の現揚から超越すべきではな」いという言葉に救われた思いをしています。もっとも、拙HPでの評≠ヘ評などと呼べる代物ではなく、底の浅い読書感想文に過ぎませんけど、なかには批評と間違う人もいらっしゃるので気にはしています。そんな気になる程度のことでも、やはり「詩の現揚から超越すべきではな」いのだなとつくづく思います。

 この9年ほどに書かれた詩論が370頁を越える本になりました。その分量に圧倒されますが、視点がブレていないことに感心しています。10年近くの歳月が流れれば多少のブレは止むを得ないと思うのですけど、そうなっていないことに著者の高邁な姿勢を感じます。詩を真面目にキチンと捉えたいと考えている人には絶好の著作です。学ぶことの多い、詩論集としては2005年収穫の一冊です。




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