きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり
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満天星 2005.1.8 自宅庭にて

 


2006.2.24(金)

 金曜呑み会は、昔の職場の仲間が集まって、むかし会社にいた人がやっている店に行って呑みました。昔むかしの話だなぁ、こりゃあ(^^;
 その店の女主人も昔は詩を書いていた仲間です。会社に詩のサークルがあったんですが、20年ほど前に解散して、それを機に書かなくなっていました。当時20人ほどいた仲間はみんな書かなくなって、いまだに書いているのは私を含めて二人だけ。横浜詩人会賞を受賞した女性詩人もいたんですけどね、結婚を機にやめてしまいました。ま、それだけ幸福になったということでしょう。いつまでも不幸なのは残された二人だけかもしれません…。
 宴会の席なんでカメラを持って行ったんですけど、なぜか撮りませんでした。呑む方に夢中になったかな? 地元足柄の「丹沢山」と新潟の「八海山」を呑んでオシマイ。女性二人を含めた6人だけの小宴会も、私が4月末で退職したら終わりになるでしょう。そう思うと感慨もひとしおの夜でした。



季刊詩誌新・現代詩20号
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2006.3.1 横浜市港南区 出海渓也氏発行 850円

<目次> 表紙絵「列島暗雲」=出海渓也  表紙デザイン=佐藤俊男
《特集》「夜の会」から『列島』への流れ
評論 前衛芸術集団「夜の会」と戦後詩 中村不二夫…6
   対立と統一をはらんで…出海渓也…12
   『列島』再読 中川敏…16
   『列島』が出ていたころ 金子秀夫…20
「731部隊」の跡 御庄博実…56
メール対談 詩に何を求めるか 細野豊/宗美津子 …51

《詩作品T》
横田英子 きさらぎの月 …23        ゆきなかすみお はねあがる …23
矢口以文 浮かれ騒ぐアメリカ …24     若松丈太郎 記憶を飛ばす …25
出海渓也 蟹と海月 …26          榎田弘二 御堂筋 …27
おだじろう 隣のベッドの男 …28      新井翠翹 森林公園 …30
紀ノ国屋千 ゆうひの むこう …31     木村淳子 いもうとは 月 …32
草倉哲夫 墓地にて …33          工藤富貴子 灰色の初夢 …34
黒川 純 炎の鏡 …35           黒羽英二 道譲る子鴉に …36
轟 俊 八月のコロセウム …37       小林小夜子 三七七三は・五十五歳 …38
鏡 たね 水のかたち エスキス …39    片岡美沙保 一音(いちおん) …40
川原よしひさ 執刀 …41          川端 進 春蘭 …42
川端律子 香りただよう人 …44       川村慶子 魔女の怨歌 …45
直原弘道 何の兆候か …46         斉藤宣廣 茫茫 …47
斎藤彰吾 雪の中の進行形 …48       相良蒼生夫 接点 …49
佐藤文生 月/夜の光 …50

《詩作品U》
千葉 龍 末世の戌年記 …68        津坂治男 ハメルンじゃない …69
津金 充 スポーツ …70          富永たか子 カレードスコープ …72
武西良和 子猫の夢 …73          野口忠男 冬の殺戮 …74
西村啓子 耳をすませて …76        永井ますみ 月を釣る …77
中原茶津菜 スピーチ …78         中川 敏 茨と薔薇・博物誌(八) …79
中山直子 ハンバーガーの悲しみ …80    南條世子 侵蝕 …81
福中都生子 三歳の写真 …82        藤 寿々夢 雪 …83
藤森重紀 嵩里 …84            細野 豊 神風を探しに …85
働 浮 「首吊り死体を奪い合う骸骨たち」…86 羽田敬二 弧状列島 …87
濱本久子 タージ・マハルの烏 …88     三雲わたる 青の時間 …89
三宅遠子 食卓 …90            丸本明子 潰れる …91

《詩作品V》
水崎野里子[対訳・五行連詩]アルゼンチンにて …103
松本恭輔 「団長さん」と一団員のそぞろ歩きバラード …104
マルヤマ・トシロウ インカーネイション …105
しま・ようこ 鏡 …106

ブログによる詩画集『杉の木寓話』 中川 敏 …92
■現代詩時評 自由の裂け目で 相良蒼生夫…60/社会時評 自己責任と自己規制 若松丈太郎…61
■エッセイ 西岡光秋『触発の点景』について 松山妙子…60/残虐な良心 篠塚達徳…103
■書評 芳賀章内詩集 藤森重紀…62/中原道夫詩集 川端進…62
 木津川昭夫詩論・エツセー集 水崎野里子…63/中原茶津奈詩集 斉藤彰吾…63
 金敷善由詩集 富永たか子…64/原田克子詩集 西村啓子…64
 暮尾淳 詩+俳句+エッセイ集 松本恭輔…65/水崎野里子詩集 福田美鈴…65
 西村啓子詩集 山本聖子…66/詩人集団「D」記念集 川原よしひさ…66
■詩誌を読む 工藤富貴子…96/受贈詩誌・詩書…99
■第19号合評会記 水崎野里子…67/総会及び第20号合評会あんない…107
■扉…5/表紙のことば……107
■編集後記……108



 浮かれ騒ぐアメリカ/矢口以文

 「誰も神と富とに兼ね仕えることはできないと言ったイエス
 が間違っていることを、アメリカが証明しようとしている」。
 ウィリアム・リース・モッグ(The Daily Yomiuri, April 5, 2005)。

 「私たちは丘の上の町にならなければいけない。世界の人々
 がみんな見ている」。一七世紀米国ピューリタンの指導者
 ジョン・ウィンスロップ。

アメリカは
キリストの「あなたがたは、
神と富とに兼ね仕えることはできない」が
間違いであることを
証明しようとしている

アメリカは
キリストの「敵を愛し、
憎む者に親切にせよ」を無視しても
神の恵みが
ふんだんにもらえることを
証明しようとしている

アメリカは
キリストの「剣を取る者はみな、
剣で滅びる」の間違いを
証明しようとしている
大きな戦争をやればやるほど
神の恵みが大きくなることを
証明しようとしている

マンモスアメリカが 丘の上で
片手に武器を
もうひとつの手には富を抱えこんで
キリストの教えはみんな
間違っていることを
見事に証明しようと
巨大な蛾のように 街灯の中で
浮かれ騒いでいるのが
世界のみんなによく見える

 「アメリカ」に対するこういう見方もあったのかと感心しました。キリストが「剣を取る者はみな、/剣で滅びる」ぐらいは知っていましたが、不勉強なので「あなたがたは、/神と富とに兼ね仕えることはできない」と言っていたことまでは知りませんでした。聖書をちゃんと読んでいれば出てくる言葉なんでしょうが、本箱の奥で眠ったままです。
 キリストの言葉との乖離を詩にする試みは意外となされていないんじゃないでしょうか。声高に叫ぶのではない佳い視点で、詩作上の着眼点を教えられた作品です。



個人文芸誌『一軒家』11号
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2006.3.1 香川県木田郡三木町
丸山全友氏発行 非売品

<目次>
お客様の作品
昔話 雪形兎の話/丹治計二 1
随筆
足痛初体験/柳川敏太郎 4         私の手/中井久子 5
友の友情に感謝/伊東美好 6        串柿/宮脇欣子 7
焚き火/池田みち 7            絶望と光明/平井賢一 9

いつかはきっと/内藤ヒロ 10        ああ、故郷の土となりて/高崎一郎 10
小さきもの/山上草花 11          夜の祈り/宇賀谷妙 12
花の精/戸田厚子 12            初夏/能登金作 12
消せない残像/吉村悟一 13         寝汗の時/小山智子 13
第二最上川橋梁/星 清彦 13        歌が好き/森ミズエ 15
富士/上田哲司 15             安らかなる心に/友里ゆり 15
笑顔/大山久子 16             一片の布/筒井ひろ子 16
花セラピスト/深野久江 16         さようならお母さん/尾崎紀子 17
寒もちつき/小島寿美子 17         まわり道/田島伸夫 17
冬の日に/沢野 啓 18           神に怒りを/栗和 実 18
冬は/宮本 光 19             ふうしゃ/成見歳広 19
俗名片々/江田重信 19           花と少年と/佐藤暁美 20
童話 昔のお医者さん/星野歌子 20
俳句 徳増育男 21             花盗人/草 花 22
雑詠 藤島政晴 22
短歌 春の雨 能登金作 22
岡本照さん一周忌
詩  やはり父娘/岡本 照 23       塩あん餅/岡本 照 23

家人(全友)の作品
短編小説 曾孫/丸山全友 23

立春の朝/丸山全友 27           三寒四温/丸山全友 28
声/丸山全友 28              草抜き/丸山全友 28
三月三日/丸山全友 28           戯れ/丸山全友 28
雑文 『おたい』/丸山全友 29
後書き/丸山全友 32



 戯れ/丸山全友

亡くなった祖父が植えた
満開に咲き誇る椿で
目白が一羽
春の陽を浴びて戯れている

花から花へ飛び回る度に
花が一つ二つ…と
まだ美しいままに落ちていく

それでも優しく
目白を見上げている花は
子どものころ花を取っても
笑いながら見上げている祖父の目に
似ている

 世間では黙認されているらしい花盗人も時と場合によると思っていますが、「目白」にはさすがに罪はありませんね。それを知って「目白を見上げている花」も「優しく」見ているのでしょう。その椿の目が「子どものころ花を取っても/笑いながら見上げている祖父の目に/似ている」とするところは秀逸だと思います。心あたたまる作品です。



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