きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり
050222.JPG
2005.2.22 新幹線富士川鉄橋より




2006.3.22(水)


 本日、後任者が公示されました!
 私はこの4月末で早期退職することになって後任者はすでに内定していましたが、人事のことですから今日まで公表されていませんでした。それが解禁になったという次第です。私も後任者もお互いに知っていましたけど公にできないでいたわけです。それが解禁! うれしいです。これでおおっぴらに仕事を押し付けられる(^^;
 しかし喜んでばかりではいられません。本来なら2〜3ヵ月かかるところを1ヵ月ほどで引き継ごうというのですから、けっこう必死になるでしょう。ま、それでも退職できるという喜びに比べたら小さい、小さい。彼は大変でしょうけど、これも経営陣の決めたことで私に責任はありません。がんばって早く覚えてもらうしかないでしょうね。…士気の低下は心配ですが、それも私の関与するところではないなぁ。



詩誌『やまどり』38号
yamadori 38.JPG
2006.3.17 神奈川県伊勢原市
丹沢大山詩の会発行 非売品

<目次>
詩の十年/岡本湧水 1           冬の足音/大橋ヒメ 2
祝婚歌/古郡陽一 2            二〇〇六年 雪/瀬戸恵津子 3
光は…/Takako 3          無題/西部周子 4
夢・転落/芝山ISAO 4         是として/麻生任子 5
太陽をお日様とよぶだけで・朝・道・昨日の自分にさよならをして/心 5
食の幸・瞬間/ゆき 6           畑の情景/早川綾香 6
野に咲く花/今井公絵 7          老来ほおほけきょ/川堺としあき 7
ギブス/松本せつ 7            「表札」/高林千恵 8
朝のウォーキング/きらら 8        求婚者・嫁ぐ娘に/小倉克允 9
イナバウアー・秋に行く・別な時間/吉田涼子 10 絵文字/照山秀雄 11
残酷物語・新しい一年生/山口良子 12    生命の色/上村邦子 12
冬枯れの公園で/神谷禧子 13        タラの丘/岡本昌司 13
生命の色/川口征廣 13           ギンヤンマ・小鳥/中平土天 14
茨木のり子さんの死を悼む/古郡陽一 15   好きな詩/中平 16
編集後記/瀬戸 16



 残酷物語/山口良子

五月のある暑い日
はえがうるさいので
はえとりリボンを吊るした
むやみに止められない
数匹が止まり羽をばたばたさせていた
そのうちジーチージーチーと鳴き出した
 そこへ五年生の姪が帰って来た
 “此のはえどうなるの ”
 “いずれ死ぬだろう‥‥‥よ ”
 “まあー残酷物語 ”?‥‥‥‥”
 “あたし達まだ学校で死ぬと
  言う事教わらないのよ ”

 往々にして子供の言葉というものはドキリとさせられることが多いものですが、この作品もそれを見事に表現していると思います。「はえ」にさえ「まあー残酷物語」と言う純粋さを感じますけど、それ以上に「あたし達まだ学校で死ぬと/言う事教わらないのよ」という言葉には驚かされます。死ぬということを教えてもらえると思っているらしいことは愛嬌としても、死についての教育はやった方が良いかもしれませんね。小品ながら考えさせられた作品です。



詩誌『ひを』6号
hiwo 6.JPG
2006.3 大阪市北区
三室翔氏発行 286円+税

<目次>
三室 翔/鳥についてI「通底」 2      まざりあう住人のU 4
古藤俊子/花の迷路 6           光線 9
小西民子/ねむい空I 10          ねむい空U 12
萩美智子/暮れる 14            ミシガン紀行 16
後記 20



 ねむい空 U/小西民子

青い空が
 とつぜんずれて

一篇の詩も
 書かない日がつづいた

飛行機雲は
 どこまでもまっすぐ

延びつづけて
 いるだろうか

うすい闇の底へ

奈良ホテルでは
 セクシーポーズ

ダブルにする?
 セミダブルがいい

からまって
 いたいから

 「青い空が/とつぜんずれ」るという表現が佳いですね。これには眼を覚まされる思いですが、実はこれも「ねむい」ことの表現なのだと気付きました。眠くて、頭がガクッと下がる状態をイメージしました。「うすい闇の底へ」も眠さを表していると思います。
 「奈良ホテルでは」以降はちょっとナマな感じがしますけど、これも眠さと関連していると読みました。一度だけ泊まったことのある「奈良ホテル」を思い出しながら拝読した作品です。



個人詩誌Quake18号
quake 18.JPG
2006.3.25 川崎市麻生区
奥野祐子氏発行 非売品

<目次>
人柱 一       「ハイエナ」であること 六
愛 九        ブルースを洗う



 「ハイエナ」であること

ハイエナは
自分が ハイエナであることが許せない
この毛むくじゃらの貧相な四肢
ライオンのように りりしいたてがみもなく
タカのように おおしい翼もない
誰かが殺した 得体の知れぬけだものの死骸
腐りかけた死肉ばかりを こそこそとあさる日々
いつも 人目ばかりを気にかけ
おどおど きょときょとと
抜け目なく動く この自分の目が
きらいだった
憎かった
いっそ 死んでしまいたかった
生まれ変わるために
それでも
ハイエナは
自らの毛皮を脱ぐことなく
ライオンやタカに 生まれ変わることもなく
一日一日 仕方なく
日々を重ねる
あるときは あまりの空腹に耐えかねて
他人の目など かまうのも忘れ
むっと鼻をつく腐肉にむしゃぶりついた
飢えに苦しみ
歩き疲れて 眠り
獲物をめぐる争いに傷ついたとき
無我夢中で 敵から逃れて隠れていたとき
ハイエナは
ハイエナらしく生きていた
健やかに 屈託のない瞳で 時を過ごした
ハイエナは まだ
身分が ハイエナであることが許せない
だけど
ハイエナとして生きてゆく
腐りかけた死肉を 懸命にむさぼって
心に小さな痛みをかかえ
ライオンやタカへの羨望をひきずりながらも
ハイエナとして 歩を進める
雪がしんしんと降り積もる平原
こぼれそうな満月の夜
うつくしい足跡の刻印を残しながら
死肉のよこたわる 森に向かって
今夜も
ひっそりと 歩いてゆく

 「ハイエナ」とはオレのことなんだなと思いました。「ライオンのように」「タカのように」人生に成功した人の後を追い、彼らの残した「腐りかけた死肉ばかりを こそこそとあさる日々」。「いつも 人目ばかりを気にかけ/おどおど きょときょと」過ごす。
 もちろん作者の意図もそこにあるのでしょうが、あまりにもぴったりと当てはまる比喩なので、思わず日々の行動を思い描いてしまいました。しかし「ハイエナとして生きてゆく」しか「仕方な」いのです。せめてもの救いは「うつくしい足跡の刻印を残し」と書かれたことでしょうか。その言葉を支えに「今夜も/ひっそりと 歩いてゆく」しかないのだなと思いました。



   back(3月の部屋へ戻る)

   
home