きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり 】 |
2006.5.29 さいたま・見沼たんぼ「見沼自然公園」にて |
2006.6.2(金)
銀行に行って健康保険料を納付してきました。サラリーマンだった頃は給料天引きでしたから意識していなかったのですが、結構高額なんですね。病院にかかることがなければ、こんな大金を!と思うかもしれません。私は幸い(?)数年に一度くらいは病院のお世話になっていますからそうでもないんですけど、病気なんかしたことがないという人はどういう気持なんだろうなと思ってしまいました。ま、そういう人は少ないでしょうけど。退職して1ヵ月、宮仕えでは判らなかったものが少しずつ見えてきています。
○会報『中四国詩人会ニューズレター』17号 |
2006.5.31
徳島県阿南市 宮田小夜子氏事務局 会長・扶川茂氏 発行 非売品 |
<目次>
中四国詩人会第12回理事会予告 1
大会などの予告/応募/受賞 1
消息/記録 2
受贈詩集等/受贈詩誌等 2〜4
日本詩人クラブ関係では6月10日の関西大会を予告していただきました。ありがとうございます。また消息欄で山本衞氏からの頼りとして、高知の日本詩人クラブ会員12名が宿毛市で研修会を行ったとあり、会員の皆さまが各地域で活発に活動なさっていることが判りました。理事会の一員としてお礼申し上げます。
○詩誌『衣』8号 |
2006.5.20 栃木県下都賀郡壬生町 森田海径子氏方「衣」の会 山本十四尾氏発行 700円 |
<目次> いしおろし
ディオールよりも 石 下 典 子 2
レプリカワールド 金屋敷 文 代 3
闇にさす おしだ としこ 4
貼り紙 豊 福 みどり 5
菜種梅雨 葛 原 りよう 6
詩人 四 宮 弘 子 7
砂 大 磯 瑞 己 8
無月 その一 岡山晴彦(はるよし)9
冬の空の下で 山 田 篤 朗 10
無人駅 江 口 智 代 11
早春 上 原 季 絵 12
水のように 桂 木 沙江子 13
開花U 相 場 栄 子 14
花の季節 大 原 勝 人 15
廃屋 小 森 利 子 18
加減 森田海径子(かつこ)17
袋耳 籠耳 山 本 十四尾 18
同人近況 19〜20
後記 21
住所録 22
加減/森田海径子
日暮れて お豆腐売りのおじさんが ラッパの音色を響かせ
るころ 夕げの仕度に取り掛かる
お米は素早く研いで 水加減はいつもの通り 十五分ほど寝
かせたなら 赤子泣いても蓋とるな と口ずさみながら 釜
戸に薪を焼べ火加減をする 炊き上がったご飯には 蟹穴が
できて 美味しさが溢れていた
湯加減はいかが そんな言葉を交わしつつ 風呂釜の残火を
消さないようにする 湯舟から一日の疲れが流れ出 心底ま
で温もっていった
こめかみ
蟀谷からギギギーッ 木戸の揺れるような音 身体を横たえ
眼を閉じる あの時の水加減 火加減のように あなたへの
心加減が出来たらと 繰り返す浅い眠りのなかで 胸奥に潜
む精神の箍(たが)を視つめている
最初にお詫びを。「こめかみ」は原文では虫偏に卒と谷になっていました。私のパソコンでは虫偏に卒がサポートされていませんでした。辞書で調べたら「蟀谷」も同じ意味でしたのでこれを使わせてもらいました。また箍のルビも原文通りには表現できませんので( )に入れさせてもらっています。
作品は「水加減」「湯加減」「火加減」から上手く「心加減」へ繋げていると思います。「繰り返す浅い眠り」が生きています。実はもうひとつ「蟹穴」という言葉が気に入っています。「炊き上がったご飯」に出来るポツポツとした穴のことを謂っていますが、浅学にして一般的な言葉なのかどうかは判りません。手持ちの辞書には出ていませんでした。作者の造語だったとしたら、これは凄いですね。良く言い表していると思います。「加減」という言葉にしろ、作者の言語感覚の鋭さが表出した作品だと思いました。
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