きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり
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2006.7.7 クリスタルボウル(「アリキアの街」にて)



2006.9.30(土)

 新しい拙詩集の作品数が少なすぎるので、あと2〜3編増やすようにと言われています。〆切りは今日まで。いろいろ書いてはみたんですが、どうも腑に落ちません。自分でも納得できないものを皆さまにお見せするわけにはいきません。足りない分はあとがきで増やそうという姑息な手段を考えています。見開き2頁だったあとがきをズルズルと増やして、何とか帳尻が合わないものかと苦心惨憺。詩作品よりあとがきの方が長い(^^; ま、そこまでは行きませんけど長いあとがきが仕上がりました。このHPアップ後に編集部へ送信します。年内に発刊できるかなあ? 来年になっても構いませんよと伝えていますから、ことによったら来年かもしれません。



浜名節子氏詩集『静かな線』
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2006.11.1 東京都目黒区
あざみ書房刊 1500円+税

<目次>
虹に 12       静かな絵 14
失意 16       波 20
スケッチ 23     祈る 24
花のこと 26     季節 28
稲妻 30       風の影 32
涙 35        雨 36
昇る 38       日曜日 39
やはり小さく消えるのだろう 40
二日だけの太陽 42  哀 44
設問 46       昨日今日明日 50
編集作業 52     紅色の橋 56
夕暮れ 60      伝言 62
行きつ戻りつ 66   春 70
具象 72       まだ 74
あとがきに代えて 78
  協力者 殿岡秀秋
装画・装幀 藤富保男



 虹に

止まることのない
広い虚しさの中で
静かな線を一本描く
地平線にしようか
水平線にしようか
大地に真っ逆さまに落下する
垂直な線がよいか

一本の許された線を手に
さらに悩み
上昇する小鳥のための道標にするか
迷う

それから
あまり淋しすぎるので
空と地と海に広がった
弓形の線を描くことにした

 9月最後は第1詩集の紹介です。ご出版おめでとうございます。
 ここでは巻頭作品を紹介してみました。詩集のタイトルポエム「静かな線」という作品はありません。この巻頭作品の第1連第3行目から採っていると思います。なかなか粋な詩集タイトルの付け方と云えましょう。
 この作品の読み方はいろいろありましょうが、「静かな線」=「一本の許された線」であることがポイントだと思われます。それを人生と置いても良いし、意志と考えても良いかもしれません。それらは「淋し」いものですけど、そこに「弓形の線を描くこと」=「虹」が詩であり芸術であると私は採っています。平明な言葉の奥に深い思想、詩想が感じられる作品です。
 今後のご活躍を祈念しています。



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