きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり 】 |
2006.10.22 山梨県立美術館 |
2006.11.1(水)
拙宅が出来た10数年前から回転式のTV台を欲しいと思っていました。TVを観る時間はそれほど多くないので、普段は引っ込んでいてもらいたい、観たいときだけちょっと身を翻して出て来る、そんな回転TV台です。それから苦節10数年(^^; 世の中には私の希望する台はない、と結論付けました。家具屋さんにも無いし、ネットで検索してもダメだと判りました。ならば自分で作るしかありません。
という訳で、今日はとりあえず図面引きをやっておきました。これから時間を見て材料を集め、電動丸ノコも買っておこうと思っています。前回、文庫専用本箱を自作したときは家族から夏休みの宿題≠ニ笑われましたけど、今度は冬休みの宿題≠ニ言われるかな(^^;
○清ア進一氏詩集 『新撰組になればよかった』 |
2002.6.30 東京都杉並区 本の森刊 880円+税 |
<目次>
新選組になればよかった/6
【人間の時】
魔法くんを知りませんか/10 春の光/13
ウルトラマンだった頃/15 風の記憶/20
ひなまつりの日に/23 赤い月の夜/26
春の星/28 星夜のひと幕/31
ゼロが飛んだ、夏。/33 人間の時/35
月葬/37 公園/39
文鳥のコロスケ/41 せいしゅんの永久欠番/43
アハハのハ/46 サトコちゃんの犯罪/48
夜桜/51 蒸発/56
鉄ノ墓標/58 寂光/60
真夜中のノック/62
【命のかたち】(産経新聞「朝の詩」'98〜'02掲載作品より抜粋)
父/66 ちいさな革命/68
緑の風が吹く頃/70 蝉/72
星畑/74 雨/76
夢/78 夏の光/80
遠い空の下/82 少年の時/84
冬の星座/86 米原あたりで/88
なつみに/90 命のかたち/92
新選組になればよかった
生まれてくる時代を間違えた
新選組になりたかった
歳さんたちと生きたかった
詩人にさえなれないぼくは
つねづね思っている
どうせ生きるなら
幕末がよかった
“誠”の旗などを掲げまして
竜馬なんぞもたたき斬り
京の町を
わがもの顔でのし歩く
古き奴らとよばれつつ
剣ひとすじに生きまして
大義の二字に
花と散りゆく………
おお!新選組よ!
ぼくの命が燃えたぎる
わが青春の果てなき夢あこがれ
こんな話を君にしてみても
十九の君は
傾く夕陽を見つめたままで
いつものことと笑うだけで
何もこたえてはくれないね
そんな君に逢えたから
現代(いま)に生まれてよかったなどと
不意に思ってみたりする
それでも ぼくは
新選組になりたかった
歳さんたちと生きたかった
紹介したのはタイトルポエムで、かつ序詩の位置づけです。「新選組になりたかった」、あるいは逆に「竜馬」になりたかったなどとは、男の子だったら一度は思うことなのかもしれません。それに終始しないで「そんな君に逢えたから/現代に生まれてよかったなどと/不意に思ってみたりする」ことを書いているのがこの作品のポイントだと思います。夢は夢、現実は現実、しかも好ましい現実と受け止めていて好感を持ちます。「それでも」やっぱり「新選組になりたかった/歳さんたちと生きたかった」とは、男の性なんでしょうね。
○中正敏氏詩集『サリパの灯』 |
2006.11.3 東京都豊島区 詩人会議出版刊 2000円 |
<目次>
序 7
T
元旦 10 耐える 12
縊死 16 出棺 18
一炊 20 祈祷 22
湯灌 24 人でさえあれば 26
薄暮 28 至福 30
湯水 32
U
掌篇・5 36 歩く 36
竹槍 37 狂い水 38
蝿め 39 三年 40
蝶番 42 狂気 44
けもの道 46 時の崖 48
狐猿 50 否(ノン)の石 54
障壁 56 ロシアン・ルーレット 58
V
接ぎ木 62 春楡 66
耳 68 森 70
旗 72 髑髏とマジック 74
雲のした 76 うつつの髭 78
辺野古 82 春の汀 84
象の輪 86 巣箱 88
川向こう 90
あとがき 93
表紙装画 井出則雄 写真 著者
旗
リードといわれる紐にくくられた犬が
流行(はやり)のように街に溢れている
紐でリードしているはずの人が
くくられた犬に引っ張られている
尾を垂れ地を這う種類はいろいろ
足の短いのや狆(チン)や雑種
ヒトラー好みのシェパードもいて
呼ばれる愛称は ポチ
U・S・A愛犬クラブから
グローバル賞をさずかった証に
星や血のまんだらの布を腹に巻いている
ショウ・ザ・フラッグの旗を首にぶらさげ
紐で繋がった獅子が神詣でにでかける
鳥居の上で白い鳩がそっぽを向いていても
「ヒトラー好みのシェパードも」「呼ばれる愛称は ポチ」と云うのは何とも可笑しみを増しますが、後半で、そう単純な詩ではないと気付かされます。星条旗を「星や血のまんだらの布」と見るのは、あの国の歴史を思い出せば納得できます。それに「紐で繋がった獅子」はつい先日退陣しましたけど、後継者は「神詣でにでかける」かどうかは言わないというペテン師。この国はいつまで「白い鳩」に「そっぽを向」かれてしまうのかと考えさせられた作品です。
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