きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり
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2006.11.09 表参道「Gallery Concept21」




2007.1.17(水)


 阪神淡路大震災12周年記念日。犠牲になった方々のご冥福を改めてお祈りいたします。
 今日はもうひとつ、拙HPの開設記念日です。丸8年になりました。恒例によってこの8年にいただいた本の数量を載せてみます。

   詩集等   詩誌等   合計 
 1999年  122  205  327 
2000年  152  271  423 
2001年  179  313  492 
2002年  196  378  574 
2003年  168  438  606 
2004年  155  462  617 
 2005年 245  530  775 
 2006年    260    594   854
 2007年    10    40   50
合計  1487  3231  4718 

 毎年思うことですが、すごい量ですね。仮に1冊1,000円としても4,718,000円! 送料を考えたら500万円を下らない投資をいただいたわけです。もちろんそれは頒価ベースでのことで、実際の費用は2倍になるかもしれませんね。それに見合うお返しを私がやっているかと言うと、はなはだ心もとない気がしますけど、まあ、あと2年はこのスタイルを続けたいと思っています。10年経ったら、何か別の方法で皆様にお返しできないか、今から考えておきます。今後ともよろしくお願いいたします。



吉村伊紅美氏英語ハイク句集『象の目』
elephant's eyes.JPG
2007.1.5 京都市東山区 レインボープレス刊 非売品

<目次>
Spring
Summer
Autumn
Winter



like elephant’s eyes
spring moon
heals my sorrow
 (Simply Haiku 2007)

 春の月悲しみを癒す象に似て
 haru no tsuki kanashimi wo iyasu za ni nite


a runner wearing
red shirt going through
the cloudy sky

 赤シャツのランナー抜けていく曇天
 akashatsu no ranna nukete iku donten


sounds of autumn
rolling about
at terminal station

 秋の音転がっている始発駅
 aki no oto korogatte iru shihatsueki


each seventeen−year boy
goes out his birthplace
always winter day

 家を出る十七歳はいつも冬
 ie wo deru junanasai wa itsumo fuyu

 俳句を英語と日本語で併記した好著です。英語も俳句も素養のない私には読みこなせていないかもしれませんが、春夏秋冬から一首ずつを紹介してみました。春の句からタイトルを採っていると思います。( )は初出でしょう。夏の句は「赤シャツ」と「曇天」の色彩感覚、秋の句は音が「転がっている」という表現が面白いと思いました。冬の句は「
birthplace」に注目しました。日本語の「家」にもその意味は含まれますけど、英語だとはっきりしているんですね。「十七歳」は日本の感覚では18歳かなと思いますけど、英語圏では17歳で卒業なのかもしれません。「goes out」するときは「いつも冬」というのは、日本の初春、英米の晩秋に相当するのかなと読み取りました。なおローマ字の「junanasai」の「u」の頭には「^」が付いています。表現できないので省いてあります。ご了承ください。
 英語で俳句や短歌を作る人も最近は増えているようです。参考になる1冊だと思います。

 余談ですが、高校のときに使っていた英和辞典を引きながら知らない単語を当たっていたのですけど、ほとんどに下線が引いてありました。完全に忘れているんですね(^^; ちょっと英語を勉強しなければいけない事情があって、これ幸いと使わせてもらいました。以前、工業英語の翻訳を多少やりましたけど、辞書にない言葉がいっぱい出てきて往生しました。それに比べると40年前の高校の辞書で充分です。にも関わらず覚えていないとは…。自分の頭の悪さはさておいて、日本の英語教育って何だったんだろうなと考えてしまいました。



個人詩誌『玉鬘』39号
tamakazura 39.JPG
2007.1.20 愛知県知多郡東浦町
横尾湖衣氏発行 非売品

<目次>
◆詩
「日本人であることを忘れかけている日本人」
「小熊」
「美しく優しく そして何気ない手紙」
「和蝋燭」
「哀歌」
◆御礼*御寄贈誌・図書一覧
◆あとがき



 哀歌

小さいころ
大人がなぜか
哀しく見えた

ひいじいちゃんに
おじいちゃんに
おとうさんに
年齢があることなんか
しらなかった

あれは
四歳の時だっただろうか
ひいじいちゃんが
何かうわごとを言って
動かなくなった
そしていつの間にか
姿を消した

きっとその時
知ったのだろう何となく

大人はみんな
やがて自分にも
訪れることを知っている

だから
哀しく見えたのだろうか

ふと鏡に映った自分の姿にも
やはり翳りがある

 「年齢があることなんか/しらなかった」というフレーズが佳いですね。親に教わって「何歳?」と聞かれたらフタツとかミッツとか答えていましたけど、実際は何も知らなかったのだなと、このフレーズは思い起させてくれます。「大人がなぜか/哀しく見えた」という作者の感性は、そのまま詩人として生まれたことの証のように思います。「鏡に映った自分の姿にも/やはり翳りがある」と見る視線にも、この詩人が詩を書かざるをえない必然性を感じました。



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