きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり
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2006.11.09 表参道「Gallery Concept21」




2007.1.27(土)


 午後から西さがみ文芸展にちょっと顔を出して、そのあとは御殿場に向かいました。高校のクラス会です。ヘンな連中で、毎年クラス会が開かれています。53人もいるクラスメートの中で集まるのは毎年10人前後ですが、今回は12人。遠く仙台からも来る奴がいて、本当、ヘンな連中です。

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 中央は静岡県議会議員の池谷晴一クン。わがクラス一の美男で、もちろん優秀です。その上にスポーツ万能。彼がいるから集まってくるのかもしれません。それも選挙区とは関係のない仙台、山梨、東京、神奈川からも来るのですから選挙目当てではないことはお判りいただけるでしょう。左右の女性はホステスではありません。これでも同級生。若いよなぁ。そういえば白髪頭は私だけだったような…。
 呑んだ勢いで、次回は神奈川でという提案を受けてしまいました。茅ヶ崎在住の女性と私が幹事。湘南にするか小田原にするか、やっぱり箱根かと1年後のことを今から心配しています。ま、この連中だったら何処へ連れて行っても文句はでないだろうと思います。呑んで喋って騒いでいれば場所は関係がないんです。泊まり込みで騒ぎたいというだけの話ですから。

 昨年は午前3時まで呑んでいたそうです。今夜もそうなりそうだというのですが、終電で帰る予定にしていたので私だけお先に失礼しました。明日は西さがみ文芸展の受付当番なので、酒臭い息で立つわけにはいきません。来年のクラス会に徹夜で呑むことを楽しみにしていましょう。夜中まで遊んでくれた同級生諸君、ありがとうございました!



詩誌『ぼん』45号
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2007.1.30 東京都葛飾区
池澤秀和氏発行 非売品

<目次>
詩  歩程/池澤秀和 1
随筆 刻の狭間で 45/池澤秀和 3
詩  くらし 世につれ/池澤秀和 7



 歩程/池澤秀和

はるかな先端に 一点の ひかりが見える
足が土をつかみ 一歩 踏み出す
すこしだけ 円周を広げると
新しいことを ひとつ知ることが できる

はじめ その広がりは
荒削りで 表情を 持たない
目や耳 口や鼻を
ひと彫り ふた彫りと 刻むごとに
草が芽生え 小鳥が訪れ 虫が住みつく

遠くの点が近ずき ひかりの輪がだんだん大きくなってくる
手が届くまで もう少しの辛抱と 歩幅をひろげ
もっと知ろうとすると
昨日まで聞こえていた
草や鳥や虫の 息吹が伝わらなくなっている

建設機械もやってきて いじくりまわし
道路を支えるコンクリートの
橋脚に変えていく

放っておくと 命とりになるので
どんなときでも 身近な できることから
表情をとり戻す作業を くりかえす
ひとつ知ると 解らないことが 円周にも増えていく

こんどは「美しい国」の
衣裳をまとった
行進が近ずいてくる

 正直なところ最終連を読むまでは何が書いてあるのか判りませんでした。しかし、最終連の「美しい国」ではっきりと判りましたね。
 タイトルの「歩程」は、私の手持ちの国語辞典、漢和辞典には載っていないのでネットで調べたところ、歩程1時間30分≠ネどの遣われ方をしていました。山歩きなどで目的地までの歩行時間を指すようです。その意識で作品を読むと見事な構成であることが判ります。第3連の「遠くの点が近ずき ひかりの輪がだんだん大きくなってくる/手が届くまで もう少しの辛抱と 歩幅をひろげ」までの明るい色調、そこから一転して「昨日まで聞こえていた/草や鳥や虫の 息吹が伝わらなくなっている」と記し、第4連へと繋ぐ手法には瞠目しました。「『美しい国』の/衣裳をまとった/行進」をどうやって食い止めるのか、21世紀初頭に生きる日本人の歴史的な命題だと感じた作品です。



詩誌『地平線』41号
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2006.12.30 東京都足立区
銀嶺舎・丸山勝久氏発行 600円

<目次>
骨の人…野田新五 1            寒椿…沢 聖子 3
心理面接における哲学的悩みを訴える一事例…福栄太郎 5
朝の跳躍…大川久美子 7          平凡な風…いわ・たろう 9
解かれる…金子以左生 11
評論 黒部節子の詩…野田新五 13
虫…鈴木詢子 15              蜘蛛…杜戸 泉 17
傷…川田裕子 19              新ハイキング誌…樽美忠夫 21
競馬場夕景…田口秀美 23          不眠地帯…小野幸子 25
書評 憧憬と癒しと 中村吾郎詩集「紫の絲」…五喜田正巳 27
A・KI・BA…秋元 炯 29        あたま…山川久三 31
通販カタログを手に…飯島幸子 33      主人
(ていしゅ)のすきな赤烏帽子 でも…中村吾郎 35
公園…山田隆昭 37             詩人 他二篇…丸山勝久 39
同人名簿/編集の窓…41
編集後記…43



 A・KI・BA/秋元 炯

脳天を鈷で垂直に貫かれた男たちが 魚類の
目つきで歩きまわっている街だ アキハバラ
やたらと目玉はでかいが どうやら ろくに
見えていないらしい 黒いアタッシュケース
をさげて 黒いスーツ 金色の目 口を開く
と きっと牙だらけなのだろうが けっして
口を開くことはない 表情を消した男たち
歩きながら 携帯電話で メールばかりして
いる パソコンの部品を つぎつぎに店先で
(あさ)っては 後でこっそり 頭蓋骨を開けて
部品を交換しようとしているらしいのだが
どうせ直ることなどない欠陥品ばかりなんだ
昼食はスタンドのそば屋 しょう油のにおい
が目にしみる ネギを山もりのせて しち味
をいちめんに振りかけて一本 二本 そば
をすすりこむと 脳天に刺さった鉄の棒が
みしみしゆるんでくる おらあ もう限界だ
よ やけ笑いしている 笑う時は 黄ばんだ
歯を見せている なあんだ 牙は生えてない
じゃないの そうそう それでもって 振り
返ると また ぴかーり 金色の目を光らせ
て 歩き始める 黒スーツの男 もう そん
なに 模範社員らしくしなくてもいいのでは
ないか 歯に ネギがはさまっている

 私も昔はときどき「アキハバラ」に行って「パソコンの部品を つぎつぎに店先で/漁って」いましたけど、やっぱり「表情を消した男たち」の仲間として見られていたんでしょうね。たしかに部品を漁っていると他が見えなくなります。自分の器械と合うのか合わないのか、それを判断するので精一杯でした。そしてやっぱり「昼食はスタンドのそば屋」。早く食べて早く家に帰って、早く部品を取り付けたい。それに安い…。
 それを冷静に、皮肉を交えて見ている作中人物の眼は鋭いですね。モノに捕らわれている男たちの(そういえば男ばっかりだな)、悲しいまでのモノへの執着が炙り出されていると思います。今度は「歯に ネギがはさまってい」ないか確認しよう!



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