きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり
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2007.2.8 自宅庭の白梅




2007.3.17(土)


 東京で観測史上最も遅い初雪だったという今日、わが足柄地方でも初雪が降りました。午前7時50分頃、何気なく書斎の窓から外を見るとボタボタと雪が降っているではありませんか! 春先特有の大きな雪でした。10分ほどで氷雨のようになり、30分ばかりで降り止んでしまいましたけど、やっぱり冬は雪が風情を与えてくれますね。もちろん積もりもしません。昼頃には青空になってしまって、これがこの冬最初で最後の雪でしょうか。北国の人には怒られそうですが、一冬に2、3度ぐらいは雪の雰囲気を味わいたいものです。



個人詩誌Quake24号
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2007.3.25 川崎市麻生区
奥野祐子氏発行 非売品

<目次>
言祝ぎの詩(ことほぎのうた)《闇の中の十連珠》
T 一        U 二
V 五        W 八
X 十一



 T

扉は開かれる
その肉体によって
おまえのその 血の通った手によって
体は架け橋
体はきっかけ
体は変化をもたらすために
世界の地下深く そっと仕掛けられた地雷
だから 今
その闇の中から 目を覚ましなさい
魂にも
神にも
精霊たちにも不可能なことを
おまえのその手で成し遂げなさい
扉は開かれる
世界は変わる
地を舐めるように這っていた雛たちが
初めて 大空に 己の翼ではばたくように
強いものたちが滅び
弱いものたちが その頭上を高々と飛んでゆく
その時が来たのだ ついに

 「言祝ぎの詩(ことほぎのうた)《闇の中の十連珠》」のTを紹介しました。「十連珠」とあるように]まで続くようで、今号はそのうちのXまでが載っていました。長い作品の冒頭のTを紹介する次第ですが、テーマは「肉体」と「魂」にあるようです。「体はきっかけ」であり「体は変化をもたらすため」のもという主張が読み取れます。次号がどのように展開し、どのように結論付けられていくか楽しみな長詩の始まりです。



詩の雑誌『鮫』109号
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2007.3.10 東京都千代田区
鮫の会・原田道子/氏芳賀章内氏発行 500円

<目次>
鮫の座 瓜生幸三郎 表紙裏
[作品]
打つ/原田麗子−2             貼りつけられた顔/高橋次夫−4
セピア色のパーティ/前田美智子−6     耳の奥の小さな駅/井崎外枝子−8
忘れたトマト/芳賀稔幸−12         なずきの、にほひ/原田道子−16
[詩書案内]
中正敏・詩集『サリバの灯』/高橋次夫−18  たかとう匡子・詩集『学校』/井崎外枝子−18
秋野さち子・全詩集/原田道子−18
[作品]
パライソ/岸本マチ子−20          星あかり/大河原巌−24
冬のはなびら/飯島研一−26         錦の御旗/瓜生幸三郎−28
断層/いわたにあきら−30          卑怯者/仁科籠−3
軽い/芳賀章内−36
[謝肉祭]
遊びたい・む/前田美智子−39        随想・美の混濁/芳賀章内−40
[詩誌探訪] 原田道子−41
編集後記  表紙・馬面俊之



 錦の御旗/瓜生幸三郎

チータラダンダンダン
チータラダンダンダン
官軍さまのお通りだ
錦の御旗を先頭に
これぞ草木もなびく正義の御旗
道理がなければ捏(でっ)ち上げればいい
まずは
私怨を晴らすための
無理難題を持ちかけるのだ
相手がひたすら恭順の意を表しても
はじめから受け入れる気など毛頭ない
相手の息の根をとめるまで
撃ちてし止まんが相言葉
美しい国づくりのためには
血染めの地図が欠かせないと

それから地球が何万回か自転して
文明の兵器がたくさん生まれ
ジェノサイトという言葉が生まれ
たくさんのレクイエムが生まれた

戦いの世紀とはいつのことか
これで打ち止めと嘯いて
一世紀前の野卑な太鼓を響かせ
二十一世紀の錦の御旗がひらひらする
私怨を晴らすには欠かせない正義の御旗
戦いの世紀づくりには欠かせない正義の御旗

手をこまねいているよろずの神よ
どんな無実の言葉を用意するのか
おびただしい無名の墓に
いまさら

 第1連は戊辰戦争を言っています。會津藩支藩の平藩下士の末裔としてはよく判る連です。「美しい国づくりのためには/血染めの地図が欠かせない」のは、明治も平成も変わらないのかもしれません。
 最終連には敬服しました。「手をこまねいているよろずの神」への憤慨は私もこの数年募るばかりです。特に「いまさら」という詩語には惹きつけられました。強くもあり諦めでもあり、そして不屈の言葉でもあると思います。二重にも三重にも意味がある言葉で締め括った作品に敬意を表します。それにしても「捏ち上げ」の「錦の御旗」を曳き摺り降ろしたいものです。



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