きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり
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2007.2.8 自宅庭の白梅




2007.3.20(火)


 新しい愛車・インプレッサの第1回の燃費が出ました。11.4km/Lです。意外でした。フルタイム4駆の1500ccですから、下手をするとL当たり10kmを切るのではないかと思っていましたから11kmもあったことに驚きです。これから使い込んでますます燃費は良くなるはず。旧愛車・スターレット1300の14〜15kmには及ばずともコンスタントに12kmは出してくれるでしょう。ATではなくマニュアルトランスミッションであることも奏功しているとは思いますが、日本車の燃費向上に掛ける技術者の努力の賜物と讃美させていただきます。



詩誌『東国』135号
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2007.2.20群馬県伊勢崎市
東国の会・小山和郎氏発行 500円

<目次>

薔薇と戦車 2 綾部健二          ダンサー 5 関根正史
小さな島では 22 三本木昇         心証風景(4) 24 若宮ひとみ
二つの運動会 26 大橋政人         水田には風が渡り 28 中澤陸士
自転車 34 野口直紀            オンザロック 36 奥重機
つっ、つっ 56 金井裕美子         前橋市紅雲町の柿本人麻呂はビオラを演奏するのか 58 伊藤信一
ジム・バーンズ詩篇 61 青山みゆき・訳    ダチョウ 70 堀江泰寿
時間の扉 72 柳沢幸雄           舞茸 74 遠藤一夫
わたしたちは覚えているだろうか 75 青山みゆき
うすらご 76 江尻潔            花筏/流行 77 山形照美
朔太郎を理由に 83 愛敬浩一        みどり幼稚園 86 古沢克元
小さな駅で 88 渡辺久仁子         焼き場にて 91 本郷武夫
小さな空の下で 94 田口三舩        時のはかり 96 清水由実
重さについて 98 川島完
ことばの花束
新保啓詩集『人魚界隈』 いつか、あなたと/馬並めて、海を見たい 38 魚家明子
江尻潔詩集『るゆいつわ』 根源の壺 41 川島健二
●連載評論 岡田刀水士ノート(14) 45 愛敬浩一
●針の穴
宮前利保子詩集『カタクリの花の咲くころ』 48 田口三舩
池下和彦詩集『母の詩集』 50 大橋政人
岡野絵里子詩集『発語』 51 川島完
たにみちお詩集『ポケットに詰め込んで』 53 小山和郎
横井新八詩集『彼岸』 54 小山和郎
禿慶子詩集『我が王国から』 55 小山和郎
●あとがき 100
●題字 山本聿水   ●装画 森川球一



 薔薇と戦車/綾部健二

 五世紀前、いかなる地形、天候の下でも走
り回れるように、鉄片を帯のようにつないだ
無限軌道をもつ機械が、ひとりの天才によっ
て発想された。すなわち戦車の原型である。
このアイディアの萌芽が、二十世紀以降の幾
多の戦争に無数の黒く苦い実を結ぶ。 そし
て、その本当の苦さを知らずに育った少年時
代のぼくは、こころに鎧をまといながら、プ
ラモデルの戦車づくりに没頭していたのだ。
 そのとき、あらゆる現実の世界は消え、幾
十もの小さなパーツが、互いに調和する小部
分となり、それらがひとつになり、あのレオ
ナルド・ダ・ビンチのひらめきをルーツとす
る末裔のかたちとなった。ぼくは、全体の迷
彩塗装に腐心する。その色彩は、ぼくの顔つ
きと同じように情緒の変化に左右される。ぼ
くは、茶色を思うと茶色を使い、緑色を思う
と緑色を使った。しかし、前もって考慮した
ところに、その色を使ったわけではない。ぼ
くの望みは、情緒以外のなにものをも呼び覚
まさないことだった。
 それから四十年の歳月が流れ、ぼくの内な
る小宇宙のかなたに、プラモデルの戦車はそ
の姿を消した。 厚い装甲に守られた狭い車
内、強力なエンジンの振動、座席の周囲を満
たす弾薬と燃料、自在に旋回する砲塔の重量
感。ぼくの意識の底には、少年の頃の想像力
が生み出した 仮想現実の残像が 息づいてい
る。ぼくのエンブレムは、自然界には存在し
ない青い薔薇。十五世紀のイギリスでは、ヨ
ーク家が白い薔薇、ランカスター家が赤い薔
薇を旗印に王位を争ったが……。ぼくのそれ
は、端材を組み合わせてつくったプラスチッ
クの青い薔薇だった。
 今も続く、得体の知れないものたちへの対
峙。仮想の砲の照準合わせは、決して滑らか
ではない。砲身の内側にある旋条にも、歳月
という 付着物が 溝を埋めているかもしれな
い。翻って、青い薔薇は「有り得ない」こと
の象徴でもあるのだ。たとえば、掌握しよう
とすればするほど、指の間からこぼれおちて
いく永遠の命、愛、友情、平和といった類い
のように。
 夢の中の詩は、 二度と帰ってはこないの
か。ぼくの潜在意識にひそむヴィジョン、指
先の記憶、伝えそこなったメッセージ、染み
付いた言語パターン、 そして青い薔薇の輪
郭。ぼくは、ぼくの中にある薔薇のエンブレ
ムを掲げた戦車の最終章を、この手で書き上
げなければならない。つよい身ぶるいを生じ
させながら。

 「こころに鎧をまといながら」つくった「プラモデルの戦車」と「自然界には存在しない青い薔薇」、いずれもが「ぼくの潜在意識にひそむ」ものを現しているのでないでしょうか。私はプラモデルではなく実車のジープを軍用もどきにして遊んでいましたけど(拙HPトッページ参照)、やはり何か「潜在意識にひそむ」ものがあったのだろうと思います。その「最終章を、この手で書き上げなければならない」時期に今、在るのかもしれません。作者も私も人間の平均寿命の半ばを過ぎて、そこを解明するのが残された仕事と云えましょうか。さらに「白い薔薇」と「赤い薔薇」、そして「プラスチックの青い薔薇」、薔薇の象徴には戦い≠煖唐ーなければならないとも思い、それが一つの鍵なのではないかと感じています。



詩誌『やまどり』41号
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2007.3.21 神奈川県伊勢原市
丹沢大山詩の会発行 非売品

<目次>
安全・品質軽視とその背景にあるもの/古郡陽一 1

青い星・四季・大地/ISAO 2      はつ地蔵によせて/川堺としあき 3
いま仙人/小倉克允 3           一握の米物語・住所録/高林智恵子 4
であい/今井公絵 4            懐かしい故郷の四季/福原夏海 5
きせつ/松田太智 5            花柄/松田しのぶ 5
大笑い・ふきのとう/山口良子 6      天蚕/早川綾香 6
父去りぬ/土百 7             老後を生きる/7
ある日/上村邦子 8            渚のシンフォニー/湧水 8
二人部屋/小林教子 8           そんな父でも/ゆき 9
前向き/沙謝幸音 9            電気マッサージ/神谷禧子 9
冬木立・素敵に余生を/大橋ヒメ 10     人の秋/古郡陽一 12
色彩の孤独・柊の花/吉田涼子/13      知りたがり屋・消えた箸/松田政子 13
たがやす/中平土天 14

−会員のたよりに寄せて−悲しみを超えて/綾香 11
随想
私は左利き/鈴木定雄 15          三冊・三人/岡本湧水 16
好きな詩 『草の葉』より/中平 18
お知らせ 編集後記 19



 二人部屋/小林教子

まぶたを休めるとき
ささやき声を交わすとき
ぽたぽたと流れ込んでくる
ブドウ糖だかナトリウムだか
私たちの糧となるらしい何か

またいっぽうでは
こぼれ落ちるばかりで
止めることができない
戻すこともできない
命のしずく

あとどのくらい残っているだろう
あなたの中にまだ
あふれるほどの泉があればいいのだが
苦しい息を吐きながら二人
何もない窓の外ばかり見ている午後

 この「二人部屋」は入院病棟の二人部屋のことで、「私」も当然入院中です。「ブドウ糖だかナトリウムだか」を受けて「苦しい息を吐きながら二人」は居るのに、「あなたの中にまだ/あふれるほどの泉があればいいのだが」と相手を気遣っています。この思いやりに感動しました。病気なら自分の快復で精一杯のはずなのに、同室の相手を「あなたの中に」と思いやる姿勢に「私」の人格の高さを感じました。最終行の「何もない窓の外ばかり見ている午後」も佳いですね。病室の殺風景さと病人の気持がこの1行に表出していると思います。



『千葉県詩人クラブ会報』197号
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2007.3.20 千葉県館山市
前原武氏編集・斎藤正敏氏発行 非売品

<目次>
平成19年度総会のお知らせ 1
会員の新刊詩集から56 「光のくさり」…根本明詩集『未明、観覧車が』より 1
本年度事業のまとめ 2
1年をふりかえって/理事長・橋昌規 2
特集 千葉県詩集第39集感想U 3
根本明詩集『未明、観覧車が』百物語の奇異たち/山中真知子 3
会員の新刊詩集から57 「白粉花」…五喜田正巳詩集『都会の螢』より 4
詩集『都会の螢』五喜田正巳著 未来派出版に寄せて/秋田高敏 4
東西南北8 4
'06詩祭朗読詩から 山猫/雫石尚子 ばらのトゲ・ワシの目とフクロウの耳/保坂登志子 5
受贈御礼 5
会員活動 編集後記 6



 光のくさり/根本 明

夏には
おさなごらが
歓、
と地べたをころげるのを
むこうの林の緑に
見ていたものがある
いまは
すっかり葉の落ちたコブシの木々からの
まなざしのなか
バス停の椅子に
帽子とめがねをただしくそろえ
人が
のぼっていったばかりのよう
空から垂れた光のくさりを
しずかな笑みが
まだつたいおちてくる

 「会員の新刊詩集から56」として紹介されている根本明氏の詩集『未明、観覧車が』からの作品だそうです。「おさなごら」を「見ていたもの」、「バス停の椅子に/帽子とめがねをただしくそろえ/人」という存在が安らぎを与えてくれます。そういう人がまだいるかもしれないという思いと、それを詩にする詩人がいる! という思いで胸が満たされています。最終連の「空から垂れた光のくさりを/しずかな笑みが/まだつたいおちてくる」というフレーズも感激します。いなくなったと思っていた神≠ェ戻ったようです。



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