きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり
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2007.2.8 自宅庭の白梅




2007.3.31(土)


 小田急線東海大学前駅近くにある「アリキアの街」に行ってきました。午後6時半から朗読会があったのですが、始まったのは8時頃。それまでは皆でしゃべって呑んで、何をしに行ったか判らなかったほどです。スタッフの萌女史が今日で退職して芸能プロに行くことになり、そんな話でも盛り上がりました。
 肝心の朗読は5人のみ。人数が少なかったので私も朗読させてもらいました。朗読そのものは30分ほどだったでしょうか、それが終わってまたおしゃべり。結局10時まで居座ってしまいました。「アリキアの街」に行ったのは1ヵ月半ぶりぐらいですが、なぜかホッとします。クルマを小田急線新松田駅近くの駐車場に置いて出かけたので、お酒を呑めなかったのは残念でしたけど、まぁ、シラフでも楽しめます。他愛無いおしゃべりがエッセイや詩のネタだったりします。それを狙っているのかもしれません。皆さん、ありがとうございました!



個人詩紙『縞猫』16号
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2007春 兵庫県西宮市 中堂けいこ氏発行 非売品

<目次>
ほね ほれる 春
ドコモコドモ



 ドコモコドモ

どこかで子供が泣いているよ
この切実な一行のために
机に立てたノック式ボールペンを二度ノックする
わたしたちは靴晋を響かせて
通勤の朝をいそぐ
いつの日か女性専用車両はピンク色の子供を産むだろう
聖マグナバ病院の白線よりましだわ
と母はいつも育っていた
わたしは通学路になっていた農道
の炎天の下
ながながとのびた蛇はまたがない
学校へ行かない日は
横切るモノの前で立ち止まろう
立ち止まって黄色い旗をふろう

迷子札ハズシテココハ
ドコモコドモイイエコ
ドモドコモオフニシテ
ネ届ケコドモイイエ笑
ウ目覚メテコドモココ

遮断機のむこう側で 若い女が赤ん坊を抱いている 激し
く過ぎゆく車両の連結や車輪のすきまが 一瞬透けて 二
人の姿が万華鏡のようにゆらぐ 眼を閉じれば消えるだろ
う どこか遠いところ 白線をふみこえて母は弟を産んだ

 「ドコモ」は携帯電話会社の名前でよいと思います。そこから発想された現代を視る眼、と言ってよいでしょう。「ドコモ」と「コドモ」の連想がおもしろいのですが、実は意外と怖い面がありそうです。「いつの日か女性専用車両はピンク色の子供を産むだろう」には日本の脆弱さを感じ、「どこか遠いところ 白線をふみこえて母は弟を産んだ」というフレーズには一線を「ふみこえて」しまった人類を考えてしまいます。文明って何だろう? とまで考えるのも作品の意図から外れてしまうのかもしれませんが、そこまで考えさせられた作品です。



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