きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり
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2007.4.8 神奈川県真鶴岬




2007.5.7(月)


 明日は日本詩人クラブの現理事会解散会で、神楽坂に行きます。神楽坂エミールはもう無いので別の処ですけど…。その前に念願の事務所の見学に行けそうです。住所や部屋の構造などは紙の上では判っていますが、やはり現地を見たいですね。まだ決定ではありませんから詳しくは述べられません。昨年の総会で承認された内容に基づいて動いていることだけをお伝えします。早く決定して皆さんにお知らせしたいものです。
 これで決まれば机や電話を備えて、銀行に届ける住所も固定になりますし、メールアドレスやHP契約の住所も事務所にできます。念願の法人化は出来ましたが、固定の事務所がないと完全な法人とは言えないでしょう。事務所があって初めて名実ともに社会的認知をしてもらえるのだろうと思います。
 ただ、残念なことに事務員を置く余裕はありません。これは私の個人的な見解ですけど、事務員を置くにはさらなる会費値上げが必要になります。年会費8,000円を今年4月から10,000円にしてもらいましたが、15,000円でもおそらく足りないでしょう。そんな負担は掛けられません。当面は理事が交代で詰めるようになるのかなと思っています。
 それはそれとして、やはり嬉しいですね。



詩誌『掌』134号
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2007.5.1横浜市青葉区
志崎純氏編集
掌詩人グループ発行 非売品

<目次>
エッセイ
鶴について…中村雅勇…8          米粒のこと…薄田久子…8
桜断章…志崎 純…9

風…国広 剛…2              櫓…中村雅勇…4
棒くん…福原恒雄…6            春彼岸お中日…掘井 勉…10
十三夜の月…志崎 純…12          サンタ…石川 敦…14
真昼やさしいきみが化身と…半澤 昇…17
 一八柱霊園を繞る奇しき幻影の−
編集後記                  表紙題字 長谷川幸子



 棒くん/福原恒雄

家にひっこんでいるけど
へんなのが来て部屋の隅におしやられるのは
いやだ
だから玄関の隅っこに置く洋傘に交ぜてある
直径3センチ
樫の木
おもいけど
諸般が拗
(ねじ)けてらんぼうな事情が闖入してきたら
払うためだってば
外の路まで追う足にはなれないが
玄関しめるまでは
やるさ
長さ1メートルくらい
ごはんもパンも食べてるから振り回せる
このあいだの夜中の地震震度でかーんかんかんと
倒れて
びっくりしたけど近づいて起こしてやって
それから友だちになった
だれにも言わないでいたのに
かぞくの諸般が
じぶんで買ってきたんだからねと言う
おぼえていない
それより ほんとの戦慄は
これで叩く事件もふりかかるかしらと思うこと
つるつると触っただけでも痛みが走ってくる
首から上も下も堅くなる

 「棒くん」は、いわゆる用心棒ですね。一頃はゴルフのクラブを置いていたなんて話も聞きます。いつだって平和な世の中なんか無くて、嫌な事件は毎日のように起きていますけど、それにしても近頃は頻発という感じを受けます。せめて我が身は、家族は、という思いからなのでしょうが、警察力の低下に起因するのでしょうか、それとも金銭に対する安直な風潮からでしょうか、だんだん米国並みになっていくんだなという感じを受けます。「ほんとの戦慄は/これで叩く事件もふりかかるかしらと思うこと」。そんなことを考えると「首から上も下も堅くな」ってしまいますけどね。

 この作品で救われる思いがしたのはタイトルです。棒≠セったら上述のように身構えてしまいますけど、くん≠ェ付いたことで柔らかくなりました。「玄関の隅っこに置く洋傘に交ぜてある」意味は変わりませんが、「友だちにな」るかならないかの違いが出るように思います。そこが詩人として世の中に寛容になるギリギリなのかもしれません。そういう視点を感じます。たぶん、福原詩の中では初めての素材だと思いますが、この作品を機に書き方が変わっていくようにも感じました。



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