きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり
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2007.5.20 栃木市 とちぎ蔵の街




2007.6.6(水)


 所要で新宿に出て、帰りはいつも通り居酒屋物色。以前、青森の「田酒」という旨い酒を呑んだことがあるんですが、それがあるよと書かれた店に入りました。ところが置いてない…。止むなく土佐の「酔鯨」と宮城の「浦霞」を呑みましたけど、久しぶりのせいか旨かったです。知っている味で、安心して呑めました。
 先日、静岡県富士宮の「富士山」というお酒を呑みました。ネーミングに惹かれて呑んでみる気になったんですが、味はまあまあ。300cc入りの壜に磨き70%とありましたので、あまり期待はしていませんでした。でも意外に良かったんです。私好みではなかったんですけどね。店のおやぢさんに「お味はどうですか?」と訪ねられて、「味はいいけど、磨きが足りないねぇ」と答えた記憶があります。値段を考えると過不足無しでしたが、やっぱりちょっと不満でした。
 今日の店にも呑んだことのないお酒が多少ありました。一瞬、冒険してみようかという気になりました。でもね、ついつい「富士山」を思い出して、無難な「酔鯨」「浦霞」になったという次第です。酒呑みとしては失格だろうなと思います。冒険して失敗して、そして自分の味を探し求める、これが王道なんだろうと勝手に思っています。覚悟が足りないなと我ながら思います。精進して呑み歩こう(^^;



○詩誌『北の詩人』56号
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2007.6.10 札幌市豊平区   100円
日下新介氏方事務局・北の詩人会議発行

<目次>
写真・詩−世界遺産熊野古道を行く/佐藤 武 1
湧き上がる雲の下で/たかはたしげる 2   光かかげて/たかはたしげる 2
微塵子/たかはたしげる 3         元気力の泉/たかはしちさと 3
俊と父/たかはしちさと 5         メーデーヘ/たかはしちさと 6
明日吹く風/かながせ弥生 6        春/かながせ弥生 8
短詞 七篇/大竹秀子 9          ピンクの星を食べましょう/泉下イチイ 10
樹植祭/泉下イチイ 10           カメリア/泉下イチイ 11
方舟撃沈タイタニック/泉下イチイ 11    母/佐藤 武 12
エッセイ 闘尿入院記/佐藤 武 12     エッセイ かごめの歌考(続No.55より)/倉臼ヒロ 14
エッセイ くりかえしは認識・表現方法の基本 松元幸一郎 16
真の道/釋 光信 19            短歌三首 石狩に想う/濱村 彰 20
短歌二題 移りゆく春・衝撃的なこと多く/幸坂美代子 21
桜/内山秋香 22              ギョウーザパーティ/八木由美 22
ピアノ/八木由美 23            科学の真実とは/日下新介 23
茂子 15/阿部星道 24           白石 2/阿部星道 25



 微塵子
 ミジンコ研究者の訃報に接し詠める
          たかはた しげる

ミジンコは生態系の基礎
淡水にあって最小の動物
種の分布は自然の歴史を示し
個体群の広がりは環境をあらわす
食物連鎖の底辺にあって
巨大なビラミッドを支える

ヒトに見えなくても
ヒトの生存をきめるミジンコ
ヒトはミジンコによって生かされる
ヒトは地球の新参者

ヒトの世界にあって
ミジンコの役割に徹し
ヒトの未来に警鐘を鳴らす
忘れまじミジンコの世界

 ミジンコ‥甲殻類プランクトン

 普段、気にもとめない「ミジンコ」ですが、ちゃんと「ミジンコ研究者」っているんですね。その「訃報に接し詠」んだ作品で、「種の分布は自然の歴史を示し/個体群の広がりは環境をあらわす」と優れた分析をし、詩的昇華をしていると思います。特に第2連の「ヒトの生存をきめるミジンコ」、「ヒトは地球の新参者」という視点が新鮮です。まさに「忘れまじミジンコの世界」ですね。



個人誌『知井』5号
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2007.5.20 京都市北区
名古きよえ氏発行  非売品

<目次>
寄稿 二匹の蝉/田中国男 2
   胡蝶侘助/北野一子 5
「知井」の歴史(三) 知井十名について/名古きよえ 8
田植えの神様/名古きよえ 10
野草/名古きよえ 12
(せい)真成という人/14
深尾須磨子追想(2)/名古きよえ 19
エッセー 梅雨の記憶/名古きよえ 26
あとがき



 野草/名古きよえ

セリ ナズナ スイバにノビル
探せば 食べられる草がいっぱいある
雪の降る三月
名前も食べ方も知らない若者と
かじかんだ手を眺める

土筆は悲鳴を上げている
雪でやわらかい土と
戦闘的になっている空の異変に

真っ白と真っ黒の風景
今年最後の冬

手にした草に
乙女の心は呼ばれていても
失ったものは帰ってこない
命のバトンタッチに心身ぼろぼろで

美山の三月
時の音は聞こえないが
風の中に 雪と野草の和音が流れる

  綺麗な空気と緑で
   感性を磨きに
    来てください
野草の先生は 自然の言葉を伝えようとされている
黙っていても 黙っていても
それで 今日一日があると

 「野草の先生」に教わりながら「セリ ナズナ スイバにノビル」などを「名前も食べ方も知らない若者」たちと摘んでいるところなのでしょう。「今年最後の冬」が到来し「真っ白と真っ黒の風景」となった「雪の降る三月」は、ちょっと過酷だけど「雪と野草の和音が流れる」風景です。「戦闘的になっている空の異変」という詩語がよく効いています。最終連の「黙っていても 黙っていても」というリフレインも効果的だと思いました。



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