きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり 】 |
2007.8.20 神奈川県真鶴半島・三ッ石 |
2007.9.12(水)
夕方から市内の居酒屋に呑みに行きました。昔の職場の仲間から誘われたものです。むかしむかし、一緒に職場懇親会の幹事をやったメンバーで、1年間の任期が終わったあとも付き合いが続いているという奇特な連中です。いろいろ理由を付けては年に2回ほど呑んでいます。今回は九州工場に長期出張していた男が遅い夏休みで帰省したというので、その慰労会か?激励会か?歓迎会? 理由はなんでもいいんです。理由がない、という理由でも集まる連中ですから(^^;
ムサイ男は私も含めて4人いるんですが、それはスッ飛ばして女性陣の写真を載せましょう。この写真はおとなしい方で、もっとヒドイ写真がありますが、それはさすがに載せられません。拙HPの品位に関わりますからね。
幹事はだいたい10人に一人の割合で決められました。ということは6〜7年前の当時は60人ほどの職場だったわけです。私以外は全員現職ですから、今の職場は?と聞くと、なんと80人! 机の向こうは霞んで見えないそうです。まあ、順調に伸びている分野ですから、そのうち100人になるかもしれませんね。
今夜は珍しくゴロッと横になってウタタ寝をしてしまいました。今月に入ってから毎日のように東京、埼玉、宇都宮と出かけていましたから、その疲れが残っていたのかもしれません。珍しく二次会もなく、日付が変わる前に生還しました。今度この連中と呑むときは体調を整えて、二次会でも三次会でも付き合ってやろうと反省しています。
○新川和江氏詩集『記憶する水』 |
2007.5.31 東京都新宿区 思潮社刊 2600円+税 |
<目次>
T
遠く来て 9 記憶する水 13 ときどき自分が… 21
欠落 27 真夏の木 31 ワイパー 35
担語三兄弟 41 この足のうら 51
U
風 59 はげしく生きてきた者だけが… 67
あんかおろして 73 良寛――組曲 79
V
立冬 91 初島にて 97 草シネマ 103
砂 107. 骨 113. ちょん、ちょん、と小鳥が… 119
暗誦 125. 草に坐って 131
あとがき 135
「水は記憶する能力がある」という。うまれたばかりの「わたし」を湯あみさせていた盥の水。両岸に栄える大都市や水死人の姿を記憶する大河の水。涙と知らずワイパーを作動させた映画のワンシーンを思いださせるちいさな雨。水、火、世界のすべてを感受する瑞々しい感性をそのままに、彼岸のかなたまで見はるかす待望の新詩集。
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第25回現代詩花椿賞にも決まり、いま評判の詩集を送っていただきました。ありがとうございます。拙HPでは、いただいた詩集の中から1編だけ紹介するということをやってきましたが、今回はそれをやめます。代わりに帯文を上記しました。この帯は素晴らしい文で、詩集の大事なところを言い尽くしています。是非お買い求めになって読んでください。水が無ければ生きていけない生物の根源を詩として昇華させた傑作だと思います。
○詩誌『詩季』95号 |
2007.9.10 京都市中京区 荒川清彦氏発行 800円 |
<目次>
扉絵「作家L.N.トルストイの肖像」ニコライ・ニコラエヴィチ・ゲー作
長崎 透追悼特集
詩作品 長崎 透絶筆詩二題…2
追悼文 相馬 大 6 五十嵐重尾 8 中道風迅洞 9 金澤 肇 11
詩作品 五十嵐重尾 14 久徳善子 16 宗像 薫 18 田中眞由美 20
木原まさお 24 澤山咲恵 26 荒川清彦 28 金澤 肇 30
詩季詩壇…選・短評 五十嵐重尾 32
エッセー 人生に於ける理想的生活とは何か 長崎 透 34
詩季サロン 長崎 透 36 久徳善子 37 田中眞由美 38 澤山咲恵 38
五十嵐重尾 39 金澤 肇 39 荒川清彦 40
新刊紹介 五十嵐重尾 42
ふくちのぶこ詩集『猫の楽しみ』 田中眞由美詩集『指を背にあてて』 久徳幸子詩集『風のとびら』
創作 女西行の旅日記『とはずかたり』 長崎 透 47
編集室だより…56
表紙・カット 小林秀美
信濃のくに/長崎 透
信濃のくには
あかしやの花盛り
さ緑の中に野も山も
しろじろと匂い咲く、
信濃のくには
わが父祖の住み給いしくに
たまたま命ありて
妻子らと旅の一夜
宿の食膳に味わいし
あかしやの花の漬物
甘くすいく匂い深く
その味いとも忘れじ、
信濃のくには
水無月の晴間に
あかしやの花しろじろと
咲き匂う愛しきくになり‥。
今年5月に96歳で亡くなった長崎透氏の追悼号になっていました。絶筆2作が載っていましたので、そのうちの1編を紹介してみました。長崎透氏は長崎のお生まれでしたが「わが父祖の住み給いしくに」は「信濃のくに」だったんですね。そこに旅したときのことを「あかしやの花しろじろと/咲き匂う愛しきくになり」と書くことで、先祖への敬愛が深いことが判ります。長崎透氏は日本詩人クラブの永年会員でもありました。ご冥福をお祈りいたします。
○総合文芸誌『葦』27号 |
2007.9.5 三重県度会郡玉城町 村井一朗氏発行 非売品 |
<目次>
□詩
風の声 岡田千香代…2 東海近景/大きな実 武藤ゆかり…4
See you 萩原則子…6 迷い道 池田みち…10
ひるがの高原牧歌の里ほか 辻田武美…12 いちにち 篠田みゆき…14
空の下で 松沢 桃…42 捲く 村井一朗…45
――高校生五人集――
思い出のテープ 鈴木隆将…30 あけぼの 有竹真侑加…32
君の迷宮 山本正樹…34 失血 加藤未希子…36
願いごと 木村友紀…38
□短歌 (遺作)供出 東 季彦…28
中日文化賞受賞記念 夏の手帖 旧詩帖より 清水 信…17
〔解説〕堀口 誠…25
□エッセイ
峠の向こうへの手紙(9) 中田重顕…8 詩人の恋(33)「大河内昭爾」 清水 信…26
高校生作品集の起点 村井一朗…40
空の下で/松沢 桃
ひとのあらそいは
みえない暴力(いさかい)
とどかない罵声(こえ)
だが
波動を五感でとらえた
微笑のかげに
不信のうず
とおく眼をこらせば
ざわめく林
木々にまぎれる
黒いなみだ
ちぎれるはらわた
したたる脂汗
あやういバランス
二重奏はつかのまの楽園(パライソ)
ひのあたるきまぐれな記憶
ときの風がさらう
ひとのなかに熟れるもの
なやましい腐臭(におい)
果実につどうゆめみるくちびる
わが身にひきよせる
権力(ちから)のベクトル
酔い痴れるには
傷々しいエネルギー
背をむけあるきだすと
空がひろがる
しみじみ澄んでいた
第1連の「ひとのあらそいは/みえない暴力/とどかない罵声」というのがよく判ります。人間はそれらの「波動を五感でとらえ」ますからね。「ひとのなか」には「なやましい腐臭」があり、「権力のベクトル」を「わが身にひきよせ」ようとするのが常です。しかし、それらに「背をむけあるきだすと/空がひろがる」のです。最後に置かれた「しみじみ澄んでいた」というフレーズもタイトルと呼応して、佳品になっていると思いました。
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