きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり 】 |
2008.11.21 静岡県裾野市・五竜の滝 |
2009.2.16(月)
日本ペンクラブの例会日でしたが、サボりました。2月26日から始まる西さがみ文芸愛好会の「西さがみ文芸展覧会」の準備をしていました。小田原市在住の俳人宅を訪れて俳句の全集をお借りしたり、別件で印刷所に行ったりしていました。それが終わってからでも例会に行けないことはなかったのですが、まあ、たまにはサボリもいいかな、と…。ゴメンナサイ!
○卜部昭二氏詩集『時間船』 |
2009.2.10 埼玉県所沢市 書肆青樹社刊 2000円+税 |
<目次>
都市へ 8 都市の穴 10
憔悴時 13 夢見る腕 16
激情 18 雀 21
遅れてきた蝉 24 時間船 27
蝉の声 30 二〇〇三年一月未明の床で 32
鳴咽 38 風の音 41
神馬 44 雷神 47
春日 50 老桜 53
巨人 56 伸びてくる影 59
地底共和国 62 楽器 66
火頭に鴉 68 車中にて 72
女神像 76 死者へのメッセージ 79
赤ワインドロボー 82 美景の罪 86
ウシガエル 88 背骨 91
老獣行 94 地獄鍋 97
チューリップのある部屋 102. 七十路の坂 105
空気清浄器 108. 夢中イメージ 111
陽精子 114. 蓮 117
あとがき 120
時間船
産声を上げた瞬間から
永遠行きの船にのせられていたのだ
だが有限の生きものは
運命的途中下船は誰しも免れない
この船は光と闇で組成され
乗船時は長いようで短いことを後で知った
これまでに多くの下船の人を見送ってきた
表情は疲れた顔に憂愁の色さえ湛えていた
この船が不安定で動揺が激しく
乗り心地快(よ)くなく心身に異変を起し勝ちで
さらに別離の悲哀が付きまとって
いたせいであろうか
どこまでも不安 不安定な時間船
俄に身の重さ生の疲れを覚えると
下船の刻の迫まり来るを予感する
われは有限の生きもの
この船が光と闇で組成された乗り物と
航路であることを覚知しつつも
なぜ船倉の薄暗がりのみに寄り
心奥に暗影を刻印し嘆きの唄を奏でつつ
小さく凝固してしまったのか
昨日という過去を消却し太陽が
曙となり新しく産まれ変るのを
ああ幾千度目撃してきたろう
それなのに全身光と化す曙を遠ざけ
闇を刻印したまま下船を待つのだ
80歳を過ぎた著者とは数十年に亘るおつき合いですから、詩集は拙HPでとうに紹介させていただいていると思ったのですが、驚いたことに初めてです。あとがきで14年ぶりの第8詩集と知りました。10年前に開設した拙HPでは第7詩集を紹介できなかったことになります。
ここではタイトルポエムを紹介してみました。じかんせん≠ニ読むようです。人生という〈この船は光と闇で組成され/乗船時は長いようで短いことを後で知った〉と書く第1連から見事です。〈この船が不安定で動揺が激しく/乗り心地快くなく心身に異変を起し勝ち〉だというのも納得します。しかし、老境の諦念に駆られた作品とは読めません。〈昨日という過去を消却し太陽が/曙となり新しく産まれ変るのを〉、今後も〈幾千度目撃〉するのだ、という意志を感じます。ますますお元気で詩作をお続けになることを願っています。
○詩誌『梢』49号 |
2009.2.20
東京都西東京市 300円 山岡和範氏方事務局・井上賢治氏発行 |
<目次>
「うさぎの『フオックス』」他1編 牧葉りひろ…2 「病院の窓(その一)」 宮崎由紀………………8
「朝の光に向かって」他3編 山岡和範……………14 「字を忘れる」他4編 山田典子…………………19
「いぶしぎん」他1編 井上賢治……………………25 「限界」 上原幸三…………………………………29
「私の療養日記」他1編 北村愛子…………………31 「雪虫」他6編 日高のぼる………………………39
「伝承と発展」 藤田紀………………………………52
井上賢治詩画集「旅に憶う」感想……………………59 「梢」同人名簿………………………………………59
「梢」48号感想紹介……………………………………60 事務局だより…………………………………………64
表紙 イラスト−真つぶ 山田典子
○詩とエッセイ『ライラック』2号 |
2009.2.15 群馬県前橋市 房内はるみ氏発行 300円 |
<目次>
〈詩〉
時間………………2 あの時から………4
〈エッセイ詩〉
さまざまな動作…6
拭く、花を育てる カーテンをしめる
〈つれづれなるままに〉
腕時計……………8
あとがき
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