きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり
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2008.11.21 静岡県裾野市・五竜の滝




2009.2.19(木)


 夕方から
日本詩人クラブ事務所で「詩の学校」が開催されました。半年間6回に亘る講義も今日が最終日。リルケにおける悲歌とソネット(実作に即して)」をリルケ研究の第一人者・神品芳夫先生に講義していただきました。『ドゥイノの悲歌』によって悲歌の形式を学び、『オルフォイスへのソネット』の原文朗読など、他ではなかなか味わえないだろう講義だったろうと思います。

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 事務所には定員をはるかに超える40名もの人が集まり、最後の講義に耳を傾けました。簡素な終了式のあとは、近くの中華料理店で懇親会を設けましたが、こちらにも多くの方が訪れてくれました。受講の皆さん、半年間ありがとうございました。




詩誌『幽』13(第T期終刊)号
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2009.2.4 東京都調布市 幽思の会・外村京子氏発行
非売品

<目次>
(寄稿)三鬼宏 きれぎれのうた −あの人は言った 4
小山ゆう子  別離 10
山村英治   ひのかげから 13
広田恭子   男アタマ 17  気になる言葉 22
山之内まつ子 森 25  こわれる朝 29  弓張月 32
大城さよみ  骨 35  パントマイム 38  数 42
高野義裕   かいつぶり 46
外村京子   
No Place 51
―湧水地―  54
―ペンの森― 57




 
No Place/外村京子

――みんな連れて来ちゃった。
  (ジェイミーもキムもアレッサもジルもプラガティも…)
  ニホンに引っ越すんだ、って言ったら
  ふぅん、で、いつ帰って来るの? だって。
  もう、来ないよねぇ。

明るい声で言う
(ふあん と聞こえる)
新しい家は ニホンのどこ?
(わからない)
娘が両手を広げる
There is no place like home.
って言うんだよ、知ってる?

少女の頃ひっきりなしに尋ねた母も
とほうにくれて
わたしたちは移動します
英語で言ってみる。
Move?
(納得していない)

誰だってそうなんだから
気にしないでいなさい。
そうだね
行くだけだ。

ああ。
カリフォルニアの碧い空
方位も定めず
銀色の小鳥が飛んで行く
ほんとうに高いところを。

 * 
There is no place like home.「我家にまさる所はない」
 * 
Move 移動する・引っ越す

 上述の「詩の学校」で頂戴しました。拙HPでは初めての紹介になります、、、と思ったら終刊号でした。でも第T期の終刊とありますから、第U期があるのかもしれません。
 ここでは発行者の作品を紹介してみました。作者の作品紹介も初めてになります。〈カリフォルニア〉から〈ニホンに引っ越す〉ことを素材にしているわけですが、不思議な雰囲気の作品です。日本語と米語の言い回しの違いが、その不思議さを顕在化させていると思います。〈行くだけだ。〉というフレーズにはどこに住んでも同じじゃないか≠ニいうニュアンスまで感じました。




個人詩誌『独合点』97号
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2009.2.2 神奈川県相模原市 金井雄二氏発行
200円

<目次>
詩 花・もうひとつの顔/細野豊 2
  走るのだ、ぼくの三船敏郎が/金井雄二 4
出かけるって女たちに言ってくるよ/金井雄二 6
あとがき




詩誌『ユタ』16号
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2009.2.25 千葉県習志野市
石井真也子氏編集 非売品

<目次>
森/白井恵子                行方/田中智子
窓辺から/石井真也子            陽を見ない/石井真也子
寄稿エッセイ 送る手/長谷川淳士




 
陽を見ない/石井真也子

あなたが
陽を見なくなった日
あなたの手のひらにあった
月見草(大待宵草)を思い出していた
日没の陽と月の灯りを吸い込んだ花が
なぜあなたの手のひらに
あったのか
一夜で
朝日とともに
その灯りを失い
闇にまっしぐらに落ちていく
風もないのに

あなたが
陽を見なくなった日
持っていた灯り

 拙HPでは初めて紹介する詩誌になります。紹介した作品は、〈陽を見なくなった日〉というのですから、〈あなた〉は亡くなったと採ってよいでしょう。〈闇にまっしぐらに落ちていく〉というフレーズもそれを補強していると思います。
 〈あなたの手のひらにあった/月見草(大待宵草)〉を〈日没の陽と月の灯りを吸い込んだ花〉としたところが見事です。それが〈なぜあなたの手のひらに/あったのか〉を考えるのは読者に任せられていると思いますが、最終連の〈あなたが〉〈持っていた灯り〉がキーワードかもしれません。私は、人間が最期まで持っているものと読み取りました。



   
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