きょうはこんな日でした 【ごまめのはぎしり】
 


2017年12月の部屋


拝領済みの詩書等  ※ご恵贈を深謝いたします(敬称略)

受領日 分類  誌 書 名 著者発行者 発行日  発 行 所 定価頒価  村山寸感・備考
171231 文芸誌 『みらいらん』創刊号 池田 康 180101 神奈川県平塚市 洪水企画 1000円+税 伊武トーマ「反時代的ラブソング(2011〜2016)」…2011年3月11日〜12日の体験を描く。7年近く経って、忘れてはいけないと思いつつも忘れていたことを、改めて思い起こさせてくれた。
171230 個人誌 『御貴洛』27号 河野俊一 180101 大分県大分市 なんとかなる編集室 222円 河野俊一詩「すかすか」〈きっとこどもたちの時間は/すかすかだ/なんて心地よいすかすか/歳をとるにしたがって/きっと時間は/きっちり目を詰めてゆく〉…寒い中で昼から夕方まで遊ぶ子どもたちを見ての詩。そうか、子どもの時間はスカスカなんだ!と納得。
会報 『いちご通信』20号   171230 大分県詩人連盟 非売品 河野俊一「会員の声」〈新人詩人賞に集まった作品を全部見たいという会員がいた。理由を聞いてみたところ、賞を取るために、応募作の傾向を調べてみたいのだという〉…受験の“傾向と対策”のようだ、と続くが、なぜ詩を書くのかという根本を忘れないようにしたい。自戒を込めて。この会員は後に退会したそうだ。
171229 情報誌 『知研フォーラム』339号 久恒啓一 171201 東京都府中市 NPO法人知的生産の技術研究会 1000円  
171227 詩集 『闇の現』 中地 中 171218 東京都千代田区 砂子屋書房 3000円+税  
171225 詩集 『かりがね点のある風景』 中村 薺 171221 石川県金沢市 私家版 非売品  
詩誌 『新怪魚』139号 くりすたきじ 170401 和歌山県和歌山市 新怪魚の会 500円 細川治男詩「啓蟄断想」〈長ずるに及び別の虫に興味を持った/泣き虫 弱虫 本の虫……〉…蝶やトンボに加えて、虫が好かぬ、虫酸が走る、等々続く。発想をおもしろく拝読。
詩誌 『新怪魚』140号 くりすたきじ 171101 和歌山県和歌山市 新怪魚の会 500円 泡沫恋歌詩「ペルソナ」〈不完全なシンメトリー/左右対称の片方を失ったから/私はアンバランスで歪になった〉…生後50日で亡くなった双子の兄弟がいた、という設定。2頁の詩で長篇小説を感じさせられた。
文芸誌 『扣之帳』58号 青木良一 171225 神奈川県小田原市 扣之帳刊行会 500円 91歳の岩本実へのインタビュー「甥に語る私の小伝」…戦前・戦中に受けた学校教育と、戦後は教師として勤めた小学校。日本の教育史の実例を知らされた。
171224 詩誌 『新燎原』25号 小林尹夫 180101 熊本市中央区 新燎原編集室 600円+税 小林尹夫詩「太陽のクシャミ」〈─この王が正しくなくて、誰が正しいのだ?/思わぬ王様の声に、大臣逹は互いに顔を見合わせた。/─わしが王様なのだ。わしが正しいのだ!〉…裸の王様がベースにあるが、思わず某国首相を想起してしまった。
171222 詩誌 『ネビューラ』58号 壺阪輝代 171220 岡山市北区 非売品 大島武士詩「夜空を見上げて」〈蠍だったり 白鳥だったり/半分馬の人間だったり/あんなものたちに見つめられているなんて/とてもひどい 冗談みたいだった〉…星座と神話への反逆と採りたい作品。この感性が大事なんだろう。
171221 詩集 『こんな日もあって』 宇津木愛子 171210 東京都新宿区 土曜美術社出版販売 2000円+税  
171219 詩誌 『構図』5号 藤森重紀 171130 東京都町田市 400円 藤森重紀詩「ジオラマ・九月」〈急行本厚木行きの発車ベル/恩田川を遡ってゆく野分/ふいに波立つ相模平野/さまざまの役者が競う/郊外の起承転結〉…まさに“郊外”の風景を“起承転結”で表したフレーズ。発想がおもしろい。
171216 詩誌 Griffon』41号 川野圭子ほか 171103 広島県呉市 非売品 川野圭子詩「今日も軍港から」〈ストップとなぜ言えなかった。始めた者には終わらせる義務と責任がある。〉…今に続く軍港・呉。1945年に思いを馳せる作品。戦争指導者の責任を問う。
171214 詩集 『遠い日の夢のかたちは』 崔 龍源 171215 東京都板橋区 コール社 1500円+税  
詩集 『雪降る日の紙漉きのように』 植村勝明 171220 東京都新宿区 土曜美術社出版販売 1600円+税  
詩誌 『阿由多』18号 宮本智子 171211 東京都世田谷区 阿由多の会 500円 小川淳子詩「春の魔法」〈自分の中に眠っているものが/まだまだあるよ/やってみようよ/伸びしろはまだあるよ〉…人生の“伸びしろ”に気づかされる好作品。
詩誌 『プラットホーム』9番線 田中聖子ほか 171211 神奈川県藤沢市 プラットホーム舎 300円 宮本智子詩「夏休みの宿題」〈りんごを4つに分けて/そのひと切れが4分の1だと/先生は言われた/ぼくも 蚊も/4つに分けることはできないから/分数にはならない〉…叩いてつぶした蚊が4の形になった、という前段を受けた最終連。分数にはならない生物を考えさせられる。
171213 詩誌 『光芒』80号 斎藤正敏 171209 千葉県茂原市 800円 中村節子詩「鏡の中で」〈もうずっと長いこと/慣れ親しんだそのひと/自分という物差しから/だんだん遠くなるひと/味がある顔なんて不味い〉…鏡を見ての詩。“味がある顔なんて不味い”という最終フレーズは秀逸。
171212 詩とエッセイ 『焔』111号 金子秀夫ほか 171120 横浜市西区 福田正夫詩の会 1000円 古田豊治詩「旅と山」〈旅は目を遠くに解き放つ時。心の中へ、自然の中へ、時間の中へ、生活の中へ。〉…旅とは何かと考えたとき、このフレーズに瞠目させられた。
171211 詩誌 『現代詩神戸』259号 永井ますみ 171210 神戸市北区 現代詩神戸研究会 400円 永井ますみ詩「少女が」〈これから年取るばかりだに/そげに仕事抱えて/どげするの〉…内なる“少女”の声を聴きながらの半生。傾ぐ生き方を修正する声なのだと採りたい。
詩の雑誌 『火片』197号 井奥行彦 171201 岡山県総社市 500円 井奥行彦詩「チョウ」〈自分では自由だと思っているけれど/人間だって/同じことなのだ〉…庭の東西の茂みで生れたそれぞれの蝶が、垣根を越えない、という連に続く最終連。“自由”について考えさせられる。
個人詩誌 『伏流水通信』61号 うめだけんさく 171130 横浜市磯子区 非売品 詩「わすれもの」〈所詮元に戻れない/戻ったところでおいてきたものはないに決まっている〉…青春の“忘れ物”を描く。思い出すことで“おいてきたもの”に出会えるかもしれない。
171209 詩誌 『左庭』38号 山口賀代子 171215 京都市右京区 500円 江里明彦エッセイ「この境遇をなんとかした」…マドリッドで目撃したハンサムな黒人作業員の境遇に対する不満のアピール。そこから派生したキャバクラ孃への考え方が変わったことは、傾聴に値する。
個人誌 『ポリフォニー』31号 熊沢加代子 171210 東京都豊島区 非売品 詩「蜘蛛の網」〈人間もこの世に巣をはる/それがその人のテリトリーだ〉…蜘蛛と人間の違いなど、本質的には何もないのだと感じさせる作品。
171208 詩誌 Messier』50号 香山雅代 171205 兵庫県西宮市 非売品 記念号。新作2編と旧作1偏を各自が掲載する形式。
個人詩通信 『あん』47号 鷹取美保子 171204 北九州市八幡西区 非売品 鷹取美保子詩「アルマイトのボウル」…昭和30年代の豆腐の買い方が懐かしい。余計な包装などは無く、アルマイトのボウルが主役。エコとは何かを考えさせられる。
171207 詩誌 『りんごの木』47号 荒木寧子 171201 東京都立川市 500円 わたなべ麻里詩「知りたかった」最終連〈一滴でもいい/手のひらに/平和の雫をたらしてほしい〉…平和への祈りの詩。願い続けることが大事かもしれない。
171205 詩誌 『晨』16号 清水榮一 171201 さいたま市大宮区 500円 秋山公哉詩「嚥下障害(飲み込めない)」〈詩を書く人などと/気取っているが/言葉ひとつ/うまく/飲み込めない〉…飲み込めない言葉の多いこと! だから次を探して書こうとするのかもしれない。
171204 詩集 『噛む男』 大倉 元 171125 大阪市中央区 澪標 1800円+税  
詩集 『花をもらいに』 伊藤康子 171125 東京都新宿区 土曜美術社出版販売 2000円+税  
詩誌 『サロン・デ・ポエート』330号 伊藤康子 171201 名古屋市名東区 中部詩人サロン 300円 小林聖詩「辻立ち」最終連〈辻立ち三十分 十人に一人でも/振り向いてくれれば御の字/雨が上がり北の空低く青広がる〉…第1連には“スタンディングアクション”とある。パネルを掲げるだけのようだ。辻立ちの男の静かな決意が感じられる作品。
詩誌 『青い階段』112号 浅野章子 171130 横浜市西区 500円 石川敦エッセイ「八月の歌」…浜田省吾に「八月の歌」があるのを初めて知る。8月15日を歌っているようだ。聞いてみたい。
171203 詩集 『佇まい』 佐藤勝太 171207 東京都板橋区 コールサック社 2000円+税  
171202 詩集 『苦い水』 樋口武二 171207 群馬県富岡市 詩的現代出版部 1000円+税 詩的現代叢書27
季刊詩誌 『詩的現代』第二次23号 樋口武二 171202 群馬県富岡市 詩的現代の会U 500円 福原恒雄詩「耳に鳴る」〈呼ばれるための耳を熱くして/診察室の前に置く//ハイッと大声で答えるより/病人はもっとか細いほうがいいかと/息鎮める〉…福原詩の言葉の選び方にはいつも学ばされる。
171201 定稿詩集 『われはうたへど』 ワシオ・トシヒコ 171219 東京都板橋区 コールサック社 1800円+税  
詩誌 『コールサック』92号 鈴木比佐雄ほか 171201 東京都板橋区 コールサック社 1200円+税 淺山泰美詩「桃源郷の一年」〈文字を追うことで大人になった/わたしたちには 今日も/せわしい暮らしがあるばかり〉…文明の功罪を考えさせられる。後戻りはできないけれど。
詩誌 『微』17号 秋山公哉(連絡先) 171201 埼玉県桶川市 非売品 秋山公哉詩「合掌土偶」〈私が見ているのではない/私が見られている/細い目の奥の/深い闇〉…土偶の目から見られているのかと納得。土偶の目の深い闇にも意味があったのだ。
詩誌 『4B』14号 中井ひさ子 171129 東京都杉並区 4Bの会 非売品 中井ひさ子詩「ひとり暮らし」〈きのうの/ひとり言だって/棚の上 座布団に/居すわっている//天井に張りついているのは/一週間前のだな〉…一人暮らしになってしまった日常にも中井詩はあることを感じさせる。
文芸誌 『風のたより』14号 石川逸子 180101 東京都葛飾区 非売品 2002年の日朝平壌宣言全文が載る。15年後の現在、改めて読み直す必要を感じた。


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