きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり
murasame mongara
新井克彦画「ムラサメモンガラ」




2000.11.7(火)

 会社の近くの呑み屋さんで歓迎会をやりました。課内異動で、うちのグループに私と同じ年の男が配属されたのです。思わず「歓迎会の幹事はオレがやる」と言ってしまいました。それほど親しい関係ではなかったんですが、その男の日頃の言動には好感を持っていました。ついつい幹事をやってやろうと言ってしまったんですね。
 それにしても安かったなあ。グループ内にプールしてある金もあったんで、会費を1000円にするか2000円にするか迷いました。結局2000円にして、呑み放題食い放題で、ひとり3000円であがってしまいました。安くて、みんなに満足してもらえて、幹事冥利に尽きるというものです。店の名は「養老乃瀧」。日本詩人クラブでいつも利用する神楽坂の店も安いし、庶民の味方ですね。

 この日記は11/10の朝に書いていますが、昨夜うれしいメールをいただいたので披露します。11/4に書いた私の反論≠ヨの回答です。ご本人は掲示板にでもと言ってくれていますが、ここで紹介します。

 地球の世界詩人祭では失礼しました。

 「ごまめのはぎしり」も拝読しました。
 ただ、私の言い方が悪かったので、誤解があるのを
 訂正させて頂きます。

 あれは、村山さん個人にむけての発言ではありません。
 PCやインターネットが道具だと割り切ってしまうと、
 そういう社会の問題や心理とともに悩むという視点が
 抜け落ちてしまうのではないかと思ったからです。
 あの場では、実際にインターネットをやっている人が
 あまりいないようで、道具とか無意味とか決めつけると、
 特に若い人たちの感覚とずれると思ったからです。

 それから、国家や官僚に権威を守るというのは、
 すばらしいと思い、そういう意味でなら大賛成で
 すが、インターネット自体が既成の権威を揺るがす
 機能を持っていて詩人はそこにいるんだという
 ことを言いたかったのです。

 うーん。どうも、言い方がまずくてすいません。
 要するに、あの時、簡単に割り切ってしまう意見が印象に
 残り、違和感を禁じ得なかったので、あんな発言になったのです。
 不易と流行の二つながら考えなくちゃいけないのでは
 ないかということです。私の言いたいのはこれです。
 くれぐれも村山さん個人に対してではないんで、
 そこのところご了解ください。

 これからは、言い方に気をつけたいと思います。

 このメールをご迷惑でなければ、掲示版に公開して頂いても
 かまいません。
 では、ますますのご活躍をお祈りいたします。

 という次第で、どうもお互いに誤解があったようです。私も意外に短気な方でして、完璧な個人攻撃ととらえてカッカしていましたけど、違ったみたい。しかし、それはそれとして、この方のおっしゃっていることは大事なことです。私もインターネットに関しては早急に結論を出すべきでないと思うようになってきました。自分でHPを開設していながら変な言い方ですけど、パソコン通信のフォーラムの延長程度にしか考えていないんですね。気楽に扱っています。それではいけないのかもしれないと、この方のご指摘で考え始めています。
 それにしても、この方も拙HPをご覧になってくれていることに驚きました。そしてきちんとメールをくれることに感激しています。それにこうやって誤解が解けていくことにも、インターネットの底力を感じますね。
 さて、11/4の頁で紹介しきれなかった2冊の本を紹介します。いずれも「世界詩人祭2000東京」でいただいたものです。


「世界詩人祭2000東京」記念冊子
Le Petit Cadeau
le petit cadeau
2000.11.1 東京都練馬区 谷口ちかえ氏発行 非売品

 会場でご本人から直接いただきましたけど、「中の写真も全部、私が入れたのよ」とおっしゃっていました。パソコンで作った手作りの本で、難しい写真の割り付けもちゃんとできています。その場で私も「ご立派!」というようなことを言いましたけど、40頁ほどの小冊子ながら立派にできていますね。私も15年前に8bitのパソコンで限定100部の詩集を作ったことがありますから、お気持ちはよく判ります。
 中身も立派です。主にカリブの語り手、ポール・キーン−ダグラスの活動や作品を翻訳して紹介しています。詩も語りも軽妙で、そのくせ人間の本質をピシャリととらえていておもしろい人なんですね。知らない世界を覗かせてくれる冊子で、谷口さんの近況も判る本です。
 タイトルの「
Le Petit Cadeau」というのは小さな贈り物≠ニいう意味だそうです。8月にギリシャで行われた「第20回世界詩人会議」に参加しての作品がありますから、紹介します。

 21世紀 地球はますます小さくなるだろう
 世界の端っこも中心もたがいに混ざり合うだろう
 人々はたがいに兄弟として
 もっと身近になるだろう

 親愛なる子供 孫たちよ そして会うこともないその子たちよ
 ときには思いめぐらしてほしい
 君たちが享受しているこの豊かさ
 それらがどこから来たのだったか?
 血のにじむような科学への挑戦や
 戦争に散ったたくさんのいのちのあったことを
   この繁栄を愛すべき君たちに手渡そうとした先輩たちの努力を

 おそらく会場で朗読なさったのではないかと想像しています。単純明解で、これならどこの言葉に翻訳されても通用しそうですね。特に私は「血のにじむような科学への挑戦」という言葉に惹かれます。仕事柄、毎日が挑戦ですから、そこをちゃんと言ってもらえてうれしいです。

対訳現代詩ブックレット・四行連詩集
『<充たす>の巻』
the cycle of fill
2000.11.10 東京都新宿区
土曜美術社出版販売刊 500円+税

 四行連詩作法というのが載っていまして、先行詩の第三行目の語か句をとって自作の第三行目に入れるんだそうです。または先行詩の第四行目の語か区をとって、自作の第一行目に入れるともあります。しかし、これは英語の場合で、日本語ではちょっと違うようですね。
 日英対訳の作品として載っていますが、たしかに英語ではルール通りになっていますけど、日本語では厳密ではないようです。連詩そのものが私には経験がないので、なんとも言えません。次の作品を受けて(その一)と(その二)の連詩が始まったことを紹介しておきます。

Come here this moment

Never-before yet always-here
Fill me whih your nowness
Never again yet still to be

こっちにおいで まさに今
昔はじゃなくて いつもここ
充たしとくれ あなたの今 で
二度となくとも もうすぐ で
 ニール・フィリップ(木島始訳)



 
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