きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり
  kohana nani.JPG    
 
 
 
この花、なに?
2005.1.11
自宅裏畑にて
 

2005.2.2(水)

 特記なし。平凡な1日……、そんなわけないよなぁ。1日として平凡≠ネんて感じたことはありませんが、それでも、まあ、可もなし不可もなしの1日だったとは言えます。こういう日が怖いんです。あとになって、なんであのとき気付かなかったんだろう、と悔やむ日は、往々にしてこういう日。でも…、もう過ぎてしまった、、、。あとは野となれ山となれ、です(^^;



進 一男氏詩集『薔薇と夜と道化たち』
    bara to yoru to doketachi.JPG    
 
 
 
 
2005.1.10
宮崎県東諸郡高岡町
本多企画刊
3675円(本体3500円)
 

    薔薇

   夜の沈黙のなかに私は薔薇を想う
   常に巡り巡り帰りくる世界
   純粋に 薔薇そのものである 薔薇


   薔薇 垂直に燃え上がって止まないもの
   幾千幾百の想念をかなぐり捨てて走れ
   流れよ 水よりもゆるやかに そして素早く
   孤舟に委ねられて過ぎ去ったものたち

   薔薇 黄金色に輝いて止まない色彩
   窓外に揺れ動く一本の樹木の 木の葉の群れ
   空に輝いて 夢よりも濃く現よりも淡く
   あるいは夢よりも淡く現よりも濃い世界

   薔薇 お前は何を明示しょうとするのか
   いま 鋭く私の胸に燃え上がるものは一体何なのだろう

   混沌の世界から躍り出て 世界を包みこみ
   何処から何処へか 影もなく形もなく
   より奥深いところから燃え上がれ
   薔薇 その総合よ
   創生


   薔薇よ お前は嘆きなのか 喜びなのか
   如何なる言葉がお前を描き得ることだろうか
   凝視して 沈黙して すべてを曝して
   しかもなお すべてを秘めたかのようにして
   垂直に立っているお前 爽やかなる薔薇


   私にとって大切なのは何なのか
   きのう大切だったこと
   きょう大切なこと そして
   あす私にとって大切なことを
   薔薇よ お前は何もかも知っていると考える
   一枚一枚の花弁にあらゆる思弁を含ませて
   真紅に燃える薔薇

   ひとひらひとひらに いのちあふれる薔薇
   ひとひらひとひらがひとつであり しかも
   ひとひらひとひらがすべてであり しかも
   すべてが総合であるとともにひとつであるものよ

 3編の長詩を収めた詩集です。「薔薇」「聖なる夜のために」「聖ピエロあるいは黄昏の道化たち」の3編で、それらはすでに詩集として過去に出版されているようです。本詩集タイトルの『
薔薇と夜と道化たち』はそこから採っていると思われます。実は拙HPでも『聖ピエロあるいは黄昏の道化たち』は紹介していますので、2002.02.23 の部屋をご覧になってみてください。

 今回は「薔薇」の冒頭の部分を紹介してみました。これも非常に長い詩で、50頁に及びます。その一部しか紹介できなくて恐縮なのですが、作品の佳さや雰囲気は味わっていただけると思います。途中、2行空きになっているところは原文では5行空きほどになっています。紙の本なら味わい深い効果がありますけど、HTMLではその良さが出せないので2行空きとしました。読者の皆さまがプリントアウトしてご覧になるようなら、ぜひ5行空きにして鑑賞してみてください。できれば朗読してみるのもよいでしょう。重ねられた言葉、畳み掛ける音の面白さが堪能できる作品だと思います。



会報『南国忌の会会報』21号
    nangokuki no kai kaiho 21.JPG    
 
 
 
 
2004.2.1
横浜市金沢区
長昌寺内・南国忌の会 発行
非売品
 

 直木賞で有名な直木三十五のお墓は横浜市金沢区の長昌寺にあります。毎年2月に「南国忌」として墓前祭をおこなっているのですが、もう21回目なんですね。今年も2月20日に開かれるようです。
 今号はノンフィクション作家の西木正明氏の講演録が載っていました。「主人公たちとの出会い」というタイトルで、創作の秘密が明かされています。歴史上の有名な人を描くのではなく、その周辺の、埋もれた人を描くことで見えなかった世界が見えてくるようです。西木さんの作品はまったく読んだことはなかったのですが、その制作姿勢に打たれました。話も面白かったようで、これを機に西木さんの本も読んでみようかと思っています。ちなみに講演で採り上げられた西木さんの本は次の通りです。

『オホーツク諜報船』 (角川書店)
『ルーズベルトの刺客』(新潮文庫)
『その逝く処を知らず』(集英社)
『夢顔さんによろしく』(文春文庫)
『冬のアゼリア』   (文藝春秋)

 かなり文庫になっているようですし、40冊ほど出版しているとのことですから入手しやすいでしょう。ノンフィクションは好きな分野ですから、少し買い揃えようと思います。




   back(2月の部屋へ戻る)

   
home