きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり 】 |
2005.10.9 栃木県 | ||||
道の駅「もてぎ」にて | ||||
2005.10.27(木)
環境ISOの内部監査がありました。12月に実施される社外からの本審査に備えて、弊社社員同士の相互監査です。社員同士だから甘いかと言うと、決してそんなことはありません。内部監査の内容も本審査の対象になりますから手が抜けないのです。
私の担当分野は幸い指摘事項なし。本審査もそういってほしいものです。
○文芸誌『扣之帳』10号 | ||||
2005.10.25 | ||||
神奈川県南足柄市 | ||||
扣之会・東 好一氏 発行 | ||||
400円 | ||||
<目次> ◇表紙 河本千史
◇カット 木下泰徳/F・みやもと
小田原の文学発掘(6)
「律儀なスタイリスト」北原武夫・・・/岸 達志 2
忍城と甲斐姫・・・/今川徳子 16
「夢中朝鮮通信使」のなぞ解き・・・/北村欽哉 20
足柄を散策する 文学遺跡を尋ねて(1) /杉山博久 25
カルメン日記・・・/桃山おふく 34
洛北だより 京都からの絵手紙・・・/山端遊人 40
【随想】男ヤモメにゃ蛆が湧く・・・/木村 博 42
詩人福田正夫の句集『冬木立』・・・/佐宗放二 44
スペインからのメール・・・/田賀敦子 52
足柄学溝座−民俗編
「城下町の民俗的世界」(3)・・・/西海賢二 54
私の好きな言葉(書と文)・・・/岡田花子 67
安叟宗楞(8)「安叟和尚の伝記を読む(5)」・・/青木良一 68
加藤忠廣の末路「配所の明星に祈る」・・・/前田 勝 76
明神ヶ岳(1)「勘違い」・・・/東 好一 81
編集後記 86
某月某日 天気曇り時々雨
お前はこの夏の暑さでやせたねえ。うらやましい。
ちょっとこっちへおいで!健康診断をしてあげよう。
(かまわんといて!)
何を言う。お前の歳で何か異常があったら命取り。
まず口の中をお見せ!おう、きれいなピンク色の
歯肉だ。結構、々々。歯も立派。私様の血をひいた
らしいね。
(???)
どれどれ、脈は?一〇三回。理想は一分間一一〇
〜一三○というから、まあいいだろう。お前の歳で
それだけあれば十分だ。
ついでに熱も・・・。
(もうええて。死ぬ時は死ぬんやから、ほっとい
てんか!)
覚悟は出来ているようだね。潔くて結構。
お前がうちに拾われる前にいた猫は、死ぬ時に長
く苦しんだんだよ。おかげで私は寝ずの看病で大変
だった。ああ、思い出すと泣けてくる。
(わいが死ぬ時は、もっと手間かけまっせ。それ
に、これからのあんさんの態度次第では死んだ
後も化けて出るかも。 大事にした方がええで
え)
ああ、何と性格の悪いカルメン!
拙HPで10日ほど前に『ばあば 助けて』という小説を紹介していますが、作者の桃山おふくさんが「カルメン日記」という肩の凝らないエッセイを載せていました。その一部を紹介してみました。「カルメン」とは飼い猫の名前ですね。いつまでも純情な気持を持って、ちょっとノーテンキな「私様」と猫の「カルメン」との掛け合いが漫才のようで、そのくせ世相の根底をあぶり出す、面白い視点の作品だと思います。私も家族にアッサリとは逝かない、ジタバタと回りに迷惑をいっぱい掛けて逝く≠ニ日頃から言っています。カルメンの「わいが死ぬ時は、もっと手間かけまっせ」という言葉に共感しますね(^^;
○詩と批評『キジムナー通信』26(終刊)号 | ||||
2005.10.10 | ||||
沖縄県那覇市 | ||||
孤松庵・宮城松隆氏 発行 | ||||
120円 | ||||
<目次>
詩「ゆいまーるツアー」 宮城隆尋 4
詩「ウンケーの日」 キウリユキオ 6
詩「黙示」 宮城松隆 8
詩「七月三十一日の手紙〜静かな空の下で〜」トーマ・ヒロコ 10
詩集評「トーマヒロコ詩集『ラジオをつけない日』
《身辺を見つめる客観的な視線》 宮城隆尋 12
詩「非戦」 西本三郎 16
詩「十慣瀬エレジー」 西本三郎 18
詩「不食芋(くわずいも)」 渡久地成公 20
読者へ「キジムナー」とは(水木しげる・妖怪大全集) 23
詩集評『車椅子の青春』を巡って 宮城松隆 24
レポート「日本詩人クラブ全国大会in宮崎」より 宮城松隆 29
あとがき(『終刊によせて』) 32
ゆいまーるツアー 宮城隆尋
ゆいまーるツアーにご参加下さいまして誠にありがとうございますゆいまー
るとは助け合いの心でございまして強盗殺人強姦放火などがあっても米兵を
疑わずに土地や予算を提供し基地を一県のみに押しつけられてもようこそお
いで下さいましたと笑顔で観光客を出迎える沖縄県民こちらではうちなーん
ちゅと言いますがその心を表しております
右手に見えますのが空手でございます毎朝のラジオ空手は夏休み中の子ども
たちにとって日課のひとつです体育の授業で全員が型から実践まで経験して
いますので沖縄の子どもとケンカになると正拳突きでみぞおちをやられます
ご注意下さい
左手に見えますのがハブでございます沖縄の子どもたちは網を持ってハブと
りに出掛けますが最近はデパートでハブ飼育キットなどを買って観察日記を
つける子も多いようです子どもはハブを持ち歩いてケンカをしますのでマン
グースと血清は手放せませんご注意下さい
前方に見えますのが演習の砲弾が積もってできた烈火宇乱岳でございます標
高504メートルで沖縄本島一の高さを誇り休日は家族連れのハイキングで
にぎわいますが帰宅すると髪の毛が抜け落ちて体中に黒い斑点が現れますご
注意ください
後方に見えますのが婦女子をナンパするイラク帰りの米兵たちでございます
むげに断ると拉致・輪姦されますので女性たちはやんわりと英語で遠慮した
い旨伝えます英語を勉強していない婦女子は後悔することでしょうご注意下
さい
大変お疲れ様でした那覇国際空港に到着いたしましたそれでは新東京国際空
港までKC130空中給油輸送機での空の旅をお楽しみ下さい任務の状況に
よっては目的地がイラクやアフガニスタンに変更されるかも知れませんがご
きげんよう
第26号での終刊です。あとがきでは、埋もれた詩人の発表の場として7年間続けてきたが20代の若い詩人たちが同人誌を立ち上げてきた、役割は終った、次の世代へつなぐ、とありました。若い詩人たちにはご自身の息子さんも含まれていますから、このお考えはそれはそれで良しとすべきなのかもしれません。しかし一読者としては、それでなくても数の少ない沖縄の詩誌が1誌消えるのか、という思いをしています。
紹介した詩はその息子さんの作品で、巻頭に載せられていました。沖縄の置かれている現状を見事に描いていると思います。第2連から4連までの最後が全て「ご注意下さい」になっているところに沖縄の現実を知らされます。
○詩誌『掌』131号 | ||||
2005.11.1 | ||||
横浜市青葉区 | ||||
志崎 純氏編集・掌詩人グループ 発行 | ||||
非売品 | ||||
<目次>
エッセイ
『シベリアの族』……………………………………………… 中村雅勇 …… 10
通学路 ………………………………………………………… 石川 敦 …… 10
妖怪って ……………………………………………………… 福原恒雄 …… 11
詩
もっと寄ってみればぁ ……………………………………… 福原恒雄 …… 2
発 掘 ………………………………………………………… 中村雅勇 …… 4
正 直 ………………………………………………………… 石川 敦 …… 6
わが風樹の嘆=i他一編)………………………………… 半澤 昇 …… 8
夏の弔い《私は明日のことを思つてゐた》立原道造 …… 国広 剛 …… 12
いのち(他四編)……………………………………………… 堀井 勉 …… 14
霊場にて ……………………………………………………… 志崎 純 …… 17
編集後記
表紙題字 長谷川幸子
もっと寄ってみればぁ 福原恒雄
このま昼 風もなく畑の主も不在であるが
いちめんの蔓の繁茂に
きのうも歩いたかもしれない路傍で
あれなにと幼児の興がたずねている
さ、つ、ま、い、も 手をひいていた女がこたえる
あれなに いも ないじゃ
土のなかにあるのよ
ふうん
生返事の洩れるあたりから
ちかごろの暑気のにおいがして
みどりのあつい葉が溶けた
茶色い残滓も汗も時間のかけらもないのっペら視力に
革靴もスニーカーも畑では不自由だから素足がいい
眺めているよりもそばへ寄って
刺さる薗が脅したって
副流煙やら排ガスやら汚濁の大気だのを虜に
鼻毛伸びる呼吸でかまえる美景の世だから
足裏の毛穴は へいき へいきだよ
このあいだも素足で近づいたら
つるつるに色づいたプチトマトの葉も茎にも
とげとげがあったぜ きみももっと寄ってみればぁと
早とちりの取り違えもなんのそのよ
町育ちのよろこんだ発見が寄ってくる
ヒートアイランドから抜けてきた歩調で
蔓から立ち上がる葉の柄を掴んだら
ぽきりと折れるいのちは可憐だったとかなんとか
そこまではほっと一息の調子がよすぎる 友よ
幼児の興のままにまた寄ってみるか
わずかでも暑気がふるえたらむかしが膨らみそうな
目のまえ
葉裏で涼味を突ついていたか野良猫一匹
ふいに睨む
「土のなかにある」「いも」を想像するのは、知識も経験もない「幼児」では無理なことだと思います。しかし大人には可能です。ところが大人である「友」は「副流煙やら排ガスやら汚濁の大気だのを」よく判っているのに、「ぽきりと折れるいのちは可憐だったとかなんとか」、理屈で考えるべきところを情緒に流してモノの本質を捉えようとしていない。「野良猫一匹」の方がよく判っていて「ふいに睨」んでくるのではないか…。散文的に解釈≠オていくと、そんな風に読める作品だと思います。
これは耳が痛いですね。煙草を止められない私には特に「副流煙」が重くのしかかって来ます(^^; この作品は世をシニカルに見ていますけど、「茶色い残滓も汗も時間のかけらもないのっペら視力」というフレーズは作者自身に向けられたものではないかと思います。あんたもアホだけど俺もバカなんだよな、と高みに立たず地に足をつけた目線も感じます。
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