きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり 】 |
2007.8.20 神奈川県真鶴半島・三ッ石 |
2007.9.5(水)
お昼頃、神奈川新聞社の文化部より電話取材。明日の新聞に横浜詩人会賞受賞の紹介をするから略歴を教えろ、とのこと。拙HPも見てくれたようで、そこに載せている略歴の確認でした。写真も載せたいのでHPのものを使っていいか、というので、あれは縮小してありますから原画を添付ファイルで送りますと応えました。
こう書くと、相手がいかにもイバッテいるような感じを与えてしまいますけど、事実はそんなことはありません。感じの良い記者で、非常に丁寧でした。記事も本当に短いんですよと恐縮していました。授賞式当日も取材をしたいから、新聞社に出向いてくれと言われて、思わず「えっ!私が行くんですか?」と聞き返してしまいました。それにも恐縮しながら会場と新聞社は近いのでと言ってくれました。まあ、こんなときでもなければ新聞社訪問なんてありませんからね、快く受けましたけど。そうそう、賞金の一部は神奈川新聞社が出してくれて、副賞も新聞社からのようです。貰っちゃうまでは大人しくしてなきゃ(^^;
明日はどんな記事になるのか楽しみです。
○季刊文芸誌『南方手帖』86号 |
2007.9.10 高知県吾川郡いの町 南方手帖社・坂本稔氏発行 763+税 |
<目次>
詩
あぜ道の星/平井広恵 2 庭/坂本 稔 4
わたしはいます/玉井哲夫 6 ネコと煙突/朝倉ハル 8
短歌 しろたへの花/梅原皆子 10
俳句 葭切や/甲藤卓雄 14
季節の肖像(5) 息子/中村達志 13
随筆
ウィーン遠からじU(4)/高橋悦子 16 針箱・ある日のフジコさん/高橋悦子 21
南方荘漫筆(58)/坂本 稔 23 自慢にもなりませんが。(2)/モリヒロエリ 12
南方の窓(37) 回復ノ記/仁井田明
読者投稿作品
川魚の回顧話/さかいたもつ 38 仲むつまじく…/岡上 功 38
題字・竹内蒼空/表紙装画・土佐義和
庭/坂本 稔
或ル日
秋風ガ
死ンダ親爺ノ死骸ヲ背負ッテ庭ヲ横切ッテイッタ。
マタ或ル日ノ午後
三年前ニ家出シタ老猫ガ
山茶花ノ蔭ニ座ッテ欠伸シテイル。
時折
少年ノ私ガ
黒揚羽ヲ追イカケテイルノヲ見ル。
毎日
新シイ光ヲ食イニヤッテ来ル
幻ノ人ハ一体誰ナノカ。
朝ゴトニ
芝生に踊ル
影アリテ。
庭の幻想と謂ったらよいのでしょうか、4連目の「毎日/新シイ光ヲ食イニヤッテ来ル/幻ノ人」が効いています。その「新シイ光」と最終連の「影」も呼応していて、幻想の庭を立体的に浮かび上がらせていると思います。「死ンダ親爺」「家出シタ老猫」「少年ノ私」という役者≠ヘ時代を越えて「毎日/新シイ光ヲ食イニヤッテ来ル」と捉えてもよいでしょう。土佐の明るい日差しの中の幻影は、まるで映画の一齣のようで、おもしろい着想だと思いました。
○付録『南方手帖通信』57号 |
2007.8.30 高知県吾川郡いの町 南方手帖社・坂本稔氏発行 非売品 |
前号までは「南方荘便り」でしたが、今回から「南方手帖通信」となったようです。番号はそのまま通していました。
今号では同人、読者の皆さまの近況に加え拙HPについても触れていただきました。さらに昨年刊行の拙詩集も写真入り(真ん中の写真です)で紹介してくださりました。ありがとうございます。
○詩と批評『幻竜』6号 |
2007.9.20 埼玉県川口市 幻竜舎・清水正吾氏発行 1000円 |
目次
<作品>
村川逸司/鬼…2 清水正吾/時事刻刻…4
清水正吾/痛点…6 清水正吾/変奏曲…8
<イラスト> 梅沢 啓 「闇と光」…11
<作品>
こたきこなみ/猫跨ぎな日々…12 いわたにあきら/涙…16
いわたにあきら/竜はなぜまだ死ねないのか…18
<コラム> 舘内尚子/K教授の四柱推命…21
<作品> 梅沢 啓/死…22
<コラム> 清水正吾/G茶房・ゲノムにてY…27
<作品>
弓田弓子/薬箱…28 弓田弓子/ストッキングも足にきちんとはめられない…30
斎藤充江/召し上がれ…32 斎藤充江/装…34
館内尚子/秘色(ひそく)の宙(そら)…36 館内尚子/幻視のたまご…39
館内尚子/カルマの薔薇…40
<エッセイ> 材川逸司/ルソーの追想−その詩について−…42
◆特集◆追悼川杉敏夫 川杉敏夫/断念の美学2…44
編集手帳
表紙デザイン・本文レイアウト/ネオクリエーション
猫跨ぎな日々/こたき こなみ
無明
早朝 枕元で騒ぎ立てて人を起こす
雨戸を開けてしらしら明けの光を見せると
安心したようにまた眠る
暗闇が好きな夜行性の動物だって
朝が来ない日の予感におびえているのだ
仮の姿
賢くて器用で猫にしておくのは惜しい
人間のような いや神のようなものが猫の皮を着ているのだ
武器凶器を持たないだけ猫のほうが上等なのだ
このようなものだけが住めば地球は極楽浄土永久不滅
人間なんてネズミも捕れないくせに 猛獣狩りをする
暗闇では何も見えないくせに 闇討ちをする
猫の真似して猫かぶりにキャッと叫んで丸く縮まればいい
互いに強がりっこするから ここはますます恐怖世界
猫は神をかくして 光センサー眼(まなこ)で睨んでみるが
「猫跨ぎな日々」という総タイトルの元に「無明」「救出」「仮の姿」「猫跨ぎ」「吹き寄せ」の5編が収められています。ここでは「無明」と「仮の姿」を紹介してみました。「無明」では「暗闇が好きな夜行性の動物だって/朝が来ない日の予感におびえているのだ」というフレーズに惹かれています。「朝が来ない日」が実際にあるかどうか分かりませんが、それを猫に託す作者の感受性が良いと思います。
「仮の姿」では「人間なんてネズミも捕れないくせに 猛獣狩りをする/暗闇では何も見えないくせに 闇討ちをする」という人間への批判が的を射ていると云えましょう。猫と人間の対比で人間を照射する、おもしろい作品だと思いました。
○会報『文芸西さがみ』38号 |
2007.9 神奈川県小田原市 非売品 奥津尚男氏方事務局・西さがみ文芸愛好会発行 |
<目次>
9月26日に《文芸を楽しむ会》開催 1
暑すぎた夏/櫻井千恵 2
湯山厚さんの《民話・昔話の考察》出版 3
遺稿となった星ア茂さんの《歌心往還》 4
西さがみ文芸情報◆小田淳さんが《魚の地震予知》出版 5
ひとこと 5
会員の消息/活動 6
今号で紹介したいのは「9月26日に《文芸を楽しむ会》開催」です。詳細は
8月30日の日記
に書きましたので繰り返しません。ハイパーリンクを張っておきましたので、よろしかったらご覧ください。おいでいただける方はご一報くださると嬉しいです。もちろん、何の予告もなく当日ブラリ、も大歓迎。小田原の街もご案内しますよ。
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