きょうはこんな日でした 【 ごまめのはぎしり
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2008.11.21 静岡県裾野市・五竜の滝




2009.2.14(土)


 日本詩人クラブの理事会、および2月例会が東大駒場で開かれました。理事会では、昨年末の国際交流の収支が報告されました。総予算のうちの4割近くを国際交流基金の助成金で賄うことができ、法人化のメリットを実感しました。私からは役員改選の日程などを報告しました。
 例会は<会員による詩の朗読と小スピーチ>に女性3会員をお迎えし、講演は高橋千劔破氏の「失われた名山の歴史と文化」。千劔破(ちはや)さんは日本ペンクラブ常務理事で、ペンの例会や委員会などでお世話になっていますから、詩人クラブをおいでいただいて嬉しかったです。ちなみに<ちはや>は<ちはやぶる>という枕詞から採っているそうです。

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 講演内容を案内状から紹介してみると、
<日本は山国であり、山の見えない所はない。どのような大河も遡れば山に至る。命の源である水の恵みを与えてくれ続ける山が、日本独特の山岳信仰を育んだのは当然のことであった。また四季折々の山の佇まいが、日本人の精神文化と深く関わり、日本人の感性を育んできたのも疑いない。だが、近世以前の山の歴史や文化はきわめてあいまいであり、語られる歴史には欺瞞が多い。なぜか。>
 ということになります。明治政府の施策には疑問な点が多々あるのですが、明治政府が採った廃仏毀釈が、実は今に続いていることが語られ、納得しました。2時間の講演が短く感じられるほどの充実した時間でした。

 写真でもお分かりいただけるかと思いますが、夏を思わせる暑い陽射しの中、60名を超える人が話に惹きこまれていました。おいでいただいた皆さま、ありがとうございました!





高橋千劔破氏著『江戸の旅人』
大名から逃亡者まで30人の旅
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2007.3.25第3刷 東京都千代田区 集英社刊 600円+税

<目次>
序 章 江戸時代の旅 15
旅行費用と旅事情 16
.            往来手形と旅の心得 21
第一章 文人たちの旅 27
松尾芭蕉と「奥の紳道」の旅 28
.       小林一茶と信濃帰郷の旅 36
与謝蕪村と俳諧・画作の旅 46
.        十返舎一九と秩父巡礼の旅 56
司馬江漢と「畸人」の旅 66
第二章 求道の旅 75
木喰行道と作仏行脚の旅 76
.         金谷上人と大峰入りの旅 85
播隆上人と槍ヶ岳初登頂の旅 94
第三章 学者たちの旅 103
貝原益軒と日光社参の旅 104
         古川古松軒と東北巡見の旅 114
菅江真澄と民俗記録の旅 123
         鈴木牧之と山間秘境の旅 132
第四章 女人の旅 141
大名夫人と伊香保温泉の旅 142
        井上通女と『東海紀行』の旅 152
村娘たちと西国巡礼の旅 161
         松尾多勢子と国事奔走の旅 170
皇女和官と中山道婚礼の旅 179
第五章 仕事の旅 189
伊能忠敬と蝦夷地測量の旅 190
        橘南谿と医学修業の旅 200
川路聖謨と下田出張の旅 209
         松平容保と痛恨の旅 219
第六章 異国人の旅 229
朝鮮通信使と善隣外交の旅 230
        シーボルトと長崎〜江戸の旅 240
シュリーマンと異文化体験の旅 249
      オールコックと富士登山の旅 259
第七章 それぞれの旅 269
吉田松陰と諸国遊学の旅 270         清河八郎と母親孝行の旅 280
坂本龍馬と日本最初の新婚旅行 289      村尾嘉陵と江戸近郊日帰りの旅 298
犬目の兵助と諸国逃亡の旅 307
あとがき 316                解説 松平定知 320




 上述の例会で頂戴しました。あまり中身に触れられませんので、カバーに書かれた文章を紹介しておきましょう。

 江戸時代、五街道が整備され宿泊施設が整うと、寺社参詣や宗教登山を名目とする物見遊山の旅が登場する。庶民が、娯楽として旅を楽しむようになるのだ――。芭蕉と奥の細道、大名夫人と伊香保温泉、和宮と中山道婚礼旅、村娘と西国巡礼等、文人をはじめ武士、町人、農民にいたるまで、元祖ウォーカー達の足跡を辿る。旅籠代、交通費など、徒歩で行く旅の実情を知るとともに江戸の豊かさを実感できる一冊。

 〈
大名から逃亡者まで30人の旅〉も、章ごとの南伸坊の挿絵も楽しい、お薦めの1冊です。




上野菊江氏著
世界的文化財 アラビアン・ナイトに託して
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2009.2.12 長野県諏訪市 ゆすりか社刊 1600円+税

<目次>
 T
世界的文化財 アラビアン・ナイトに託して 6
詩人 西脇順三郎の初めの妻 マージョリ・ビドル女史をめぐって 18
アフオリズムの系譜 23
芥川籠之介の「侏儒の言葉」とA・ビアスの「悪魔の辞典」 32
シンデレラを探る 38
信仰の悲しみ 44
 U
アラブ その遠い世界 50          秘境 カッパドキア 52
ルーマニヤ・ブルガリヤ 57         呂律論・時のほとりで 60
ウィーンの街から 63            忍者と暮らす 66
宝石を拾う 68               一枚の母子像 70
 V
私の雑記帳(国歌 文化 わが先輩 女性の時代) 74
国際化・異文化 85
私のなかの古里 88
あとがき 91




詩誌『茜』25号
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2009.1.28 東京都渋谷区
高橋晟子氏方・茜の会発行 非売品

<目次>
三枝 規子・初孫/どうなっているの/勉強不足 2
柴田 照代・桃・意のまま/花は散るもの/昭和・邑楽のわらべ唄 8
高橋 晟子・くだもの占い/「ミラノの奇蹟」/からす瓜の花 14
藤井ヤヱ子・海の思い山/夏の終わり/我が家の小さな胡蝶蘭 20
古河みのり・心残り/風の中/母の味 26
梅澤 綾子・風にのって/巣鴨の街へ/夏はタライ 32
課題   ・「光」(一行二十字内 十行詩) 38
  三枝 規子・伯父     柴田 照代・青い記憶・光の断片
  高橋 晟子・ほめられて  藤井ヤヱ子・光
  古河みのり・ひかり    梅澤 綾子・春の光
連詩   ・姓名/夕映え 44
大石 規子・悲しみよ こんにちは 48
編集後記
表紙 柴田照代



   
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